もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第466話 気持ちよくなれる薬

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「あ~っ!思いっきり犯しているところを彼氏の雨宮さんに見せつけたくなってきちゃった。絢世さんが彼氏に詰られながら惨めにふられていくところが見たい…」

金子は下着姿のまま絢世の目と口のところが開いただけの真っ白なお面を顔につけると
「どう?そろそろ薬、全身にまわってきた?」
金子は愉しそうに嗤って続ける。

「数年前、高脂血症治療薬で重症筋無力症の副作用が出ることが判明したんだけど知ってる?ホストなんかネットは見てもニュースなんか見ないわよね?クズだから」

「…は?なに言って…?」

言葉を変えそうとしたとき、思うように唇が動かないことに気づいて戸惑う。

なに?これ…。
頭もボーっとして、動かなかった足だけでなく手までも動きにくい。

「…あら、どうしたの…?なにか言い返したそうだけど…」

お面の下で嘲笑っている金子の姿が想像できるほど、その声は絢世を馬鹿にし、蔑み、面白がっているのがはっきりとわかる。

「重症筋無力症の症状ってね、いろいろあるの。しゃべりづらくなったり手足に力が入らなくなったりね。ただ薬を飲んだからって急激に症状が現れるわけじゃない。錠剤だし、量も多くないから。だから量を増やして皮膚に直接注射できるようにしたの。ステキでしょ?」

恐ろしい言葉を淡々と、まるで当たり前のように並べていく金子。

あらためて恐怖を感じた脳が自然と逃げる方法を模索する。
けれど、だんだんと考えがまとまらなくなっていく。

「ほうら、もう話すこともできなくなってきたでしょ?頭もボーっとして、こうなったらもう、誰に何をされても同じ。ただ快感だけが能へとダイレクトに伝わるの。だからきっと絢世さんはいままでにないくらい気持ちよくなって、雨宮さんにも楽しんでもらえるはずよ」

やけに艶のある金子の声が絢世の耳をくすぐった。
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