もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第102話 計画的な誘導か

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「うわぁ~、絢世さん、どんだけ社長に愛されてるんですか!」

シズクがますます誤解して面倒臭くなりそうだったので
「今日の同伴はひとまずナシということで」
友己の返事も聞かずその場を立ち去る絢世。

そんな背中を見つめながら
「あ~あ~、ホスト失格だなぁ」
友己は溜め息をついた。

一方の絢世は友己と距離が離れたのを確認し、
「今日、ここに来ること、社長は本当に知らなかったのか?」
シズクの腕から手を放して聞く。

「そんな怖い顔して聞かないでくださいよ。本当に俺、社長とは何もないですから!」

かなり気まずい表情をしたシズクに、いますぐ社長とのことを否定したい絢世。

それができないイライラも重なって
「いいから答えろ。ウソはつくなよ」
つい口調がきつくなった。

「ご、ごめんなさいっ。本当に会ったのは偶然なんですけど、きのう俺がひとりで社長のテーブルへ着いたときにチラっと明日あたり財布を買いに行きたいって話をしたんです。どこかいいお店を知ってたら教えてもらおうと思って」

「それで?」

「そしたら、ここのアウトレットモールを教えてくれて。新作もたくさん出ていたから明日行けば?って言われて、絢世さんに会ったぐらいの時間が空いているからって親切に教えてくれたんですよね」

答えたシズクはさらに申し訳なさそうな顔をして、
「ご、ごめんなさいっ!あ、あとは社長から『全額は出してやれないけど』って少しだけお小遣いもらっちゃいました!」
それを聞いて神妙な顔をする絢世に何度も頭を下げて謝罪。

なるほど、場所や空いている時間も教えたうえにお小遣いか。
シズクの性格だったら、社長のテーブルに次回ついたときに聞かれてもいいよう確実に言われた場所と時間に買いに行くはず。

計画的に誘導し、たまたまを装って合流した可能性が高そうだ。
けど、俺と千隼さんがここへ来たのは本当にたまたま。

じゃあもし、俺と会っていなかったら社長はどんなふうに動いていたんだろう…?

黙り込んでしまった絢世に
「絢世さん、本当にごめんなさい!店でもらうお小遣いはチップみたいなもんだから、わざわざ報告しなくていいと思って。うわあああああ!」
この世の終わりかのようにシズクは謝り続けた。
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