もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第206話 真相に近づいた可能性

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救急車が到着するまでの間、指令管制員から指示を受けながら飛鷹とともに直接圧迫止血法を試みる沙那。
大量の血と痛々しい傷口に自然と手が震えてしまう。

それでも
「俺だけで大丈夫だから少し離れていろ」
やさしい飛鷹の言葉が不安を包み込んでくれる。

「ありがとう。大丈夫」
気を取り直して飛鷹をサポート。

包帯でグルグル巻きになった相師は
「お前らびちゃびちゃじゃん。なにお風呂場でえろいことしてんだよ?」
なんて突っ込んで2人をホッとさせた。

「ひとまず意識があるようでよかったが…。だから単独行動は心配だと言ったんだ」

玄関に突っ伏したままの相師が痛くないようカラダとの間にバスタオルや毛布などを挟んでやりながら飛鷹。
相師のカラダをできるだけ動かさず手際のいい飛鷹の隣で沙那は床を拭く。

「2人ともごめんなぁ…」

謝ったかと思えば
「お楽しみのところ邪魔して」
いつもみたいにおちゃらけて相師が言う。

「さすがに今日は痛々しい。少し黙っていろ」

飛鷹に言われて少し拗ね気味に
「大袈裟だなぁ」
相師はぼやいたけど
「言っておくが、後頭部ぱっくりと割れているからな」
それを聞くと青ざめて少しだけおとなしくなった。

でもすぐに
「これってさぁ、俺たち、真相に近づいたってことなんじゃねぇの?すごいよな、俺」
ニヤリと嗤う。

「…本当にお前ってヤツは…」

頭を抱えた飛鷹が
「すごいよ、相師は」
少しだけやさしい声で言葉をかけてやると
「俺、やるじゃん…?」
言いながら相師は安心したように目を閉じた。
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