もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第372話 顔面蒼白の理由

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「浜路が口にした意味深な発言っていうのは…え~っと…。確か『こんなふうに注文があれば本業だけで…』ってやつですか?言ったあとに顔面蒼白になっていましたよね」

「あぁ」

「本業以外にやっていたことがリンゴジュースへのメタンフェタミン覚醒剤混入とかだったら怖すぎですね。でもそれなら、『本業だけで…』と言ったあとに顔面蒼白になった理由についても納得がいく…?」

ゾッとして自分の両腕を抱えるようにしてさすった絢世に
「怖がらせるわけではないが、ありえるかもしれないな」
静かな声で千隼が言った。

「…けど、そんなことをして浜路になんの得があるんでしょう?メタンフェタミン覚醒剤みたいな違法薬物を食品に混入すれば逮捕される可能性だってあるのに」

「メタンフェタミン(覚醒剤)は中枢神経系を刺激するうえ中毒性も高い。中枢神経系の刺激による気持ちよさを“おいしさ”と勘違いさせて購入を促すことが目的だったのかもしれない」

「本当にそんなことってあるんです?」

「日本ではまだ聞いたことはないが、アヘンの原料となるケシを料理に混ぜてリピーターを獲得していた人気店もあったようだ。国は違うが、ほかにもコカインや大麻オイル、覚せい剤の例もある」

「…なるほど…」

そう返しながらも腑に落ちない絢世。

「でも…。ハマミはもともと洋菓子店ですよ?メタンフェタミン覚醒剤を混入するなら洋菓子でもよかったはず。どうしてわざわざリンゴジュースだったんでしょう?それにもしお金儲けが目的なら半年待ちになんてせず、バンバン売ったほうが稼げそうですけど?」
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