もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第397話 イラつくイチャつきと悪い虫

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不機嫌なまま路上にもかかわらず絢世と唇を重ねる千隼の行動はシズクにとって鳥肌もの。

「千隼さんはヤキモチ妬きですね」
微笑む絢世の腰を自分のほうへと引き寄せながら、あらためてやわらかそうな唇に千隼が重なる。

人通りの多い真昼間。
目の前でイチャつくのすらいい加減にしてほしいと思うのに、千隼が舌を捩じ込むのが見えて戸惑う。

え…?
人、めっちゃ歩いてますよ。
ついでに、俺も目の前にいますけど?

そうシズクが思ったときには時すでに遅し。
絢世も顔を赤くしながら捩じ込まれた舌に応えるように絡みつく。

うぉおおおおっ…!!!
目の前でイラつくイチャつきを見せつけるなぁああああああ!

ほんと拷問…。

は、話を…。
なにか話を逸らさなくては!

焦った挙句
「リ、リナさん、大人っぽくてきれいになってましたね…」
口から滑り出てきたのがピンポイントで千隼の嫉妬心を蘇らせるような言葉で焦る。

千隼から睨まれることも覚悟したシズクだったけれど。

「…俺たちより少し年下くらいの娘がいるということは、大垣シェフとはけっこう歳が離れているんだな?」

なぜか冷静にそう聞きかれ、怒られずに済んだとホッとした瞬間また悪い虫が騒ぎ出す。

「大垣さんはかなり上ですよ。俺らの親くらいの年齢。初期メンバーではないですけど、INNOCENTイノセントでも古株ですもん。…もしかしてこのまえは千隼さん、大垣シェフが俺たちの少し上くらいだとか思ってヤキモチを妬いていたんですか?」

好奇心が抑えきれずニヤニヤしながらそう聞いてしまうシズク。

さらに
「でもまぁ、年齢を重ねたぶん大人の魅力や色気というものもあるでしょうし、夜のほうも経験を積んでいるでしょうからそれなりに…」
千隼をガンガンに煽ってしまったことに気づいて慌てて口を塞ぐ。

これは完璧にやばいと覚悟したシズクだったが
「…そうか。シズク、お前、今日は大活躍だな」
逆に褒められてしまった。
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