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【最終話】雨上がり
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どれぐらいたったでしょうか。
「雨が上がったよ」というおばあさんの声で、めいちゃんは目を覚ましました。
おばあさんはめいちゃんの荷物と、お掃除をしていたのかモップを持っています。
「おじょうちゃんには、とっておきの出口を案内しようね。ほら、あそこだよ」
指を差したのは、丸くなった天井の一番高い所にある天窓でした。濡れた天窓にはうっすらと薄日が差しています。
あそこがかたつむりハウスの一番先っぽのところなのでしょう。
おばあさんは、靴下を履きかえて身支度を整えためいちゃんに、優しく微笑みました。
「雨宿り屋、ご利用ありがとうございました」
「おばあさん、どうもありがとう!」
手を振るおばあさんにめいちゃんはぺこりと頭を下げました。
めいちゃんは天窓にまで伸びた梯子を伝っていって、天窓を開け外に出ました。
葉っぱと土のむんとした雨上がりの匂いが、めいちゃんを包みます。
かたつむりハウスの屋根の一番高いところに出ためいちゃんは、渦巻きの屋根に沿って、くるくると滑り台がついているのを発見しました。おばあさんが言った「とっておき」とは、このことだったのです!
めいちゃんはとっても嬉しくなって、
「やったー!!」
と大きな声をあげました。
おばあさんが掃除をしてくれたのでしょう、滑り台はきれいに拭きあげられていました。
めいちゃんは心の中でおばあさんにお礼を言って、ウキウキと滑り台を滑り始めました。
四つ巻き、三つ巻き、二巻き、一巻き……くるくると屋根を滑り降りてきためいちゃんの体は、地面に到着する手前で、ぽーんと空中に浮かび上がりました。
頭の上の方では雨宿り屋の隣にある大きな木の梢が、風に揺れてざわざわと音を立てています。
その音に混ざって、「めいちゃーん」と名前を呼ぶ声が聞こえました。大好きなお母さんの声です。
「めいちゃん、探したのよ。よかった、ここで雨宿りしてたのね。濡れてない?」
いつのまにか、めいちゃんはあの背の高いとても大きな木のそばに立っていました。
目の前にはお母さんがいました。雨の中めいちゃんを探しに出てくれたのでしょう。ふうちゃんをだっこして、手にはぐっしょりぬれたお母さんの傘と、くるくると巻かれためいちゃんの傘を握っています。
めいちゃんは急いで木の根っこの辺りを探してみましたが、不思議なかたつむりハウスの雨宿り屋もおばあさんの姿も、もうありませんでした。
木陰に飛び込んだとき、帽子と足元は確かにじっとり濡れていました。けれども今はサラサラして、ほんわりと温かささえ感じます。
「お母さん、わたしね、かたつむりハウスで雨宿りしてたんだよ」
「かたつむりハウス? わあ、すてき! お母さんにお話してくれる?」
「うん! あのねえ――――」
めいちゃんとお母さんはおしゃべりをしながら、家の方へと歩きます。
雲が開けて、青い空にはお日様がきらきらと照り始めました。
(おしまい)
「雨が上がったよ」というおばあさんの声で、めいちゃんは目を覚ましました。
おばあさんはめいちゃんの荷物と、お掃除をしていたのかモップを持っています。
「おじょうちゃんには、とっておきの出口を案内しようね。ほら、あそこだよ」
指を差したのは、丸くなった天井の一番高い所にある天窓でした。濡れた天窓にはうっすらと薄日が差しています。
あそこがかたつむりハウスの一番先っぽのところなのでしょう。
おばあさんは、靴下を履きかえて身支度を整えためいちゃんに、優しく微笑みました。
「雨宿り屋、ご利用ありがとうございました」
「おばあさん、どうもありがとう!」
手を振るおばあさんにめいちゃんはぺこりと頭を下げました。
めいちゃんは天窓にまで伸びた梯子を伝っていって、天窓を開け外に出ました。
葉っぱと土のむんとした雨上がりの匂いが、めいちゃんを包みます。
かたつむりハウスの屋根の一番高いところに出ためいちゃんは、渦巻きの屋根に沿って、くるくると滑り台がついているのを発見しました。おばあさんが言った「とっておき」とは、このことだったのです!
めいちゃんはとっても嬉しくなって、
「やったー!!」
と大きな声をあげました。
おばあさんが掃除をしてくれたのでしょう、滑り台はきれいに拭きあげられていました。
めいちゃんは心の中でおばあさんにお礼を言って、ウキウキと滑り台を滑り始めました。
四つ巻き、三つ巻き、二巻き、一巻き……くるくると屋根を滑り降りてきためいちゃんの体は、地面に到着する手前で、ぽーんと空中に浮かび上がりました。
頭の上の方では雨宿り屋の隣にある大きな木の梢が、風に揺れてざわざわと音を立てています。
その音に混ざって、「めいちゃーん」と名前を呼ぶ声が聞こえました。大好きなお母さんの声です。
「めいちゃん、探したのよ。よかった、ここで雨宿りしてたのね。濡れてない?」
いつのまにか、めいちゃんはあの背の高いとても大きな木のそばに立っていました。
目の前にはお母さんがいました。雨の中めいちゃんを探しに出てくれたのでしょう。ふうちゃんをだっこして、手にはぐっしょりぬれたお母さんの傘と、くるくると巻かれためいちゃんの傘を握っています。
めいちゃんは急いで木の根っこの辺りを探してみましたが、不思議なかたつむりハウスの雨宿り屋もおばあさんの姿も、もうありませんでした。
木陰に飛び込んだとき、帽子と足元は確かにじっとり濡れていました。けれども今はサラサラして、ほんわりと温かささえ感じます。
「お母さん、わたしね、かたつむりハウスで雨宿りしてたんだよ」
「かたつむりハウス? わあ、すてき! お母さんにお話してくれる?」
「うん! あのねえ――――」
めいちゃんとお母さんはおしゃべりをしながら、家の方へと歩きます。
雲が開けて、青い空にはお日様がきらきらと照り始めました。
(おしまい)
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拝読しつつ、ドキドキ・ワクワク・ほっこりする、とっても素敵なお話でした。
読み終わったあとに、優しくて温かくて、それに爽やかな気持ちになれて……すごく良かったです!
東郷しのぶさま
ご感想、本当に嬉しかったです、どうもありがとうございます!
ドキドキ・ワクワク・ほっこり。優しく温かく爽やか……わあ沢山素敵なご感想を戴けて、身に余る光栄です…(n*´ω`*n)
めいちゃんの経験が皆さんに伝わればという想いで書きましたので、ご感想が大変嬉しかったです。
どうもありがとうございました(*´▽`*)