もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第265話 怪しい人物の特定

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千隼に抱きしめられて幸せ気分を満喫していた絢世は
「…目障りっすね…」
シズクの声が聞こえてハッとした。

「目の前でイチャイチャと…。寝れないんですけど…」

「げっ!シズク、いつから起きてた?!」
焦る絢世を見てニヤニヤしながらシズク。

「ずっと起きてましたけどね、ぜんぜん気づかないし。声かけようかと思ったら真面目な話をはじめちゃうからそのまま聞いてないフリして寝ようとしたのに、イチャイチャイチャイチャと…」

平然と答えるシズクに
「はぁっ?!」
絢世のほうが青くなった。

「だって、あんな真面目な話をするとか思わないじゃないですか。絢世さん、話をするとか言って雨宮さんをラブホに誘ってたんで俺、てっきりえろいことでもするんだと思ってたんですよね。だから寝たフリして、いい感じのところでおどかしてやろうと思ったっんです」

「…え?シズクお前、最初から聞いてたんだよな?」
「はい」
「えっと…」

「あぁ、俺の耳裏にホクロみたいなモノがあって、養護施設の子どもたちにも同じところに印みたいなのがあるとか?」
「…お前…、いろいろ聞いてて、よく平然としていられるな」

「まぁ、絢世さんも雨宮さんもいますからね。それにホクロみたいなモノは佐原社長にもありましたからね。お揃いっていうかぁ~…えへへ」

ヘラヘラと笑ってみせたシズクだったが、
「…ってか、その養護施設に行ってみません?」
とつぜん提案。

「絢世さんと雨宮さんはイベントで1回行ってるから、場所を知っているんでしょ?」
「まぁ、わかるけど」

「だったら、行ってみましょうよ。俺は佐原社長が怪しいなんて1ミリも思ってないんで、疑惑を晴らしたいんですよね。絢世さんと雨宮さんは、社長と黛さんのこと怪しんでいるでしょ?だから俺、怪しい人物を特定したいんです」
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