350 / 385
第350話 竜、事態の収束をする
しおりを挟む
「あいー♪ あーい♪」
「あーう♪」
「うぉふ♪」
「わん♪」
「ぴよー♪」
「ご機嫌だねえー」
「みんな揃っているからじゃないかしら?」
『……♪』
ハバラに乗って移動する一行は途中でロクローやソル、エレノアのところへ到着していた。
グラーデン国の騎士達も集まっていたが、事情を説明すると撤退してくれた。
そこでソルとエレノアを回収した。
するとリヒトとライルが太鼓をぽこぽこと鳴らしながらなにやら歌っていた。
ユリがにこやかに微笑みながらご機嫌だと言うと、トワイトはみんな揃っているからではないかと笑っていた。
「アトレオン王子、ご無事でなによりです」
「ああ、ミルザも帰っていたとはね。君やサルトス家の当主のオーレルなら安心だ。ダニーとキーラも無事だったみたいだし良かったよ」
「え、ええ。息子とその妻が駆けつけてくれたので……」
「兄貴、汚れているな。俺が磨くぜ!」
『……!?』
「なんか……仲良くなっている?」
「まあ、色々ありまして」
現場にはソルとエレノア以外にもザミールやその父であるオーレル、ダニーやキーラも居た。
アトレオンは前の彼等の怒りこそすれ差別はしないため、ダニー達の安否も確認してホッとしていた。
その中でキーラが兄であるソルに敬愛を示していた。ユリが気になっていたが、オーレルが苦笑しながら色々あったとだけ告げていた。
当のソルはやや困惑気味である。
「で、彼等があの黒竜と」
「そうだ。すまなかったな」
「まあ、そっちは陛下達に任せる。運が良かったというか、我が領地に被害はなかった。あちらの騎士達も利己的だったのでな」
「さっき少し話したけどそのようだね。ボルカノさん達とウチの騎士団が対面していたからこのまますぐに発つよ。なにかあったら教えて欲しい」
「承知しました」
ルーガス達も頭を下げて町や村の人達に謝罪をしていた。
オーレルは自領地では特になにも無かったが、それは人間達が気を利かせた結果だからと少しだけ怒りをにじませてハッキリと言った。
アトレオンはこのままボルカノ達と別れたところへ向かうと返した。
「ザミールも行くかのう?」
「あーい?」
「いえ、馬と馬車があるからその人数でハバラさんの背中は厳しいと思います。まだ話すこともあるので。リヒト君、ライル君、またお土産を持っていくからね」
「あい!」
「あう!」
「それじゃまた、家にでも来てくれ」
「はい」
「またな兄貴!」
ザミールはひとまずこのまま残ることとし、ソルとエレノアを連れて行くことにした。そして今度はボルカノのところへと向かう。
「あんた!」
「お? おお、アビーか。それにディラン達も。終わったようだな」
「うむ。八百年前の決着もついた」
「ほう、竜鬱症が治るというのか」
「そのようじゃ。後でディランに見せてもらえ。あの時倒した黒竜の倅から出した魔石をな」
「あんた達も親父を知っているのか……」
「まあ、ディラン程生きてはおらんがな。こやつがこの世界の者じゃないのは初耳じゃったが」
「ボクは知っていたけどね!」
地上でボルカノがドラゴン姿で鎮座していたのを見つけ、アビーが声をかけた。
全員で地上に降りて終わったことを告げると人型に戻る。
ロクローとボルカノも当時、黒竜との戦いに参加していたらしく、ロクローがその時の息子だと口にする。
興味深いと顎に手を当てるボルカノと、複雑な顔をするルーガス。
その向こうではギーラがドガーラと黒竜二人に話しかけていた。
「よう、派手にやられたみてえだな!」
「ぐ……ギーラか。貴様もやられたのか……?」
「おうよ! 人間にばっさりとな」
「マジか……ギーラでも勝てなかったのか……」
「油断したのもあるが、おもしれえ奴等だったぜ! また戦うつもりだけどよ」
ドガーラに笑いながら答えるギーラに、他の二人が動揺する。黒竜の中でも力のある彼が負けるとは思わなかったからだ。
また戦うと豪語するギーラにトーニャが答えた。
「いやよ、面倒くさい。ねえ、ヒューシ」
「あ、ああ……いや、近いなトーニャ……!?」
「けがをしているんだから支えているんだけど?」
「あはは、こういうところはトワイトさんにそっくりだね」
「そう?」
「あい」
トーニャはヒューシをずっと掴まえており、ユリがそれを見てお母さんのトーニャにそっくりだと笑っていた。
長く一緒に居るリヒトがなんとなく頷いた気がした。
「アトレオン王子、初めまして。サリエルド帝国の騎士団長デッガと申します。その男がここに居るということは……」
「終わったよ。ヘルシャフト王女と顔合わせをしてきた。もうすぐここにも伝令が来るはずだよ」
「そうですか。この度の不祥事、私からもお詫びさせていただきます。申し訳ございませんでした」
「まあ、こっちも負傷者が黒竜だけみたいだし、良かったよ。死傷者がいたらちょっと対応が変わるところだったからね」
「はっ……貴様、ルーガスと言ったな。処遇は彼等に任せるが、私は許していないことは覚えておけ」
「もちろんだ。この詫びは必ずする」
デッガは剣をルーガスに向けて激高した後、そのまま騎士を率いて立ち去って行った。
「ふう、これでひとまず収束したかな?」
「彼等が先陣だったようなので恐らく大丈夫かと」
「うん、ありがとうアクティ」
「いえ、アトレオン様のお役に立てたのであれば良かったです。我々は念のため周辺を警邏して戻ります。王子は陛下にご報告をされてはいかがでしょう」
「そうさせてもらうよ」
騎士団長の一人、アクティの提案に同意し、ボルカノ達を乗せて再びハバラが飛んでいく。
「これでようやくお城に帰れるね。ディランさん達はどうするの?」
「テリウス殿に話をした後、家へ帰る。その後でこやつらの住む島へ行く予定じゃ。里の様子も見たいがの」
「わしが行くか?」
「ロクローは農作物の土を耕すのを見てもらうのに一緒に来るのじゃ。ゾンネア、頼まれてくれるか?」
「仕方ない、いいよ」
ユリがこの後のことはどうするのかというと、ディランは黒竜の住処へ向かうことに決めていた。ロクローは畑の件で一緒に来て欲しいと頼む。
「俺でもいいぞ?」
「お主はアビーとガリア国へ一旦戻るとええ。一緒に住むんじゃろ?」
「まあ、そうだが。いいのか?」
「腰をやったみたいじゃし、ゆっくりしておけ」
「余計なお世話だロクロー。ま、国王夫妻に挨拶はしておくべきか」
「悪いね。またお礼をしにいくよ」
「うむ」
「あーい!」
「わほぉん」
そうしてボルカノはこのままガリア国へ戻ることとなり、ディラン達は最後にサリエルド帝国の城へと向かった。
「あーう♪」
「うぉふ♪」
「わん♪」
「ぴよー♪」
「ご機嫌だねえー」
「みんな揃っているからじゃないかしら?」
『……♪』
ハバラに乗って移動する一行は途中でロクローやソル、エレノアのところへ到着していた。
グラーデン国の騎士達も集まっていたが、事情を説明すると撤退してくれた。
そこでソルとエレノアを回収した。
するとリヒトとライルが太鼓をぽこぽこと鳴らしながらなにやら歌っていた。
ユリがにこやかに微笑みながらご機嫌だと言うと、トワイトはみんな揃っているからではないかと笑っていた。
「アトレオン王子、ご無事でなによりです」
「ああ、ミルザも帰っていたとはね。君やサルトス家の当主のオーレルなら安心だ。ダニーとキーラも無事だったみたいだし良かったよ」
「え、ええ。息子とその妻が駆けつけてくれたので……」
「兄貴、汚れているな。俺が磨くぜ!」
『……!?』
「なんか……仲良くなっている?」
「まあ、色々ありまして」
現場にはソルとエレノア以外にもザミールやその父であるオーレル、ダニーやキーラも居た。
アトレオンは前の彼等の怒りこそすれ差別はしないため、ダニー達の安否も確認してホッとしていた。
その中でキーラが兄であるソルに敬愛を示していた。ユリが気になっていたが、オーレルが苦笑しながら色々あったとだけ告げていた。
当のソルはやや困惑気味である。
「で、彼等があの黒竜と」
「そうだ。すまなかったな」
「まあ、そっちは陛下達に任せる。運が良かったというか、我が領地に被害はなかった。あちらの騎士達も利己的だったのでな」
「さっき少し話したけどそのようだね。ボルカノさん達とウチの騎士団が対面していたからこのまますぐに発つよ。なにかあったら教えて欲しい」
「承知しました」
ルーガス達も頭を下げて町や村の人達に謝罪をしていた。
オーレルは自領地では特になにも無かったが、それは人間達が気を利かせた結果だからと少しだけ怒りをにじませてハッキリと言った。
アトレオンはこのままボルカノ達と別れたところへ向かうと返した。
「ザミールも行くかのう?」
「あーい?」
「いえ、馬と馬車があるからその人数でハバラさんの背中は厳しいと思います。まだ話すこともあるので。リヒト君、ライル君、またお土産を持っていくからね」
「あい!」
「あう!」
「それじゃまた、家にでも来てくれ」
「はい」
「またな兄貴!」
ザミールはひとまずこのまま残ることとし、ソルとエレノアを連れて行くことにした。そして今度はボルカノのところへと向かう。
「あんた!」
「お? おお、アビーか。それにディラン達も。終わったようだな」
「うむ。八百年前の決着もついた」
「ほう、竜鬱症が治るというのか」
「そのようじゃ。後でディランに見せてもらえ。あの時倒した黒竜の倅から出した魔石をな」
「あんた達も親父を知っているのか……」
「まあ、ディラン程生きてはおらんがな。こやつがこの世界の者じゃないのは初耳じゃったが」
「ボクは知っていたけどね!」
地上でボルカノがドラゴン姿で鎮座していたのを見つけ、アビーが声をかけた。
全員で地上に降りて終わったことを告げると人型に戻る。
ロクローとボルカノも当時、黒竜との戦いに参加していたらしく、ロクローがその時の息子だと口にする。
興味深いと顎に手を当てるボルカノと、複雑な顔をするルーガス。
その向こうではギーラがドガーラと黒竜二人に話しかけていた。
「よう、派手にやられたみてえだな!」
「ぐ……ギーラか。貴様もやられたのか……?」
「おうよ! 人間にばっさりとな」
「マジか……ギーラでも勝てなかったのか……」
「油断したのもあるが、おもしれえ奴等だったぜ! また戦うつもりだけどよ」
ドガーラに笑いながら答えるギーラに、他の二人が動揺する。黒竜の中でも力のある彼が負けるとは思わなかったからだ。
また戦うと豪語するギーラにトーニャが答えた。
「いやよ、面倒くさい。ねえ、ヒューシ」
「あ、ああ……いや、近いなトーニャ……!?」
「けがをしているんだから支えているんだけど?」
「あはは、こういうところはトワイトさんにそっくりだね」
「そう?」
「あい」
トーニャはヒューシをずっと掴まえており、ユリがそれを見てお母さんのトーニャにそっくりだと笑っていた。
長く一緒に居るリヒトがなんとなく頷いた気がした。
「アトレオン王子、初めまして。サリエルド帝国の騎士団長デッガと申します。その男がここに居るということは……」
「終わったよ。ヘルシャフト王女と顔合わせをしてきた。もうすぐここにも伝令が来るはずだよ」
「そうですか。この度の不祥事、私からもお詫びさせていただきます。申し訳ございませんでした」
「まあ、こっちも負傷者が黒竜だけみたいだし、良かったよ。死傷者がいたらちょっと対応が変わるところだったからね」
「はっ……貴様、ルーガスと言ったな。処遇は彼等に任せるが、私は許していないことは覚えておけ」
「もちろんだ。この詫びは必ずする」
デッガは剣をルーガスに向けて激高した後、そのまま騎士を率いて立ち去って行った。
「ふう、これでひとまず収束したかな?」
「彼等が先陣だったようなので恐らく大丈夫かと」
「うん、ありがとうアクティ」
「いえ、アトレオン様のお役に立てたのであれば良かったです。我々は念のため周辺を警邏して戻ります。王子は陛下にご報告をされてはいかがでしょう」
「そうさせてもらうよ」
騎士団長の一人、アクティの提案に同意し、ボルカノ達を乗せて再びハバラが飛んでいく。
「これでようやくお城に帰れるね。ディランさん達はどうするの?」
「テリウス殿に話をした後、家へ帰る。その後でこやつらの住む島へ行く予定じゃ。里の様子も見たいがの」
「わしが行くか?」
「ロクローは農作物の土を耕すのを見てもらうのに一緒に来るのじゃ。ゾンネア、頼まれてくれるか?」
「仕方ない、いいよ」
ユリがこの後のことはどうするのかというと、ディランは黒竜の住処へ向かうことに決めていた。ロクローは畑の件で一緒に来て欲しいと頼む。
「俺でもいいぞ?」
「お主はアビーとガリア国へ一旦戻るとええ。一緒に住むんじゃろ?」
「まあ、そうだが。いいのか?」
「腰をやったみたいじゃし、ゆっくりしておけ」
「余計なお世話だロクロー。ま、国王夫妻に挨拶はしておくべきか」
「悪いね。またお礼をしにいくよ」
「うむ」
「あーい!」
「わほぉん」
そうしてボルカノはこのままガリア国へ戻ることとなり、ディラン達は最後にサリエルド帝国の城へと向かった。
82
あなたにおすすめの小説
魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす
三谷朱花
恋愛
ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。
ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。
伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。
そして、告げられた両親の死の真相。
家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。
絶望しかなかった。
涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。
雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。
そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。
ルーナは死を待つしか他になかった。
途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。
そして、ルーナがその温もりを感じた日。
ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。
【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる
まゆら
ファンタジー
完結しておりますが、時々閑話を更新しております!
続編も宜しくお願い致します!
聖女のアルバイトしながら花嫁修行しています!未来の夫は和菓子職人です!
婚約者である王太子から真実の愛で結ばれた女性がいるからと、いきなり婚約破棄されたミレディア。
王宮で毎日大変な王妃教育を受けている間に婚約者である王太子は魔法学園で出逢った伯爵令嬢マナが真実の愛のお相手だとか。
彼女と婚約する為に私に事実無根の罪を着せて婚約破棄し、ついでに目障りだから国外追放にすると言い渡してきた。
有り難うございます!
前からチャラチャラしていけすかない男だと思ってたからちょうど良かった!
お父様と神王から頼まれて仕方無く婚約者になっていたのに‥
ふざけてますか?
私と婚約破棄したら貴方は王太子じゃなくなりますけどね?
いいんですね?
勿論、ざまぁさせてもらいますから!
ご機嫌よう!
◇◇◇◇◇
転生もふもふのヒロインの両親の出逢いは実は‥
国外追放ざまぁから始まっていた!
アーライ神国の現アーライ神が神王になるきっかけを作ったのは‥
実は、女神ミレディアだったというお話です。
ミレディアが家出して冒険者となり、隣国ジュビアで転生者である和菓子職人デイブと出逢い、恋に落ち‥
結婚するまでの道程はどんな道程だったのか?
今語られるミレディアの可愛らしい?
侯爵令嬢時代は、女神ミレディアファン必読の価値有り?
◈◈この作品に出てくるラハルト王子は後のアーライ神になります!
追放された聖女は隣国で…にも登場しておりますのでそちらも合わせてどうぞ!
新しいミディの使い魔は白もふフェンリル様!
転生もふもふとようやくリンクしてきました!
番外編には、ミレディアのいとこであるミルティーヌがメインで登場。
家出してきたミルティーヌの真意は?
デイブとミレディアの新婚生活は?
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
忘れるにも程がある
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたしが目覚めると何も覚えていなかった。
本格的な記憶喪失で、言葉が喋れる以外はすべてわからない。
ちょっとだけ菓子パンやスマホのことがよぎるくらい。
そんなわたしの以前の姿は、完璧な公爵令嬢で第二王子の婚約者だという。
えっ? 噓でしょ? とても信じられない……。
でもどうやら第二王子はとっても嫌なやつなのです。
小説家になろう様、カクヨム様にも重複投稿しています。
筆者は体調不良のため、返事をするのが難しくコメント欄などを閉じさせていただいております。
どうぞよろしくお願いいたします。
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
試験の多い魔導王国王家
章槻雅希
ファンタジー
法律の多いことで有名なカヌーン魔導王国。
だが、実は王族に対しての試験が多いことは知られていない。
カヌーン王家に属する者は王も王妃も側室も王子も王女も定期的に試験を受けるのである。試練ではない。試験だ。ペーパーテストだ。
そして、その結果によっては追試や廃嫡、毒杯を賜ることもある。
そんな苛酷な結果を伴う試験を続けた結果、カヌーン王家は優秀で有能で一定以上の人格を保持した国王と王妃によって統治されているのである。
ネタは熱いうちに打てとばかりに勢いで書いたため、文章拙く、色々可笑しいところがあるかもしれません。そのうち書き直す可能性も大(そのまま放置する可能性はもっと大きい)。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿、自サイトにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる