もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第417話 まわらない店と一見客

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「ホストクラブ慣れしてなさそうだし、絢世さんがついたほうがよくないですか?」
店に入ってきた女の子を観察しながらシズクが問いかける。

「うわぁ…。けど、いま店がまわってない。接客できるかな…」

不安そうな絢世を横目に少しオドオドしながら店内を見回す女の子を見てシズクが続ける。

「服装的に昼職を終えてそのまま店に来たって感じですかね?おとなしそうな雰囲気だし、なんとなくいい子そうな感じしますよね」

出入口に視線を向けた絢世は
「…確かに」
軽く同意してすぐに出入口へと向かった。

「こんばんは。はじめまして。絢世です。よろしくね」
「はじめまして。俺、ヘルプのシズクです。よろしくお願いします」

そう声をかけ、空いていたテーブルへと案内。

初回飲み放題などの説明を終えると
「あ…沙那です。よろしくお願いします」
少し緊張気味に挨拶をした沙那にすかさず聞くシズク。

「なにか嫌なことでもありました?」

「…あ、いえ。なんか最近は天気がいまいちだから気分が滅入っちゃって…」

天気などが原因ではなく、なにか嫌なことでもあったのだろうと察しながらも絢世は
「わかる。俺も天気にけっこう気分が左右される派。だからストームグラスとか置いて、雨の日でも気分を上げてるよ」
ウソに乗っかって会話を進める。

ストームグラスの話でいい感じに盛り上がっているうちに他のホストとの交代時間がやってきて席を外した絢世のあとをシズクがつなぐ。

「すみません。いま空いてるメインホストがいないんで、少しだけ俺が話し相手をさせてもらいますね」

このときまさか自分が大変なことをしでかすなんて思ってもいなかったシズクは、笑顔で沙那の隣へと移動した。
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