【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗

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第69話 財布を奪った男

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「俺も行く」と言う大和を振り切ってイライラしながら寮の近くにあるコンビニへ向かったら、
「あ、和馬くん!」
にこやかに手を振ってくる爽やかな男に遭遇した。

つい先日、みんなでカラオケへ行く前にはじめて会ったトモという男。
昔は大和と親友だったらしいけど、いまは不仲らしい。

大和はすごく毛嫌いしているという感じだった。
そのうえ、この前会ったときには気づかない間に大和の財布を盗んでいて…。

「あ、そういえば、大和の学生証は?どうせそれも、お前が盗ったんだろ?返せよ」
気づいたらトモに詰め寄っていた和馬。

トモは
「え、えええ、ちょ、ちょっと待ってよ。いきなり泥棒よばわりとか酷くない?」
思いっきり動揺した様子で苦笑い。

「は?この前、お前が大和の財布を奪ったんだろ?」
「へ?俺が?まさか!」

トモは驚くと、自分と同じ制服を着た男がコンビニから出てくるのを確認。

「大和くんとは親友だから悪くは言いたくないけど…。結構ウソつくところあってさ」
そう言うと、
「あっ、ユウくん」
コンビニから出てきた高校生男子を呼び止めた。

ユウと呼ばれた男は少し怯えた様子で
「…あ、これ…」
持っていたコンビニの袋をトモに手渡す。

「…ん?あ、コンビニスイーツ、こんなにいっぱい、いいの?」
ユウに向かって爽やかな微笑みを向ける。

「え…、あ…、あ、、、」

狼狽えているように見えたユウを睨むトモ。

すると、少し引き攣ったような笑みを浮かべ
「う、うん…。も、もちろん。ト…、トモ、好きだって言ってたよね…?」
ユウが聞く。

「うん、大好き。ありがとね、ユウくん。あ、これ1個、和馬くんにあげていい?」
「も…、もちろん」

ユウの承諾を得て
「はい、プリンでいい?」
差し出してきたプリンを断りながら、その場を離れようとした和馬に聞こえるよう、トモが確認する。

「ねぇユウくん。ユウくんも大和くんとすごく仲良しだったじゃん?大和くんっていい子だけど、よくウソをついてみんなを困らせるよね?」
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