もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第343話 普通じゃないタクシー

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「普通のタクシーではない…?それはどういう意味だ?」

怪訝な表情で聞く千隼に得意気な表情を見せるシズク。

「絢世さんから聞いてるかもですけど、実はこの前、INNOCENTイノセントで働いていて行方不明中の高峰信也たかみねしんやっていうホストがいるんですけど、そのシンさんのお父さんがやっている個人タクシーにたまたま乗ったんですよね。絢世さんと」

「なるほど。そのシンさんの父親、高峰のタクシーを呼ぼうというわけか」

「はい。シンさんは黒服と幼馴染みで、黛さんとは大学時代から仲良しみたいなので詳細は伝えませんが、高峰パパはINNOCENTイノセントを警戒しているので頼めば何かあったときには連絡してくれると思うんです。絢世さんとも連絡先を交換していたので」

そこまでは元気よく言ってのけたシズク。

少し間を置くと
「それに…」
つぶやくように言ってから
「いつまでもこうして2人に守ってもらうわけにもいきませんから」
静かに立ちあがって交換していた高峰の電話番号をタップした。

その間に千隼が絢世を抱えてベッドへ。

シズクはタクシーの手配を終えるとすぐ千隼に声をかけて言う。

「千隼さんにとって絢世さんが大事なように、俺と絢世さんにとってもINNOCENTイノセントは大切で特別な場所なんです。だから黛さんのことは…」

言葉に詰まったシズクをやさしく見つめながら
「「絢世にとって大事な場所や大事な人は、俺にとっても大切だ。だから心配するな。たとえ黛やミヤビが何かよくないことにかかわっていたとしても最善の方法で解決しよう」
約束した。

「ありがとうござます!きっと絢世さんも同じことを言うと思うので、たとえ佐原社長が何かよくないことにかかわっていたとしても最善の方法で解決しましょうね」
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