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「起死回生の言い訳」
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「起死回生の言い訳」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って、おねえちゃん!すげぇ大事なこと忘れてたわ、俺。ごめん、ごめん、ごめん。おねえちゃん、なんかバイクのこと詳しそうやから、わかってくれると思うけど、俺のバイク何かわかるやろ?」
三度、降車して、私の横に立ち、スペンサーレプリカヘルメットを脱ぐ女。
「???今更何なの?ホンダのXLR250でしょ・・・?」
「いや~違うんだな、これが。タンク見て、タンク、タンク。バカがタンクでやってくる!byハナ肇アーンド山田洋次!(やったー、頑張ったぞ!俺!最終ラップで大逆転で優勝や!リアル「汚れた英雄」や!北野晶夫ばんざーい!草刈正雄ばんざーい!頭の中のBGMでローズマリーバトラー最大音量や!勝ったどー社長!社長がこのバイク薦めてくれたんは、この日のためやったんですね!ありがとうございました!)」
「!!ポ、ポリタンク!」
うろたえる女。
「ピンポーン!大正解!これは、XLRではありませーん!XR250でーす!レーサーでーす!一人乗りでーす!タンデムステップありませーん!だから、ごめんね~、どんなに頑張ってもあなたを乗せてやることはできませ~ん。おとなしく、次の車を待ってて下さ~い!」
と私は勝ち誇りました。
「いや、だ、大丈夫よ・・・。」
見るからに力なくつぶやく女。
「何じゃい、今度はXLRスイングアーム(注、バイクのフレームとリアタイヤをつなぐ大きな部品)とタンデムステップでも出すんかい!ついでに工具もってか!?ここで、スイングアーム交換なんかするんやったら、おとなしく次の車で麓に降りんか~い!じゃあねまた!バイバイキーンとくらあ(心の中で水戸黄門張りの高笑い!)」
とヘルメットのシールドを降ろし、スタンドを払う私。
「いや、だ、大丈夫よ・・・。」うつむき力なく再びつぶやく女。
「なにが、大丈夫じゃい!スイングアーム持ってんのかい!工具持ってんのかい!ここで交換できるんかい!おまえはJAFか~い!(ちょっと言い過ぎたかな?)」
「いや、だ、大丈夫よ・・・。」三度同じセリフを吐き、恐怖の形相で私をにらみつける女の視線に、身体がこわばり、一度握ったクラッチレバーを戻してしまいました。
「大丈夫なことあるかい!これから峠道やぞ!ステップ無しに、高速コーナーが続く屈斜路湖までの下り道、2人乗りなんか、上海曲馬団でも無理じゃい!」
「た、タンデムステップなんかなくても大丈夫・・・。」
「ステップ無しで、どうやってコーナーで踏ん張るんじゃい?直線だけならともかく、足プラプラで峠は絶対に無理じゃい!」
「私、大丈夫だから・・・。」
「あんたがいくらいいって言っても、そんな状態では、運転する俺がよう運転せんわ。じゃあな。」
とアクセルをあおりました。排気音が静かな峠に響き渡りました。
「私、・・・(よく聞こえない声)だから大丈夫・・・。」
その女の声は、マフラーの排気音でよく聞き取れませんでした。
「はぁ、なんて?」
「私、私、私、幽霊でもともと脚無いから、タンデムステップなんて必要ないのよ!」
と飛びかかってきました。鬼以上に恐ろし表情!目は完全に白目と化し、長くまっすぐだった黒髪を振り乱し、私の肩に爪を立ててきました。
(こいつ、自分で幽霊って言ったよな。たしかに幽霊って!こりゃいかん!とにかく逃げろ!社長、守ってください!)とっさのところで、女を振り払い、アクセル全開で峠を降り始めました。
「ちょ、ちょ、ちょっと待って、おねえちゃん!すげぇ大事なこと忘れてたわ、俺。ごめん、ごめん、ごめん。おねえちゃん、なんかバイクのこと詳しそうやから、わかってくれると思うけど、俺のバイク何かわかるやろ?」
三度、降車して、私の横に立ち、スペンサーレプリカヘルメットを脱ぐ女。
「???今更何なの?ホンダのXLR250でしょ・・・?」
「いや~違うんだな、これが。タンク見て、タンク、タンク。バカがタンクでやってくる!byハナ肇アーンド山田洋次!(やったー、頑張ったぞ!俺!最終ラップで大逆転で優勝や!リアル「汚れた英雄」や!北野晶夫ばんざーい!草刈正雄ばんざーい!頭の中のBGMでローズマリーバトラー最大音量や!勝ったどー社長!社長がこのバイク薦めてくれたんは、この日のためやったんですね!ありがとうございました!)」
「!!ポ、ポリタンク!」
うろたえる女。
「ピンポーン!大正解!これは、XLRではありませーん!XR250でーす!レーサーでーす!一人乗りでーす!タンデムステップありませーん!だから、ごめんね~、どんなに頑張ってもあなたを乗せてやることはできませ~ん。おとなしく、次の車を待ってて下さ~い!」
と私は勝ち誇りました。
「いや、だ、大丈夫よ・・・。」
見るからに力なくつぶやく女。
「何じゃい、今度はXLRスイングアーム(注、バイクのフレームとリアタイヤをつなぐ大きな部品)とタンデムステップでも出すんかい!ついでに工具もってか!?ここで、スイングアーム交換なんかするんやったら、おとなしく次の車で麓に降りんか~い!じゃあねまた!バイバイキーンとくらあ(心の中で水戸黄門張りの高笑い!)」
とヘルメットのシールドを降ろし、スタンドを払う私。
「いや、だ、大丈夫よ・・・。」うつむき力なく再びつぶやく女。
「なにが、大丈夫じゃい!スイングアーム持ってんのかい!工具持ってんのかい!ここで交換できるんかい!おまえはJAFか~い!(ちょっと言い過ぎたかな?)」
「いや、だ、大丈夫よ・・・。」三度同じセリフを吐き、恐怖の形相で私をにらみつける女の視線に、身体がこわばり、一度握ったクラッチレバーを戻してしまいました。
「大丈夫なことあるかい!これから峠道やぞ!ステップ無しに、高速コーナーが続く屈斜路湖までの下り道、2人乗りなんか、上海曲馬団でも無理じゃい!」
「た、タンデムステップなんかなくても大丈夫・・・。」
「ステップ無しで、どうやってコーナーで踏ん張るんじゃい?直線だけならともかく、足プラプラで峠は絶対に無理じゃい!」
「私、大丈夫だから・・・。」
「あんたがいくらいいって言っても、そんな状態では、運転する俺がよう運転せんわ。じゃあな。」
とアクセルをあおりました。排気音が静かな峠に響き渡りました。
「私、・・・(よく聞こえない声)だから大丈夫・・・。」
その女の声は、マフラーの排気音でよく聞き取れませんでした。
「はぁ、なんて?」
「私、私、私、幽霊でもともと脚無いから、タンデムステップなんて必要ないのよ!」
と飛びかかってきました。鬼以上に恐ろし表情!目は完全に白目と化し、長くまっすぐだった黒髪を振り乱し、私の肩に爪を立ててきました。
(こいつ、自分で幽霊って言ったよな。たしかに幽霊って!こりゃいかん!とにかく逃げろ!社長、守ってください!)とっさのところで、女を振り払い、アクセル全開で峠を降り始めました。
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