COLOR's

雫流 漣。

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GOLD~鈍き光と比重。

ホテル

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大通りに面したホテル
回転扉が回る、
その向こうに

行き交う人々の爪先
雑踏
貴婦人のフェイクファー
吹き抜けのホールに
響くステップ

更けていく夜は
いつまでも
眠らないままで

ライトアップされた
花屋の花は
時間を忘れて
咲き乱れる

苦く、
揺れて、
退廃、
華やか、

閉まらない
無機質なカーテン越しに

窓の数だけ
ドラマ始まる

ドラマの数だけの
呼吸が

確かにそこに
息づいている
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