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最後の大会
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「へい!こっち!パス!」
「おう!まかせた!」
あの日、担任から渡されたトロンボーンという楽器を、僕はもう一度手に取ることはなかった。
『うーん。うちの中学は部活か市内クラブチームに絶対入らなくちゃいけないからなぁ…』
担任は困った顔でそう言うので、俺は、
練習時間が1番遅く始まり、早く終わる
サッカー部に入った。
うちの市は、サッカーの強いクラブチームがあり、皆そちらに行くため、学校の部活動としてのサッカー部はとても弱い。そして、やる気がない。そして、顧問も来ない。
この部活にいるのは、市内クラブチームに入れなかった出来損ないと、俺のようなやる気のないやつだけだった。
物語のように、キラキラとしたきっかけがあったとしても、それがうまくキラキラとした物語になるとは限らない。何事も主人公のやる気次第だ。
白と黒のボールを、ただひたすらに追いかけ回す前半45分間。
何が楽しいのか、俺には理解することができなかった。
「GOGOGO!」
「そのままシュートだ!」
こんな弱小チームにまで手を抜かない相手チームは、市内屈指の有名チームだ。かわいそうに。
弱小チームがみんなで団結して、インターハイ目指すわけでも、友情が生まれるわけでもない。
俺の3年間最後の後半45分間。
予選一回戦目であっけなく幕を閉じた。
「えー、3年生諸君、今日まで良く頑張りました。次は受験です。頑張るように。」
顧問の身のない短いお言葉。
「先輩たち、今までありがとうございました。」
後輩の無表情な顔。
もちろん涙なんてあるわけがない。
色紙には、鉛筆で、
お疲れ様でした
とか
ありがとうございました
とか
高校に行っても頑張ってください
とか
弱々しい字で並んでいた。
みたことのない後輩の名前もあったし、
きっとここに書いていない人もいるんだろう。
俺にとっての中学生活は、灰色の桜から始まり、
白と黒のボールを追いかけ、
白と黒の色紙で終わる。
一つ良かったことといえば、
高校受験、面接にて、
面接官が、
「中学時代頑張ったことはなんですか。」
と、聞いた時、
「はい、私は3年間サッカー部を続けることができました。」
と、答えられたことくらいだ。
高校受験合格発表当日、
高校の前に張り出された白い紙に、
俺の受験番号は、黒い字でちゃんと書かれていた。
春から俺は高校生になる。
「おう!まかせた!」
あの日、担任から渡されたトロンボーンという楽器を、僕はもう一度手に取ることはなかった。
『うーん。うちの中学は部活か市内クラブチームに絶対入らなくちゃいけないからなぁ…』
担任は困った顔でそう言うので、俺は、
練習時間が1番遅く始まり、早く終わる
サッカー部に入った。
うちの市は、サッカーの強いクラブチームがあり、皆そちらに行くため、学校の部活動としてのサッカー部はとても弱い。そして、やる気がない。そして、顧問も来ない。
この部活にいるのは、市内クラブチームに入れなかった出来損ないと、俺のようなやる気のないやつだけだった。
物語のように、キラキラとしたきっかけがあったとしても、それがうまくキラキラとした物語になるとは限らない。何事も主人公のやる気次第だ。
白と黒のボールを、ただひたすらに追いかけ回す前半45分間。
何が楽しいのか、俺には理解することができなかった。
「GOGOGO!」
「そのままシュートだ!」
こんな弱小チームにまで手を抜かない相手チームは、市内屈指の有名チームだ。かわいそうに。
弱小チームがみんなで団結して、インターハイ目指すわけでも、友情が生まれるわけでもない。
俺の3年間最後の後半45分間。
予選一回戦目であっけなく幕を閉じた。
「えー、3年生諸君、今日まで良く頑張りました。次は受験です。頑張るように。」
顧問の身のない短いお言葉。
「先輩たち、今までありがとうございました。」
後輩の無表情な顔。
もちろん涙なんてあるわけがない。
色紙には、鉛筆で、
お疲れ様でした
とか
ありがとうございました
とか
高校に行っても頑張ってください
とか
弱々しい字で並んでいた。
みたことのない後輩の名前もあったし、
きっとここに書いていない人もいるんだろう。
俺にとっての中学生活は、灰色の桜から始まり、
白と黒のボールを追いかけ、
白と黒の色紙で終わる。
一つ良かったことといえば、
高校受験、面接にて、
面接官が、
「中学時代頑張ったことはなんですか。」
と、聞いた時、
「はい、私は3年間サッカー部を続けることができました。」
と、答えられたことくらいだ。
高校受験合格発表当日、
高校の前に張り出された白い紙に、
俺の受験番号は、黒い字でちゃんと書かれていた。
春から俺は高校生になる。
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