もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第495話 お詫びのキス

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「2人とも馬鹿なくらいにお互いのことを好きなんですから、こじれないようにしてくださいね。素直に話す、相手の話を聞く、すぐに怒らない。これ、長続きする秘訣ですよ」

そう言うとシズクは
「じゃあ俺、もう少し席を外してますね」
2人に手を振って、そそくさと病室から出て行った。

「あいつ…!」

呆れながら言った千隼をチラリと睨んで
「たとえ相手がシズクだったとしてもヤキモチは妬いちゃいます」
スネ気味に絢世。

「…まぁ…。千隼さんのことだから、よほどのことだったのだとは思いますけど」
すぐに付け加えてはみたが、やっぱりモヤモヤする。

可愛い後輩のシズク、よっぽど気持ちが墜ちていたのだとは思うけれど…。

「悪かった」

申し訳なさそうに謝った千隼の顔を覗き込みながら
「反省しているなら…。お詫びのキスをしてもらわなきゃ、ですね?」
にやりと絢世が笑う。

「…ここ、病室だぞ…?」

家以外でのキスはもちろん、スキンシップも拒むことが多い絢世がなぜか積極的なことに戸惑いながらも嬉しい千隼。

「千隼さんのここ…。俺の匂いで上書きしないと、ですね?」

絢世に言われ
「…あ…やせ…?」
千隼は一気に赤くなった。

予想もしなかった恥ずかしくなるような嬉しい言葉。

コトン…と頭を千隼の胸板へともたせかけた絢世をやさしく包み込むと、幸せな気持ちが広がった。

「お詫びのキス…、いつまで待たせるつもりです?」

顔を見上げて急かす絢世の顎をそっと引き寄せながら、千隼はゆっくりと唇を押しつける。

「病室だということを忘れてしまいそうだな」
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