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カレカ編 01.暗躍を開始する
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この話は「37話」と同じ話です。読んでいる方は次話をどうぞ。
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「――カレカ、ちょっといいか?」
最近、カレカ・ランドンはよく声を掛けられる。
相手は男ばかりである。
だが、決して色気のある話ではない。
ちょっと城下町に出て甘いものを食べようと誘われるわけでもなし、ましてやデートのお誘いであるわけもない。たまにはそういう目的で声を掛けてくる男がいてもいいとはチラリと思うが、残念ながらそういう声は滅多に……いや、八年生になるこれまでにも皆無だった。
ここ最近、カレカに近付く男は、大体がちょっと遊び人風の軽いタイプで。
昨今あまりにも多いので、そんな相手が話しかけてきた時、反射的にこう返すようにしている。
「何も知らないし、見たこともない」
――大概が、「メガネを掛けた謎の美女」の噂話を期待しているから。
カレカ・ランドンは、タットファウス魔法学校で一番の情報通だと言われている。
もちろん自負するところもあるので、そう呼ばれて不都合はない。
自分でも下世話だとは思うが、それでも、他人の動向や噂話が気になるのだから仕方ない。
最早誰になんと言われようと、己の欲望のままあらゆる手段を講じて情報収集をすることにしている。ただただ自分の好奇心を満たすためだけに。
ただし、この魔法学校にはかなりの権力者がいるので、分別は付けている。
彼らの逆鱗に触れたら、良くて学校を追われてしまう。最悪のケースは考えたくない。
将来の目標は新聞記者。
荒事は苦手なので、裏社会に片足突っ込んだような情報屋になろうとは思わない。今だってあくまでも学生レベルの情報通であると分をわきまえているつもりだ。
交流は深くはない多岐に渡り、顔はかなり広い。
そんなカレカは、一年生から八年生になるまでに、独自の情報ネットワークを作り上げていた。
大抵の情報は何もしなくても入ってくるし、仕入れようと思えばそこそこ詳しい情報を手に入れることができる。学校限定ではあるが。
八年生ともなれば、幾分か噂のパターンや情報のカテゴリー分けが自然と頭の中で整頓できるようになっているのだが。
この噂は、それでも少し珍しいタイプのものだった。
「……そろそろ調べようかな」
声を掛けてきた男をさっさと追い返し、カレカは呟く。
カレカももう八年生だ。
気になることは何を置いても調べ尽くす、などという入学当時に持っていた情熱とがむしゃらさは、少し落ち着いてしまった。
学校に点在する情報通仲間から頭一つ抜きん出る優秀さを誇ったが故に、あとは後輩たちに仕事を譲るような形で一線から退いたことを、情報通仲間全員が知っている。
……まあ、卒業を掛けた単位査定もあるので遊んでばかりもいられなくなった、という理由もあるにはあるのだが。
「謎の美女、ねえ」
ああ、謎とはどうしてこんなにも心躍らせるのだろう。
所詮学校レベルの謎なんて、真相に辿りつけば「まあそういうこともあるよね」程度のなんとも言えない感想を漏らすしかないものなのに。
でも、全てを見渡せないヴェールに包まれているだけで、それはもう好奇心を掻き立てるのだ。
人一倍好奇心が強いカレカなら尚更である。
――最近、噂になっているのだ。
――これまで誰も見たことがない謎の美女が、学校で行動している、と。
決して査定に挑むテスト内容が思いつかないのではなく、ただ好奇心を刺激されただけである。ちょっと何も思いつかないから気分転換してみようかなと思っただけである。絶対に現実逃避とかそういうことではない。
そんなことを考えながら、カレカの足取りは軽い。
ここしばらく情報に関する活動は自粛していただけに、改めて思う。
やはり自分は好奇心のまま、気になることを追いかけて動くのが一番楽しい、と。
そして、できればそれに抵触した形で査定に提出する功績を作らねばいけないと思うと、浮き上がった気分が少々落下した。さっぱり何も思いつかないから。
もう、今日だけは考えないようにする。
――と、歩き出したはいいのだが。
「知ってますよ」
夕食時、食堂で、情報関係で特に可愛がっていた後輩を捕まえて問えば、すでに謎は謎ではなくなっていた。
並んで座り、何気なく食事をしている素振りで、情報を交換する。傍目には大した話をしているようには決して見えないだろう。
「何? もうわかってるの?」
後輩の即答に、カレカは驚いた。もちろん見た目ではまったくわからないが。普通にパンをちぎっているだけにしか見えない。
「はい。相手が特に隠す気もなかったようなので」
謎は全て解けていた。
……が、だとしたら、逆におかしいだろう。
「じゃあなんで噂が広まってないの?」
今年の新入生の誰それがどこのお貴族様で――という噂話は、ひと段落したところだ。だから今もっとも旬なのは「メガネを掛けた謎の美女」だと言えるだろう。
旬な情報は求められる。
それこそ昨今のカレカのように、情報を求める男たちにひっきり無しに声を掛けられるのだ。
そんな有様なのだ。
需要が高いゆえに、どこか一部にだけでも漏れたら、噂は一瞬にして広まるだろう。否、後輩がすでに正体を握っているのであれば、すでに広まっているはずだ。
「相手が悪いんですよ。どう触れていいのかわからないというか」
「相手が悪い? 誰なの?」
核心を問えば、耳を疑うしかない名詞が返ってきた。
「アクロディリア・ディル・フロントフロン様です」
「えっ」
それは、一番ありえない人物の名前だった。
「ちょっと待って。私も色々噂は聞いているのよ。『闘技場に舞い降りた戦女神』だの、いくら倒れても立ち上がる『不屈のゾンビ女』とか、その美女と一緒にいる黒髪少女がシャレにならないくらい強いとか」
そしてその噂に共通しているのは、「闘技場で」、「剣術訓練を」、「一心不乱に続けている」というものである。
それだけならこの学校の生徒には珍しくない。騎士や兵士を目指す者なら、一日だって訓練を欠かさないだろう。なんなら丸一日鍛錬に没頭している者もいるだろう。
しかし噂の「謎の美女」は、周囲が引くレベルでハードな訓練に勤しんでいるらしい。
木剣で殴られるのはあたりまえ。
流血なんてしょっちゅうで。
容赦なく顔面を打ち据えられ。
足を打たれて倒れれば遠慮なく追い打ちが入り。
木剣を折られたところで中断することもなく、むしろ好機と危機の関係により加速する。
一時たりとも油断を許されないような、もはや訓練ではなくただのケンカか実戦か、という粋にまで至っているのだとか。
そのひたすらひたむきな強さへ執着する姿が、同じく訓練に汗を流す者、特に男たちにはひどく眩しく見えるらしい。何せ「戦女神」である。ちょっと落ち着けと言ってやりたい。
そしてそんなハードなことをやっているのが、かのフロントフロン家令嬢だなんて。言われたところで想像さえできやしない。
「ね? どう触れていいのかわからないでしょう?」
……確かにわからないな、とカレカは納得した。
どういうつもりで辺境伯のご令嬢が身体をいじめ始めたのか、さっぱりわからない。わからない以上は不用意に噂を広めるのは危険だ。
なるほど噂好きが話せないはずである。
フロントフロン家令嬢に関わっていいことなど一つもない。彼女を怒らせたせいで、結果的に放校処分になった者もいるのだ。それはどう考えても非道な仕打ちなのに、そんなことがあってももう珍しくないというほどにひどい性格であることは、周知の事実である。
「どうしてそんなことを……」
わからない。
非情な性格の女だが、その態度その言動はどこまでも貴族の令嬢らしかった。木剣を握るどころか、学校業以外で闘技場に近寄ることさえなかったはずだ。
「わかりません。探りたいのは山々なんですが、相手が相手なので……」
後輩が尻込みするのは、とてもよく理解できる。下手に探って目を付けられたら大変だ。
だが。
だがしかし。
「気になる……」
その小さな小さなつぶやきに、後輩はぎょっとした。
「ダメですよ!? 先輩はもう八年生なんですよ!? もうすぐ卒業なんですよ!?」
それは秘密の話をしている時の顔ではなく、ただただ世話になった先輩を気遣うだけの後輩の顔だった。あと一年で卒業だというのに、こんな最終段階で退学にでもなったら目も当てられない。そんなことはカレカだって言わなくてもわかっている。
だが、わかっているからって我慢できないこともある。
気になる。
この一言こそ、昔からカレカを突き動かしている衝動そのもの。
幼少時から、ただ「気になる」というだけで、母のへそくりから父の飲み屋で懇意にしている女性関係まで探り出しりしていた。筋金入りの好奇心の正体なのである。――ちなみに父は母に半年小遣いカットという処分を下され泣いていた。謎を解き明かした末にある真実の味は、時に苦いものであると知った瞬間であった。
「早く査定内容を決めないから、やることなくて暇だから気になるんですよ! 現実逃避してないでちゃんとしなさい!」
「それどころじゃないわよ! 気になりすぎて他のことなんて手につかないわよ!」
果たして、あの非情の女王に何があったのか。
なんのつもりで剣術なんて始めたのか。
これまでの生活に一切なかったことを突然始めた動機はなんなのか。
ああ、考えれば考えるほど疑問が湧き上がってくる。
気になって気になって仕方がない。
「知りませんからね!? 本当にどうなっても知りませんからね!? 放校処分になったら指差して笑ってやりますからね!?」
こうなったら止めることなど不可能だと知っている後輩は、世話の焼ける先輩を見放した。――まあ所詮同じ穴のなんとか、これまでのように呼ばれれば手伝ってしまうのだろうが。
――こうして、現役を退いていたタットファウス魔法学校一の情報通が、再び暗躍するのだった。
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「――カレカ、ちょっといいか?」
最近、カレカ・ランドンはよく声を掛けられる。
相手は男ばかりである。
だが、決して色気のある話ではない。
ちょっと城下町に出て甘いものを食べようと誘われるわけでもなし、ましてやデートのお誘いであるわけもない。たまにはそういう目的で声を掛けてくる男がいてもいいとはチラリと思うが、残念ながらそういう声は滅多に……いや、八年生になるこれまでにも皆無だった。
ここ最近、カレカに近付く男は、大体がちょっと遊び人風の軽いタイプで。
昨今あまりにも多いので、そんな相手が話しかけてきた時、反射的にこう返すようにしている。
「何も知らないし、見たこともない」
――大概が、「メガネを掛けた謎の美女」の噂話を期待しているから。
カレカ・ランドンは、タットファウス魔法学校で一番の情報通だと言われている。
もちろん自負するところもあるので、そう呼ばれて不都合はない。
自分でも下世話だとは思うが、それでも、他人の動向や噂話が気になるのだから仕方ない。
最早誰になんと言われようと、己の欲望のままあらゆる手段を講じて情報収集をすることにしている。ただただ自分の好奇心を満たすためだけに。
ただし、この魔法学校にはかなりの権力者がいるので、分別は付けている。
彼らの逆鱗に触れたら、良くて学校を追われてしまう。最悪のケースは考えたくない。
将来の目標は新聞記者。
荒事は苦手なので、裏社会に片足突っ込んだような情報屋になろうとは思わない。今だってあくまでも学生レベルの情報通であると分をわきまえているつもりだ。
交流は深くはない多岐に渡り、顔はかなり広い。
そんなカレカは、一年生から八年生になるまでに、独自の情報ネットワークを作り上げていた。
大抵の情報は何もしなくても入ってくるし、仕入れようと思えばそこそこ詳しい情報を手に入れることができる。学校限定ではあるが。
八年生ともなれば、幾分か噂のパターンや情報のカテゴリー分けが自然と頭の中で整頓できるようになっているのだが。
この噂は、それでも少し珍しいタイプのものだった。
「……そろそろ調べようかな」
声を掛けてきた男をさっさと追い返し、カレカは呟く。
カレカももう八年生だ。
気になることは何を置いても調べ尽くす、などという入学当時に持っていた情熱とがむしゃらさは、少し落ち着いてしまった。
学校に点在する情報通仲間から頭一つ抜きん出る優秀さを誇ったが故に、あとは後輩たちに仕事を譲るような形で一線から退いたことを、情報通仲間全員が知っている。
……まあ、卒業を掛けた単位査定もあるので遊んでばかりもいられなくなった、という理由もあるにはあるのだが。
「謎の美女、ねえ」
ああ、謎とはどうしてこんなにも心躍らせるのだろう。
所詮学校レベルの謎なんて、真相に辿りつけば「まあそういうこともあるよね」程度のなんとも言えない感想を漏らすしかないものなのに。
でも、全てを見渡せないヴェールに包まれているだけで、それはもう好奇心を掻き立てるのだ。
人一倍好奇心が強いカレカなら尚更である。
――最近、噂になっているのだ。
――これまで誰も見たことがない謎の美女が、学校で行動している、と。
決して査定に挑むテスト内容が思いつかないのではなく、ただ好奇心を刺激されただけである。ちょっと何も思いつかないから気分転換してみようかなと思っただけである。絶対に現実逃避とかそういうことではない。
そんなことを考えながら、カレカの足取りは軽い。
ここしばらく情報に関する活動は自粛していただけに、改めて思う。
やはり自分は好奇心のまま、気になることを追いかけて動くのが一番楽しい、と。
そして、できればそれに抵触した形で査定に提出する功績を作らねばいけないと思うと、浮き上がった気分が少々落下した。さっぱり何も思いつかないから。
もう、今日だけは考えないようにする。
――と、歩き出したはいいのだが。
「知ってますよ」
夕食時、食堂で、情報関係で特に可愛がっていた後輩を捕まえて問えば、すでに謎は謎ではなくなっていた。
並んで座り、何気なく食事をしている素振りで、情報を交換する。傍目には大した話をしているようには決して見えないだろう。
「何? もうわかってるの?」
後輩の即答に、カレカは驚いた。もちろん見た目ではまったくわからないが。普通にパンをちぎっているだけにしか見えない。
「はい。相手が特に隠す気もなかったようなので」
謎は全て解けていた。
……が、だとしたら、逆におかしいだろう。
「じゃあなんで噂が広まってないの?」
今年の新入生の誰それがどこのお貴族様で――という噂話は、ひと段落したところだ。だから今もっとも旬なのは「メガネを掛けた謎の美女」だと言えるだろう。
旬な情報は求められる。
それこそ昨今のカレカのように、情報を求める男たちにひっきり無しに声を掛けられるのだ。
そんな有様なのだ。
需要が高いゆえに、どこか一部にだけでも漏れたら、噂は一瞬にして広まるだろう。否、後輩がすでに正体を握っているのであれば、すでに広まっているはずだ。
「相手が悪いんですよ。どう触れていいのかわからないというか」
「相手が悪い? 誰なの?」
核心を問えば、耳を疑うしかない名詞が返ってきた。
「アクロディリア・ディル・フロントフロン様です」
「えっ」
それは、一番ありえない人物の名前だった。
「ちょっと待って。私も色々噂は聞いているのよ。『闘技場に舞い降りた戦女神』だの、いくら倒れても立ち上がる『不屈のゾンビ女』とか、その美女と一緒にいる黒髪少女がシャレにならないくらい強いとか」
そしてその噂に共通しているのは、「闘技場で」、「剣術訓練を」、「一心不乱に続けている」というものである。
それだけならこの学校の生徒には珍しくない。騎士や兵士を目指す者なら、一日だって訓練を欠かさないだろう。なんなら丸一日鍛錬に没頭している者もいるだろう。
しかし噂の「謎の美女」は、周囲が引くレベルでハードな訓練に勤しんでいるらしい。
木剣で殴られるのはあたりまえ。
流血なんてしょっちゅうで。
容赦なく顔面を打ち据えられ。
足を打たれて倒れれば遠慮なく追い打ちが入り。
木剣を折られたところで中断することもなく、むしろ好機と危機の関係により加速する。
一時たりとも油断を許されないような、もはや訓練ではなくただのケンカか実戦か、という粋にまで至っているのだとか。
そのひたすらひたむきな強さへ執着する姿が、同じく訓練に汗を流す者、特に男たちにはひどく眩しく見えるらしい。何せ「戦女神」である。ちょっと落ち着けと言ってやりたい。
そしてそんなハードなことをやっているのが、かのフロントフロン家令嬢だなんて。言われたところで想像さえできやしない。
「ね? どう触れていいのかわからないでしょう?」
……確かにわからないな、とカレカは納得した。
どういうつもりで辺境伯のご令嬢が身体をいじめ始めたのか、さっぱりわからない。わからない以上は不用意に噂を広めるのは危険だ。
なるほど噂好きが話せないはずである。
フロントフロン家令嬢に関わっていいことなど一つもない。彼女を怒らせたせいで、結果的に放校処分になった者もいるのだ。それはどう考えても非道な仕打ちなのに、そんなことがあってももう珍しくないというほどにひどい性格であることは、周知の事実である。
「どうしてそんなことを……」
わからない。
非情な性格の女だが、その態度その言動はどこまでも貴族の令嬢らしかった。木剣を握るどころか、学校業以外で闘技場に近寄ることさえなかったはずだ。
「わかりません。探りたいのは山々なんですが、相手が相手なので……」
後輩が尻込みするのは、とてもよく理解できる。下手に探って目を付けられたら大変だ。
だが。
だがしかし。
「気になる……」
その小さな小さなつぶやきに、後輩はぎょっとした。
「ダメですよ!? 先輩はもう八年生なんですよ!? もうすぐ卒業なんですよ!?」
それは秘密の話をしている時の顔ではなく、ただただ世話になった先輩を気遣うだけの後輩の顔だった。あと一年で卒業だというのに、こんな最終段階で退学にでもなったら目も当てられない。そんなことはカレカだって言わなくてもわかっている。
だが、わかっているからって我慢できないこともある。
気になる。
この一言こそ、昔からカレカを突き動かしている衝動そのもの。
幼少時から、ただ「気になる」というだけで、母のへそくりから父の飲み屋で懇意にしている女性関係まで探り出しりしていた。筋金入りの好奇心の正体なのである。――ちなみに父は母に半年小遣いカットという処分を下され泣いていた。謎を解き明かした末にある真実の味は、時に苦いものであると知った瞬間であった。
「早く査定内容を決めないから、やることなくて暇だから気になるんですよ! 現実逃避してないでちゃんとしなさい!」
「それどころじゃないわよ! 気になりすぎて他のことなんて手につかないわよ!」
果たして、あの非情の女王に何があったのか。
なんのつもりで剣術なんて始めたのか。
これまでの生活に一切なかったことを突然始めた動機はなんなのか。
ああ、考えれば考えるほど疑問が湧き上がってくる。
気になって気になって仕方がない。
「知りませんからね!? 本当にどうなっても知りませんからね!? 放校処分になったら指差して笑ってやりますからね!?」
こうなったら止めることなど不可能だと知っている後輩は、世話の焼ける先輩を見放した。――まあ所詮同じ穴のなんとか、これまでのように呼ばれれば手伝ってしまうのだろうが。
――こうして、現役を退いていたタットファウス魔法学校一の情報通が、再び暗躍するのだった。
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