若君の憂鬱

kitty369

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若君のため息

若君の試練

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義顯は今日も悩んでいた。

仕事をしようにも、あのおなごの顔が離れないのだ。

頭を抱えて今にも頭突きしそうな勢いの若に声を掛けたのは

鈴木だ。
『若、あの女性が何処に住んでいるのかわからないのですか?一度会いに行ってみるのは如何でしょう?』

『会いに行って嫌われたらどうするのだ?』大の大人がなんと、情けない。

『嫌われたらなんて未だ現実にすらなってない事を考えるだなんて、いつから若は腑抜けになったんですか!?』

そう感情を爆発させる、らしからぬ鈴木の様子に目をパチクリさせるばかりであった。
そんな自分に彼は尚も続ける。
普段、割と冷静でも有る筈の彼がそこまで熱いのは珍しいなと。

『会いたいけど、会いたくない。嫌われたくない。嫌われたらどうしよう』そんな気持ちばかりなんだ。

ブツブツと1人ごちる、自分に
『彼女が行きそうな場所に行ってみたらいかがです?』


と、鈴木に促されようやく、義顯は行動に移したのだった。

出逢った場所の、神田明神で有る。
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