創造神で破壊神な俺がケモミミを救う

てん

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国始動編

第118話 三人の異世界人

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会議室から出た大地は兵士の案内で拠点の屋上に来ていた。

「大地さんは今から何を作るんですか?」

先程まで落ち込んでいたとは思えないほど活発な様子を見せているルル。

ルルはこれから大地が作成する武器に心を躍らせていた。

「お前さっきまでかなり意気消沈していたろうに。まぁ元気になったのなら良かったよ。今から作るのは二つ。一つは地雷といって地面に埋める形の爆弾、そしてもう一つはルル、お前の新装備だ。」

「私の武器ですか! もしかして銃ですか!?」

ルルは大地がわざわざ自分の為に新たな武器を作ってくれると聞くと跳ね飛びながら喜ぶ。

「そうだ。単純な銃の扱いだけならルルはアースでもトップクラスだから。もしこの銃の作成に成功することが出来れば、今回の作戦の肝はルルになるかもな。」

「それって作戦が失敗するも成功するも私次第ってことですか・・・・?」

大地から作戦の中心が自分であると聞いたルルはその場で立ち尽くしてしまう。

「まぁもちろん短い時間にはなると思うが、その武器の特性や扱い方はしっかり教えるから心配するな。」

まだ武器すら出来ていないのに、後の戦場を想像したルルは、緊張のあまり顔色が段々と真っ青になっていく。

「これから使うのはスナイパーライフルを進化させたような武器だ。スナイパーなら何度も訓練で撃ってただろ? お前なら大丈夫だって。自信を持て。」

大地は青ざめたルルの頭をワシャワシャと髪が乱れるまで撫でまわすと、ルルの背中を軽く平手で打つ。

大地に励まされたルルはグシャグシャになった髪を戻しながら力強く頷く。

「よし。じゃあ時間も限られているし早速試作機を作っていくかな。」

大地は屋上から見える景色を眺めながら軽く背伸びをした後、意識を集中させてアウトプットを始めた。










大地が新装備を作成し始めたのと同じ頃、ガドール帝国では兵士達が慌ただしく動きまわっていた。

「ったく。マジでこの国の奴は使えない奴らばかりだな。」

左耳にピアスを付け、刺さりそうなほど逆立った金髪の男は窓越しに忙しなく動き続ける兵士を見ながら煙草に火をつける。

「佐川! 室内で煙草を吸うなって何回言ったらわかるのよ! 円も佐川に頼まれたからって無駄なことにスキルを使わないの!」

「うぅ・・・だって佐川君怖いんだもん。」

佐川が煙草の煙を輪っか状にして吐き出していると、部屋に入ってきた緩い茶髪のパーマをかけた女の子が凄い剣幕で佐川の煙草を吹き飛ばす。

その女性の後ろには眼鏡をかけたおかっぱ頭の女の子がオドオドとした様子を見せていた。

「いつもいつも音無はうるせぇな。それにお前だって煙草を弾き飛ばすのにいちいちスキルを使ってんじゃねえよ。」

見えない何かに飛ばされた煙草を見ながら悪態をつく佐川。

「今から霧崎さんがここに来るのよ? 煙で充満させた部屋で出迎えるつもりなの?」

「だからこうやって窓で吸ってるんだろうが! 細かい事をグチグチ言うな!」

「二人とも喧嘩は良くないよ・・・」

佐川と音無が喧嘩を始め、取っ組み合いにまで発展する。それを絵崎がなんとかそれを止めようとしていると、部屋にセミロングの黒髪の女性が入ってきた。

「お前達何をしている?」

「霧崎さん!」

「やばっ・・・」

お互いの胸ぐらを掴みあっていた二人は霧崎に冷めた目つきを向けられると、焦ったように真っ直ぐに姿勢を正すと、霧崎に一礼する。二人の額には冷や汗が噴き出ていた。

「お前達は日本に帰りたくはないのか?」

霧崎は冷たい視線を二人に向けながら口を開いた。

「いやそんなことは!」

「帰りたいに決まってるだろうが・・・」

音無は焦ったように顔を上げ、佐川は顔を下げたまま絞り出すようにして声を出す。

「そうか。ならばもう少し気を引き締めてもらわなければな。今からお前達に向かってもらう場所には宮廷魔法師三人がかりでも敵わなかった相手がいる。これまでの敵とは違うことは理解しておけ。出発の日時だがディランチ連邦が動きだす前に済ませておきたい。遅くとも一週間以内に準備を済ませてトームに向かえ。」

霧崎は三人に簡単に指示を出すと、そのまま部屋から出て行こうとする。

「霧崎さん。少し待ってくれねえか?」

霧崎がドアノブに手をかけた時、佐川が霧崎に声をかけた。

「本当にこんな事をして日本に帰れるのか?」

「お前は私を疑っているのか?」

霧崎はドアノブに手をかけたまま振り向きもせずに言葉を返す。

「急に異世界に飛ばされた俺達にこの世界の知識やスキルの扱い方を教えてくれたのは霧崎さんだ。その点は俺だって感謝してるさ。だけどな・・・どうして日本に帰る方法だけは俺達に教えてくれないんだ。」

「それはお前達が知らなくて良いことだからだ。」

「そんなことで俺達が納得できるわけがないだろうが!」

こちらを振り向くことなく知る必要がないと冷たく言い放った霧崎に佐川が吠えた瞬間、後ろの窓が割れ、佐川の左頬から血が噴き出す。

「うっ・・・」

佐川は急に走った頬の痛みにより、片膝を着き頬を押さえる。

霧崎はいつの間にか右手に日本刀を持っており、無表情のまま片膝を着く佐川に近づいていく。

「私はお前達を殺したくはない。この意味がわかるか?」

佐川の耳元でささやいた霧崎の言葉に佐川も静かに首を縦に振る。

佐川の様子を見た霧崎は日本刀を鞘に納めると、そのまま振り返ること無く部屋から出て行った。




「佐川あんた死にたいの!? 霧崎さんに口答えするなんて、ありえないわよ!」

「じゃあお前らは気にならないのかよ。」

「それは気になるけど・・・・霧崎さんに聞いてもあんたみたいになるのがオチじゃない!」

「二人とも喧嘩は駄目です・・・・」

二人がまた喧嘩に発展するのではないかと思った絵崎は二人の気を紛らわそうと、二人の好物である煙草とクレープを手渡す。

「おっ煙草か! さっき吸ったのが実は最後だったんだよ。助かるわ絵崎。」

「気を使わせたみたいね円。ありがとう。」

絵崎が気を利かせたことでピリピリとした場が和む。

佐川は上機嫌に窓際に向かい煙草に火をつけ、一服を開始する。

室内で煙草を吸い出した佐川に音無が怪訝そうな顔を向けるが、絵崎が喧嘩しないようにと気を使ってくれたのだと気付いていた音無は文句を言うことなく黙ってクレープを食べ始める。

二人の様子を見て絵崎がほっとしていると、佐川がふと気づいたような口調で話し始めた。

「そういや情報では相手も異世界から来た奴らなんだよな。」

「日本人同士であんな酷い戦いをするのですか・・・」

絵崎はディランチ連邦との戦いを思い出し、顔を真っ青にしていく。

「円はここに来てまだ一か月しか経ってないのだから無理もないわよ。前線は私と佐川に任して円は後方で支援してくれたら良いから。」

音無は青い顔をして小刻みに震える絵崎を胸に抱え、耳元で優しく語りかける。

「おいおい。そんなんじゃすぐに殺されちまうぞ? この世界をそんな優しいもんじゃねえからな。」

「佐川は少し黙ってて。」

絵崎に追い打ちをかけるような発言をする佐川を鋭い眼光で睨む音無。

佐川は音無が自分を睨んでいることに気付くと、準備の確認してくるわ、と悪態をつきながら部屋から出て行った。

「円。大丈夫! あんたは私が絶対に日本に帰してあげるから。」

音無は絵崎を安心させようと必死に笑顔を作って見せる。

「音無さん・・・クスクス。ありがとう。私の力なんて微々たるだけど、二人の役に立てるように頑張るよ・・・」

「そんなに変だったかな?」

音無の見せた笑顔があまりにも不自然だったことに思わず笑ってしまう絵崎。

音無の作り笑いのおかげで気持ちの切り替えが出来た絵崎は音無の顔を見つめながら、両手をぎゅっと握る。

「絶対に日本に帰ろうね音無さん。」

「もちろんよ。」

二人は日本に帰るという決意を確認し合うように両手を強く握り合うと、佐川を追ってトームに向かう準備に向かった。













「なんですかこの武器は・・・・」

夜から始まった武器製作はさすがに時間が足りず、翌日に繰り越した大地とルル。

そして次の日の正午、ようやく完成した試作機の試し打ちを行ったルルは、その武器の特異性に驚いた顔を浮かべていた。

「ふぅ~ようやくとりあえずは完成か・・・」

何度も魔力ポーションを飲みながら作成していた大地は地面に座り込んだまま疲れた表情をしている。

そのまま倒れ込むように屋上の床に大地が倒れ込むと、視界の端に睦月の姿が見えた。

「どうだい大地っち! 新しい武器とやらは完成したかな?」

睦月は倒れている大地の顔を覗き込むようにして新装備の進み具合を聞いてくる。

「細かい部分は調整が必要だとは思うが、大方完成したよ。」

「そうかい! では少しうちに付き合ってくれないかな。異世界人である君とこの世界の事で少し話がしたくてね。丁度昼食の時間だしどうかな?」

屈託のない笑顔を見せながら大地を食事に誘ってくる睦月。

「そうだな。俺も色々聞きたいことがあるし、休憩がてら行くか。ルルはどうするんだ?」

「私はもう少しこの銃の感覚を掴んでおきたいので、練習しておきます。」

「そうか。くれぐれも南側の山以外は打つなよ?」

大地はルルに試し打ちの方角は南側のみだと念を押すと、睦月と共に屋上を降りていった。
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