オレの秘密が会社イチ遊び人のドＳ男に握られました

第7話 弄ってませんよね？

一葉のことを“躾のなっていない犬”だと耳元で囁いた稜生はいままでの不機嫌がウソみたいに爽やかな笑顔を誉に向けて聞く。

「あのさ、俺たちちょっと仕事の話があるから席を外したいんだけど、用事は済んだ？」
「…え？あ、は、はい」

チラリと一葉のことを気にしながらも
「じゃ、じゃあ、俺はこれで…」
そそくさと自分の席へと戻る誉。

ほ、誉、待ってくれ！

こいつと2人にしないで。
頼む。

そんな一葉の思いも虚しく
「昨日、約束しましたよね？俺の忠実な犬になるって」
稜生はそう耳元で囁くと腕を引っ張りながら言った。

「昨日のことバラされたくなかったらついて来てください」

ズリズリと引きずられるような恰好で連れて行かれながら思い出す。

そうだ、そういえばそうだった。
嫌なことが蘇る。

俺は昨日のオフィスアナニーを内緒にしてもらう代わりにこいつ、日向稜生の言うことをなんでも聞く忠実な犬になる約束をさせられたんだった…。

「ねぇ先輩、まさかとは思いますけど昨日、あれから自分で弄ったりしていませんよね？」