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21.よそよそしくなった永准
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その日、藁屋は「文化祭の委員会があるから」と放課後にどこかへ行ってしまった。本当に委員会があったのかどうかわからない。僕は1人で家まで帰った。
次の朝、永准はいつもの待ち合わせ場所にいなかった。
少し待ってみたが姿を現さなかったから一人で行くと、教室の自分の席に座っていた。俺を置いて先に行ったんだ。
授業中も後ろを振り返って話しかけてくることがなく、昼休みには自分だけ食べ終わると「用事がある」と一人でさっさと行ってしまった。
昨日感じた不安は当たっていた。何が原因なのかが見当もつかない。
きっと僕が何か気に入らないことを、気に障ることをしたのだ。しかもその理由も教えてくれない。僕に言えないことなのだろう。
残像が見えるなんて誰にも言えなかったことを話すことができて打ち解けたつもりになっていた。でもそれは俺だけだった。
僕は永准のことを何も知らない。
次の朝、永准はいつもの待ち合わせ場所にいなかった。
少し待ってみたが姿を現さなかったから一人で行くと、教室の自分の席に座っていた。俺を置いて先に行ったんだ。
授業中も後ろを振り返って話しかけてくることがなく、昼休みには自分だけ食べ終わると「用事がある」と一人でさっさと行ってしまった。
昨日感じた不安は当たっていた。何が原因なのかが見当もつかない。
きっと僕が何か気に入らないことを、気に障ることをしたのだ。しかもその理由も教えてくれない。僕に言えないことなのだろう。
残像が見えるなんて誰にも言えなかったことを話すことができて打ち解けたつもりになっていた。でもそれは俺だけだった。
僕は永准のことを何も知らない。
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