もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第359話 埋まらなかったピースの絵柄

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…も?

「シズク“も”って、どういうことですか?」

聞いた絢世に
「え?」
拾った献血カードをシズクに返しながら高峰が反応する。

「シンさんも、AB型のRh-?」

「そうだよ。絢世さんは知らなかった?…って、同じ職場だからってそんな血液型の話なんかしないか。占い好きならともかくなぁ」

苦笑いした高峰の言葉が埋まらなかった真っ白なピースを色づけしていく。

薄っすらと。
ただ確実に。

それはまるでゆっくりと絵柄が浮き上がってくるような感覚…。

「あぁっ、よかった!献血カード、傷ついてない!」
高峰から献血カードを受け取り、傷がないことを確認してシズクが喜んだ。

「そのカードはそんなに大切なモノなのか?」
覗き込んだ千隼に頬を膨らませながらシズクが答える。

「献血カード、来年2026年の1月からラブラッドアプリに統一されちゃうんですよ。だからもうもらえなくて。俺、こういうカード類を集めるのが大好きなんですよね。不純な動機ですけど俺、献血もこの欲しさにやったというか。この十字のマークが可愛くて」

「まぁ無粋かもしれないが、結果的に誰かのために献血できたのならいいんじゃないか?」

「ええっ?!雨宮さんに肯定されるとは…!」
「は?俺に肯定されることにそれほど違和感があるならとことん否定してやるが?」

「ち、違いますよ!ちょっと嬉しくて!嫌だなぁ、すぐそうやって不機嫌になるんだから。絢世さんも大変ですね。こんな人とよくいっしょに…」

愚痴りかけ
「…絢世さん…?」
真剣な表情で考え込んでいる絢世にそっと声をかけるシズク。

「…ごめん。ちょっと考え事してて…」

そう答えた絢世はすぐにシズクを質問攻めにした。

「なぁシズク、この献血カードを作ったのっていつ?それからずっと献血をしているのか?このカード、ほかに誰かに見せた?」

「…え?ちょ、ちょっと絢世さん、ひとつずつ答えていいですか?」
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