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第113話 摩利支天隠形の法
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全員が一瞬で身構えたけど、影薄先生はその間にも末明たちを守るように前面へ。
「みんな動かないで!」
叫んだかと思うと、手や指を組み合わせてさまざまな形を作る印を結び、
「オン アニチ マリシエイ ソワカ」
などの真言を唱えて印明を実行。
その直後、教室の空気が変わってカラダが押し潰されるのではないかと思うほどの圧力がかかったのを感じた。
「これは…?」
紗里の問いに
「摩利支天隠形の法」
早口で影薄先生が回答。
「なに?まりし…?」
「もうっ、末明、あんたもちょっとは忍術の勉強をしておきなさいよね!隠形というのは、他人から姿や形を隠すこと。印を結び、真言を唱えることによって仏教の守護神・摩利支天の力を借りて敵から悟られないようにする忍術よ」
「…え?でも、それって自分自身に唱える術じゃないの…?」
「そのとおりよ、白波さん。でも私ぐらい修行を積んでいれば、範囲を決めて発動させることもできる。だから、何があってもその場から動かないで」
影薄先生はそう言うと、スッと天井高くジャンプ。
ものすごい速さで教室中の横壁や天井、そして床を飛び回る。
「ほう…、これが聖徳太子に味方したという甲賀忍者の摩利支天隠形の法か」
ガラスをぶち破って侵入してきた濃紺の忍び装束の人物は低い声でつぶやくと、影薄先生の気配を察知して動きを目で追っていたのを止めた。
そして静かに目を閉じると天井を目指してふわっとジャンプし、高い位置で宙返りをしてフッと何かを吹く。
そのすぐあとに「うっ!」という小さなうめき声とともに影薄先生が床に墜落。
首には花火大会の日に見たのと同じような針が突き刺さっていた。
「みんな動かないで!」
叫んだかと思うと、手や指を組み合わせてさまざまな形を作る印を結び、
「オン アニチ マリシエイ ソワカ」
などの真言を唱えて印明を実行。
その直後、教室の空気が変わってカラダが押し潰されるのではないかと思うほどの圧力がかかったのを感じた。
「これは…?」
紗里の問いに
「摩利支天隠形の法」
早口で影薄先生が回答。
「なに?まりし…?」
「もうっ、末明、あんたもちょっとは忍術の勉強をしておきなさいよね!隠形というのは、他人から姿や形を隠すこと。印を結び、真言を唱えることによって仏教の守護神・摩利支天の力を借りて敵から悟られないようにする忍術よ」
「…え?でも、それって自分自身に唱える術じゃないの…?」
「そのとおりよ、白波さん。でも私ぐらい修行を積んでいれば、範囲を決めて発動させることもできる。だから、何があってもその場から動かないで」
影薄先生はそう言うと、スッと天井高くジャンプ。
ものすごい速さで教室中の横壁や天井、そして床を飛び回る。
「ほう…、これが聖徳太子に味方したという甲賀忍者の摩利支天隠形の法か」
ガラスをぶち破って侵入してきた濃紺の忍び装束の人物は低い声でつぶやくと、影薄先生の気配を察知して動きを目で追っていたのを止めた。
そして静かに目を閉じると天井を目指してふわっとジャンプし、高い位置で宙返りをしてフッと何かを吹く。
そのすぐあとに「うっ!」という小さなうめき声とともに影薄先生が床に墜落。
首には花火大会の日に見たのと同じような針が突き刺さっていた。
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