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第148話 潜入の打ち切り
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黛の「潜入を打ち切りにしようと思う」という言葉に耳を疑うと同時にあふれてきたのは、どうしようという気持ち。
千隼と会えなくなる寂しさはもちろん、わいてきた疑問を何ひとつ解決できていないという現状への焦り。
このまま潜入が打ち切られたら…。
「こちら側の都合なので、約束していた報酬は全額支払うよ」
「…え…?」
相談じゃなく決定事項ってこと?
どうしよう。
相葉くんの家出だってシズクのこと、佐原社長や黛さんへの疑問、なにひとつ晴れてない。
それなのにいまドリーム不動産を辞めてしまったら動きにくくなる。
このままドリーム不動産を辞めるわけにはいかない。
「そういうことだから」
立ち上がろうとした黛に
「潜入は打ち切りとして、ドリーム不動産への勤務はしばらく続けてもいいですか?」
絢世が聞く。
「…なんのために?」
怖い顔で黛が見つめた。
「今回の潜入先は、INNOCENTのお客さんでもある佐原社長が代表取締役。就業規則に定めがないので辞めるのであれば2週間前までに伝えるのが礼儀じゃないかと思うんですよね」
なるべく明るく、いつもと変わらず。
そんなことを意識しながら提案する絢世。
それに対して
「そんなこと気にせず辞めてしまえばいいのに」
黛がいつもなら言いそうにない発言をしたことに驚いた。
「…え?」
驚く絢世にハッとして
「そうだね。じゃあ、明日にでも退職の意思を伝えて」
いつもの穏かな表情で言う。
そして
「理由は一身上の都合。それ以上は引き伸ばさないこと。常識的な振る舞いをすることは大切だけど、潜入先にいつまでも身を置いておくなんて危険すぎるからね」
続けて黛。
潜入の打ち切りなんてはじめてのこと。
ソファから立ちあがって控室を出ていく黛の背中が怪しく映る。
2週間かぁ…。
絢世は溜め息をついた。
千隼と会えなくなる寂しさはもちろん、わいてきた疑問を何ひとつ解決できていないという現状への焦り。
このまま潜入が打ち切られたら…。
「こちら側の都合なので、約束していた報酬は全額支払うよ」
「…え…?」
相談じゃなく決定事項ってこと?
どうしよう。
相葉くんの家出だってシズクのこと、佐原社長や黛さんへの疑問、なにひとつ晴れてない。
それなのにいまドリーム不動産を辞めてしまったら動きにくくなる。
このままドリーム不動産を辞めるわけにはいかない。
「そういうことだから」
立ち上がろうとした黛に
「潜入は打ち切りとして、ドリーム不動産への勤務はしばらく続けてもいいですか?」
絢世が聞く。
「…なんのために?」
怖い顔で黛が見つめた。
「今回の潜入先は、INNOCENTのお客さんでもある佐原社長が代表取締役。就業規則に定めがないので辞めるのであれば2週間前までに伝えるのが礼儀じゃないかと思うんですよね」
なるべく明るく、いつもと変わらず。
そんなことを意識しながら提案する絢世。
それに対して
「そんなこと気にせず辞めてしまえばいいのに」
黛がいつもなら言いそうにない発言をしたことに驚いた。
「…え?」
驚く絢世にハッとして
「そうだね。じゃあ、明日にでも退職の意思を伝えて」
いつもの穏かな表情で言う。
そして
「理由は一身上の都合。それ以上は引き伸ばさないこと。常識的な振る舞いをすることは大切だけど、潜入先にいつまでも身を置いておくなんて危険すぎるからね」
続けて黛。
潜入の打ち切りなんてはじめてのこと。
ソファから立ちあがって控室を出ていく黛の背中が怪しく映る。
2週間かぁ…。
絢世は溜め息をついた。
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