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「北海道ツーリングへ」
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「北海道ツーリングへ」
「今回、私が投稿するのは、今から30年前の体験談になります。当時、私は20歳のピヨピヨでした。高校時代、世間に疎まれるバイクグループで「パラリラパラリラ~」いわせて走り回っていました。
高校卒業と同時に就職した先の社長が「暴走小僧なんかやめてレースしてみろ」とオフロードバイクの耐久レース参戦を進めてくれました。最初は、初めて走るオフロードのサーキットで転びまくり、何が楽しいのか全く分かりませんでしたが、半年程でレースに出ることが楽しくなってきました。
社長が連帯保証人になってくれたこともあり、公道も走行できる逆輸入モデルレーサーのホンダXR250の新車を購入し、月に1回のローカルレースに参戦し、いつしか、全日本選手権に出場することを夢見るようになっていました。しかし、20歳を迎えたシーズン前にレーサーとしては再起不能な身体的障害が残る事故をおこしてしまい、レースは引退することになってしまいました。
当時、心がすっかり荒んでしまった私に対し社長が、「退院後、リハビリ替わりに1ヶ月休みやるからゆっくりキャンプでもしながら全国の温泉でもまわってこい」とツーリングを勧められました。私は、社長の恩情に甘えて、30日間のツーリングに出ることにしました。その時には、後に、あんな恐怖体験をすることになるとは予想だにしていませんでした。
大阪を出て、1週間ほどで信州、甲州、東北を経て青森港から青函連絡船に乗り込み北海道へ向かいました。函館までの4時間、フェリーの2等室の大部屋で同じオフロードバイク乗りの50歳のAさん(仮名)と知り合いました。何度も北海道を走っているAさんは、ビールを飲みながら、北海道の温泉や林道のスポットを事細かく教えてくれました。その中で、話は心霊スポットの話に流れていきました。
「お兄ちゃん、北海道はいろいろ出るから、気を付けて行けよ。夜は、できるだけ走らないほうがいい。野生動物だけでなく、幽霊もたくさん出るんで。」
「えっ?何が出るって?」
「幽霊だよ幽霊!それもバイクがらみの・・・。北海道は多いんよ・・・。」
と両手の指先を下に甲を私に向けて、幽霊の真似をして言いました。
「結構、北海道の地の人には内地からのツーリングライダーは嫌われててな。うるさいマフラーでバリバリ飛ばしまくるし、事故も多くて反感買ってんだ。有名なのは、子供をツーリングライダーの事故で殺された母親が、バイク乗りすべてを逆恨みして、公道にピアノ線張って、何人かの走行中のライダーが首を落として死ぬ事件があってな。その母親は逮捕されたんだが、その事件の怖いところは、落とした被害者ライダーの頭を母親が全部沼に捨ててたんだな。だから、警察が来た時には事故現場には首なしの遺体しかないわけよ。そりゃ、頭は沼に捨てられてんだから、いくら警察が探したって見つかる訳無いわな。被害者は何の罪もない中、突然迎えた死を受け入れられずに、夜な夜な自分の首を探して徘徊する地縛霊になったり、夜にバイクで走っていると、首なしのライダーが並走してきたりという話があるんだ。」
「そりゃ、そんなもん出てきたら、ビビりますよね。」
「ああ、他には峠でバトルして、崖下に落ちて死んだスズキのバイク乗りの幽霊が、ホンダ、ヤマハ乗りを逆恨みにて絡んでくる話もあるな。」
「えっ、俺ホンダ乗ってんっすけど。」
「まあ、このスズキ乗りの幽霊はあんまり気にしなくていい。とにかくへたくそのドンガメみたいなので、普通に走ってりゃぶっちぎれるそうだ。」
「えっ!?普通、幽霊って走ってもバイクに追いつくぐらい早いって言うのが、一般的やと思うんですけど。」
「いや、このスズキ乗りの幽霊は、幽霊やのに追いかけてきても転倒で自爆したり、ガードレールに突っ込んだりするらしい。そんなだから、最近はチャリンコ乗りやハイカーに絡むそうだ。地元では「のろいのスズキ」と言われてる。「のろい」は漢字の「呪い」じゃなく平仮名ね。」
(スズキファンの方ごめんなさい。私が言っているのでなく、地元の人たちが言っているそうです。)
「そりゃ、情けない幽霊ですね。」
「まあ、いろんな幽霊がいるわな。最後に一つ言っておくが、夜の美幌峠だけは絶対に走るなよ。峠にでる白いワンピースの長髪女の幽霊はとことん祟るんでな。こいつは怖いぞー。
真夜中の峠に一人ぽつんと立って、おいでおいでするんよ。吸い寄せられるように止まって、その女乗せてしまったら最後、峠からの下りのコーナーで後ろから羽交い絞めにされたり、目隠しされてクラッシュ!ドーンでおしまい。
北海道の峠は内地の峠と違って高速コーナーばっかりなもんで、事故ると死ぬぞ。生き残った奴の話では、えらいロングヘアーの美人だが、氷のように冷たい手をしているそうだ。で、事故ったバイクのリアシートには必ず濡れた黒い長髪がついてるってことだ・・・。」
ボー、ボー、ボーと汽笛が鳴り、船内にまもなく函館港に到着する旨のアナウンスが流れました。Aさんにいろいろと情報をいただいたお礼を述べ、北海道に上陸しました。
初めて走る、北海道は大阪育ちの私には、ひたすら広く地平線まで見える景色と、いたる所にある温泉を楽しみました。キャンプ場では、他のツーリングライダー達とジンギスカンをしたり新鮮なトウモロコシやジャガイモを毎日のように楽しみました。私の荒んだ気持ちもすっかり洗い流され、社長に感謝の気持ちを絵ハガキで、そしてトウモロコシを小包で送りました。
「今回、私が投稿するのは、今から30年前の体験談になります。当時、私は20歳のピヨピヨでした。高校時代、世間に疎まれるバイクグループで「パラリラパラリラ~」いわせて走り回っていました。
高校卒業と同時に就職した先の社長が「暴走小僧なんかやめてレースしてみろ」とオフロードバイクの耐久レース参戦を進めてくれました。最初は、初めて走るオフロードのサーキットで転びまくり、何が楽しいのか全く分かりませんでしたが、半年程でレースに出ることが楽しくなってきました。
社長が連帯保証人になってくれたこともあり、公道も走行できる逆輸入モデルレーサーのホンダXR250の新車を購入し、月に1回のローカルレースに参戦し、いつしか、全日本選手権に出場することを夢見るようになっていました。しかし、20歳を迎えたシーズン前にレーサーとしては再起不能な身体的障害が残る事故をおこしてしまい、レースは引退することになってしまいました。
当時、心がすっかり荒んでしまった私に対し社長が、「退院後、リハビリ替わりに1ヶ月休みやるからゆっくりキャンプでもしながら全国の温泉でもまわってこい」とツーリングを勧められました。私は、社長の恩情に甘えて、30日間のツーリングに出ることにしました。その時には、後に、あんな恐怖体験をすることになるとは予想だにしていませんでした。
大阪を出て、1週間ほどで信州、甲州、東北を経て青森港から青函連絡船に乗り込み北海道へ向かいました。函館までの4時間、フェリーの2等室の大部屋で同じオフロードバイク乗りの50歳のAさん(仮名)と知り合いました。何度も北海道を走っているAさんは、ビールを飲みながら、北海道の温泉や林道のスポットを事細かく教えてくれました。その中で、話は心霊スポットの話に流れていきました。
「お兄ちゃん、北海道はいろいろ出るから、気を付けて行けよ。夜は、できるだけ走らないほうがいい。野生動物だけでなく、幽霊もたくさん出るんで。」
「えっ?何が出るって?」
「幽霊だよ幽霊!それもバイクがらみの・・・。北海道は多いんよ・・・。」
と両手の指先を下に甲を私に向けて、幽霊の真似をして言いました。
「結構、北海道の地の人には内地からのツーリングライダーは嫌われててな。うるさいマフラーでバリバリ飛ばしまくるし、事故も多くて反感買ってんだ。有名なのは、子供をツーリングライダーの事故で殺された母親が、バイク乗りすべてを逆恨みして、公道にピアノ線張って、何人かの走行中のライダーが首を落として死ぬ事件があってな。その母親は逮捕されたんだが、その事件の怖いところは、落とした被害者ライダーの頭を母親が全部沼に捨ててたんだな。だから、警察が来た時には事故現場には首なしの遺体しかないわけよ。そりゃ、頭は沼に捨てられてんだから、いくら警察が探したって見つかる訳無いわな。被害者は何の罪もない中、突然迎えた死を受け入れられずに、夜な夜な自分の首を探して徘徊する地縛霊になったり、夜にバイクで走っていると、首なしのライダーが並走してきたりという話があるんだ。」
「そりゃ、そんなもん出てきたら、ビビりますよね。」
「ああ、他には峠でバトルして、崖下に落ちて死んだスズキのバイク乗りの幽霊が、ホンダ、ヤマハ乗りを逆恨みにて絡んでくる話もあるな。」
「えっ、俺ホンダ乗ってんっすけど。」
「まあ、このスズキ乗りの幽霊はあんまり気にしなくていい。とにかくへたくそのドンガメみたいなので、普通に走ってりゃぶっちぎれるそうだ。」
「えっ!?普通、幽霊って走ってもバイクに追いつくぐらい早いって言うのが、一般的やと思うんですけど。」
「いや、このスズキ乗りの幽霊は、幽霊やのに追いかけてきても転倒で自爆したり、ガードレールに突っ込んだりするらしい。そんなだから、最近はチャリンコ乗りやハイカーに絡むそうだ。地元では「のろいのスズキ」と言われてる。「のろい」は漢字の「呪い」じゃなく平仮名ね。」
(スズキファンの方ごめんなさい。私が言っているのでなく、地元の人たちが言っているそうです。)
「そりゃ、情けない幽霊ですね。」
「まあ、いろんな幽霊がいるわな。最後に一つ言っておくが、夜の美幌峠だけは絶対に走るなよ。峠にでる白いワンピースの長髪女の幽霊はとことん祟るんでな。こいつは怖いぞー。
真夜中の峠に一人ぽつんと立って、おいでおいでするんよ。吸い寄せられるように止まって、その女乗せてしまったら最後、峠からの下りのコーナーで後ろから羽交い絞めにされたり、目隠しされてクラッシュ!ドーンでおしまい。
北海道の峠は内地の峠と違って高速コーナーばっかりなもんで、事故ると死ぬぞ。生き残った奴の話では、えらいロングヘアーの美人だが、氷のように冷たい手をしているそうだ。で、事故ったバイクのリアシートには必ず濡れた黒い長髪がついてるってことだ・・・。」
ボー、ボー、ボーと汽笛が鳴り、船内にまもなく函館港に到着する旨のアナウンスが流れました。Aさんにいろいろと情報をいただいたお礼を述べ、北海道に上陸しました。
初めて走る、北海道は大阪育ちの私には、ひたすら広く地平線まで見える景色と、いたる所にある温泉を楽しみました。キャンプ場では、他のツーリングライダー達とジンギスカンをしたり新鮮なトウモロコシやジャガイモを毎日のように楽しみました。私の荒んだ気持ちもすっかり洗い流され、社長に感謝の気持ちを絵ハガキで、そしてトウモロコシを小包で送りました。
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