もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第25話 心配でしょうがない

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有無を言わさず帰っていったミヤビに感謝しつつ自宅玄関のカギを開けようとしたとき、隣に気配を感じて顔を上げた絢世は
「千隼さん…?」
声をかけて思わず駆け寄る。

ふらりと倒れそうになった千隼のカラダを支えながら
「大丈夫です?」
声をかけたけれど、どう見ても大丈夫そうではない。

「…桐…?カギ開けたら家だから…」
かなりアルコールのにおいもする。

「体調が悪いのにまた飲んだんですか?信じられない」
絢世は千隼のカラダを引きずって自分の玄関を開け、中へと押し込んだ。

そのままベッドへ運ぶと、イラっとしながら
「なにやってるんです?明日も仕事なのに」
冷やしておいたペットボトルのフタを開栓してから千隼に渡す。

「…俺との酒は飲めないのかと友己に煽られて…」
「そんなの適当にあしらえばいいのに…」

言いながら、なぜこんなにイライラするのかがわからない。

「2日も続けて年下の後輩に介抱されるんですから、もうしばらくお酒は控えてくださいね」
心配して言ったのに、とつぜん笑いはじめた千隼にも腹が立った。

「悪い。なんだか申し訳なさすぎて笑ってしまった」
「…はい?」

「絢世は信じてくれないかもしれないけど、普段はこんな泥酔とか…。桐谷の顔見たら安心して…」

ベッドに座っていた千隼はそう言うと急に眠くなったようで、対面する形で座っていた絢世にふらりと倒れ込んできた。

「…千隼さん…!」
カラダを支えながらますますイラつく絢世。

この人、職場でのイメージと全然違う。

どうして幼馴染みの酒を断れない?
体調が悪いのにまた泥酔してふらふら。

何か言いはじめたかと思ったらとつぜん寝ちゃうし…、ダメすぎる…。

そして俺はもう、この人が心配でしょうがない。
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