もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第428話 俺の血を使ってください

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ナースコールを千隼が鳴らすとすぐに看護師たちが駆けつけて病院は物々しい雰囲気へ。
病院スタッフの足音や担架の音、バイタルを測る機械が発する音などが入り交じって落ち着かない。

絢世と千隼は処置室の近くにあるソファに座り、連絡を受けて高峰タクシーでやってきたシズクは青ざめたままウロウロ。

落ち着かないシズクの背中を撫でてやりながら
「これだけいろいろなことが起きると、嫌でもすべてを結びつけたくなるな」
高峰がぼやく。

千隼が頷いて同意し
「ですね…」
消えてしまいそうな声で絢世も続いた。

「大丈夫かなぁ…?社長、大丈夫かなぁ…」
ずっと落ち着きのないシズク。

「とりあえず座れよ」

やさしく声をかけた絢世に
「…血、足りますかね…?」
とにかく友己のことが心配でたまらないシズクがぼやく。

そんなシズクの言葉に
「…ん?そんなことを言うってことは、いま処置中の佐原社長だったか?その人も珍しい血液型なのか?」
高峰が反応した。

「そうなんです。佐原社長も俺やシンさんと同じAB型Rh-。だから血が不足していて輸血できなかったらどうしようって心配で…」

不安そうに小さく震えるシズクの背中を撫でながら高峰が諭す。

「大丈夫。Rh-の血液も赤十字の血液センターに一定量ストックするようになっているからな。採血後は赤血球の有効期限が28日となっているが、不足しそうな場合は事前に対象者へ連絡をして献血協力するようになっている。だからほぼほぼ心配ない」

高峰の言葉に瞳を潤ませ
「よかった…」
ホッとしながらシズクは胸を撫でおろした。

「なんなら、俺の血を使ってくださいって申し出ようかと思ってました」

「ははは。それは昔の話だ。いまは誰かの血や献血された血液をそのまま使う全血輸血はやってない。輸血後の感染やGVHD(移植片対宿主病)を防ぐため事前にウイルスや細菌の検査をし、リンパ球を除去する放射照射をおこなった血液製剤のみを使用しているからな」
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