もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第30話 仲良くなりたい相葉くん

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会社を出てしばらくは千隼を先頭に少し後ろを絢世、その隣を相葉がニコニコしながら歩いていた。

そして
「きのう常務取締役室で絢世さんを見たときにすごいキレイな人だなって思って。絢世さん、絶対にモテますよね?いままで付き合った人数とかって聞いてもいいですか?」
キラキラの瞳で質問する相葉。

「モテないよ。まわりと同じ感じ。中学・高校は普通に彼女いて…みたいな。高校卒業してからはずっとホストで働いてるから、店で働いてからは彼女とかも作ってないし」
絢世は苦笑いで答えながら心の中で溜め息をつく。

こういう質問、ほんと苦手~。
無視するわけにもいかないし、誤魔化してもまた聞いてきそうだし。

「うわぁ、生々しいですねっ。中学・高校の彼女サンとは長かったんですか?」
「全然~。なんか俺、付き合うとか向いてないみたい。すぐフラれちゃうんだよね」

あらためて苦笑いした絢世のほうを振り返って立ち止まり
「何を丁寧に回答してんだ?仕事中だぞ」
不機嫌そうに千隼。

「体調悪そうですけど、大丈夫ですか?」
そう声をかけようとした絢世はプイっと顔を背けられて言葉を呑み込んだ。

あれ…?
なんか怒ってる…。

「相葉もプライベートな質問を不躾にぶつけるもんじゃない。それに桐谷だっておととい正式に入社したばかりなんだ。2人とも無駄口叩いてないでしっかりついてこい」

明らかにずっと機嫌が悪い千隼の背中を心配そうに見つめた絢世に
「僕のせいで絢世さんまで怒られちゃってごめんなさい。仕事中はしゃべるのダメみたいなんで、今度ごはん誘いますね。僕、どうしても絢世さんと仲良くなりたいので」
小声で相葉。

さらに
「雨宮さんて、怖いですね。鬼上司…」
ひとりでぼやいて千隼の背中を睨みつけた。

う~ん。相葉くん、仕事ができそうなタイプには全然みえないんだけど…。
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