352 / 385
第352話 竜、お供を連れて黒竜の島へ行く
しおりを挟む
「ここがあんたの家か」
「ええところじゃろ? 戻ったぞい」
「ただいまソレイユ」
「みなさんおかえりなさい! はやかったですね?」
サリエルド帝国から移動し、途中でトーニャと別れたディラン達は自宅のあるキリマール山へ帰って来た。
ルーガスが興味深げに周囲を見ていると、庭からソレイユが出てきた。
そのまま全員で庭へ行くと、早速グラソンがイルカのフリンクのところへ走っていく。
「アー!」
「きゅー♪」
「こけー」
「ぷぎ」
「ぴよっ!」
ジェニファーは子豚とひよこを連れて庭を散策し始めていた。恐らく、このお家についてなにか語っているに違いない。
子豚はジェニファーについてなにやら納得したように鳴いていた。
「仲のいい動物たちだな……普通ならアッシュウルフの捕食対象だぞ」
「ウチの子たちは私達が用意したものを食べるからひよこ達を食べる必要がないのよ。もちろん私達が食べるお肉とかは魔物や他の動物を狩っているから、命をいただくという点はみんなと変わらないけれどね」
「なるほど……言いたいことは理解ができる」
「わしらは居るだけで割と脅威じゃからのう」
あくびをしながらベンチへ向かうダル。その頭に乗っているレイタを見てルーガスは小さく頷く。
必要な狩りとそうでない狩りの差、それと需要を満たしていれば無差別に殺すこともないのだと、一緒に来たロクローは顎に手を当てて頷いていた。
「あら、新しいお客様ですね?」
「今回の事件の主犯じゃ」
そこでソレイユがルーガスに気づいて声をかける。ディランが説明をすると彼は頭を下げた。
「エルフもいるのか」
「俺の妻だ」
「ドラゴンがエルフの妻をもらったのか!?」
「あい」
「す、すまない……」
「すぴー」
エルフの奥さんと聞いてルーガスが驚く。黒竜は他種族と結婚をしていないようだ。大きな声だったので寝ているライルを起こさないようにとリヒトが窘めていた。
「ディランのところは不思議なことが多すぎる……これも天から遣わされた特別な存在だからだろうか……」
「まあ、俺もさっきその話を聞いて驚いたよ。ルーガスならさらに驚くだろうな」
「ああ……」
「ふふ、ここはみんな仲がいいですからね」
「そういえばリコットはどうしたのじゃ?」
「あそこで寝ていますよ。日向ぼっこしていたら眠ってしまって」
「ダルも向かったし、ライルも寝かせておこうかしら」
「あーい♪」
「む、降りるかリヒト」
ルーガスはこの空間にあてられてめまいを起こしていた。ハバラも苦笑しながら父さんと母さんだしなと口にする。
そんな中、リコットが寝ておりそこへライルを連れていくことに。もうすぐ陽が傾き始めるのでお昼寝というには少々遅い時間だったりする。
リヒトはディランの肩車を終え、ライルを抱っこしているトワイトと手を繋いでリコットの下へ向かった。
「あの子が俺の娘だ」
「ドラゴンとエルフの子……そういうこともあるんだな。いいなしっかり生まれてきて」
「お主は子を失くしたそうだが、奥さんはおるのか?」
「健在だ。最近、ようやく卵を一つ生み落としてくれてな。育てるのに土地が欲しかったというのもある」
「へえ、いいじゃないか」
「うむ」
「だが、まだ孵化しないのだ……あれも死産だったらと思うと不安で仕方ない。なにより妻が可哀想だ」
「そういうことか……」
一度目はさらわれて死に、今回はまだ生まれてこないとのこと。ルーガスのこういう悩みも竜鬱症の発症に一役買っていたのかもしれないとディランが言う。
「そっちの問題もあったなあ」
「魔石をどうにかすることができればというところじゃが、ワシが一人ずつ見ていくわけにもいかんしのう。さて、今のうちに野菜と種もみ、米をとってくるぞい」
「ぴよー」
「トコトも来るか」
そうしてディランは今のうちにと準備を進めることにした。ハバラとルーガスはその辺の石に座って時間を潰す。
「……のどかだ。こういうのが一番いい」
「そういえば聞きたかったんだが、島は持っているんだろう? どうしてまた人間の国を奪おうとしていたんだ?」
「最初はちょうどいい島だったんだが、外敵もいないから少しずつ増えてな。人型で生活することを嫌がる者が多くなってきたのが理由だな」
「へえ、そういうもんなのか」
ルーガス曰く、元々人型になるということに違和感を覚えていた者が多くおり、巨大な姿で過ごしているから手狭になったのだ。
「その辺りは説得していくつもりだ。こういう家や庭を作るなら過ごしやすいだろうしな」
「竜の里は参考になるんじゃないか? 誰か派遣したらどうだ。俺が仲介してもいいぞ」
「助かる」
「子供のためって考えるなら協力するさ。同じドラゴンだし」
「まあ、自給自足が出来るようになって人型で生活していれば
ハバラとルーガスはそんな話をしながらディランを待ち、ここでハバラ一家と別れる。
「それじゃあここに居るから」
「うむ。リコットによろしくな」
「起きていたらまた泣いてしまうので……すみません」
「あーい」
リコットが起きてしまうと離れられなくなってしまうため今のうちに飛び立とうとなっていた。そして準備ができたため、今度はディランも変身をした。
「では案内を頼むぞルーガス」
「わかった」
「バタバタになったわねえ。リヒト、お腹空いていない?」
「あい」
「さて、どんなところかたのしみじゃ」
自宅にハバラたちを残してフリンクの世話をお願いし、ディラン達は一路、東の黒竜が住む島へと向かう。
リヒトは寝ているライルのお腹を撫でながらトワイトに大丈夫だと返事をしていた。
ロクローは楽しみだと言い、すぐに到着するぞとディランが返す。再びサリエルド帝国に入ったころ、見知った顔が飛んできた。
「む、デランザではないか。まだ戻っていなかったのか」
【ディラン殿か。ウェリスをメンバーのところへ連れて行っていたのだ。どこかへ行くのか?】
「黒竜の島じゃ。そういえばウェリスも行くとか言っておったのう。連れていくか」
【この先の町に置いてきた。そろそろ帰らないとフレイヤとエメリに怒られそうだから我はこれで行くぞ】
「またの」
デランザはそういうとそのまま飛んで行った。
ウェリスは連れて行ってもいいかとディランは町へと向かう。
「ディランの爺さんじゃねえか、それに黒竜の野郎も一緒か」
「お疲れ様です!」
「無事に終わったようだとウェリスから聞いた」
町の近くに降りると、ウェリス達からこちらへ来てくれ話をする。
ルーガスに警戒を見せているウェリスだが、島へ行くことには喜んで同意していた。
そこでもう一人、一緒に行く人物がいた。
「コレルも居たとはのう」
「……ヴァールに暇を貰ってウェリスを追いかけて来たんだ。私のコンフュージョナーが役に立つかもしれんと思ってな。だが、結果はもう終わったと聞いた」
「確かにそうじゃな。ふむ、コンフュージョナーか。コレル、お主も一緒に来んか?」
「え? まあ、行くところはないから構わないが……」
「よし、ではついて来るのじゃ」
「こいつ、役に立つのか?」
「まあ、そういうなロクロー。ひとまず向かおうぞ」
「ええところじゃろ? 戻ったぞい」
「ただいまソレイユ」
「みなさんおかえりなさい! はやかったですね?」
サリエルド帝国から移動し、途中でトーニャと別れたディラン達は自宅のあるキリマール山へ帰って来た。
ルーガスが興味深げに周囲を見ていると、庭からソレイユが出てきた。
そのまま全員で庭へ行くと、早速グラソンがイルカのフリンクのところへ走っていく。
「アー!」
「きゅー♪」
「こけー」
「ぷぎ」
「ぴよっ!」
ジェニファーは子豚とひよこを連れて庭を散策し始めていた。恐らく、このお家についてなにか語っているに違いない。
子豚はジェニファーについてなにやら納得したように鳴いていた。
「仲のいい動物たちだな……普通ならアッシュウルフの捕食対象だぞ」
「ウチの子たちは私達が用意したものを食べるからひよこ達を食べる必要がないのよ。もちろん私達が食べるお肉とかは魔物や他の動物を狩っているから、命をいただくという点はみんなと変わらないけれどね」
「なるほど……言いたいことは理解ができる」
「わしらは居るだけで割と脅威じゃからのう」
あくびをしながらベンチへ向かうダル。その頭に乗っているレイタを見てルーガスは小さく頷く。
必要な狩りとそうでない狩りの差、それと需要を満たしていれば無差別に殺すこともないのだと、一緒に来たロクローは顎に手を当てて頷いていた。
「あら、新しいお客様ですね?」
「今回の事件の主犯じゃ」
そこでソレイユがルーガスに気づいて声をかける。ディランが説明をすると彼は頭を下げた。
「エルフもいるのか」
「俺の妻だ」
「ドラゴンがエルフの妻をもらったのか!?」
「あい」
「す、すまない……」
「すぴー」
エルフの奥さんと聞いてルーガスが驚く。黒竜は他種族と結婚をしていないようだ。大きな声だったので寝ているライルを起こさないようにとリヒトが窘めていた。
「ディランのところは不思議なことが多すぎる……これも天から遣わされた特別な存在だからだろうか……」
「まあ、俺もさっきその話を聞いて驚いたよ。ルーガスならさらに驚くだろうな」
「ああ……」
「ふふ、ここはみんな仲がいいですからね」
「そういえばリコットはどうしたのじゃ?」
「あそこで寝ていますよ。日向ぼっこしていたら眠ってしまって」
「ダルも向かったし、ライルも寝かせておこうかしら」
「あーい♪」
「む、降りるかリヒト」
ルーガスはこの空間にあてられてめまいを起こしていた。ハバラも苦笑しながら父さんと母さんだしなと口にする。
そんな中、リコットが寝ておりそこへライルを連れていくことに。もうすぐ陽が傾き始めるのでお昼寝というには少々遅い時間だったりする。
リヒトはディランの肩車を終え、ライルを抱っこしているトワイトと手を繋いでリコットの下へ向かった。
「あの子が俺の娘だ」
「ドラゴンとエルフの子……そういうこともあるんだな。いいなしっかり生まれてきて」
「お主は子を失くしたそうだが、奥さんはおるのか?」
「健在だ。最近、ようやく卵を一つ生み落としてくれてな。育てるのに土地が欲しかったというのもある」
「へえ、いいじゃないか」
「うむ」
「だが、まだ孵化しないのだ……あれも死産だったらと思うと不安で仕方ない。なにより妻が可哀想だ」
「そういうことか……」
一度目はさらわれて死に、今回はまだ生まれてこないとのこと。ルーガスのこういう悩みも竜鬱症の発症に一役買っていたのかもしれないとディランが言う。
「そっちの問題もあったなあ」
「魔石をどうにかすることができればというところじゃが、ワシが一人ずつ見ていくわけにもいかんしのう。さて、今のうちに野菜と種もみ、米をとってくるぞい」
「ぴよー」
「トコトも来るか」
そうしてディランは今のうちにと準備を進めることにした。ハバラとルーガスはその辺の石に座って時間を潰す。
「……のどかだ。こういうのが一番いい」
「そういえば聞きたかったんだが、島は持っているんだろう? どうしてまた人間の国を奪おうとしていたんだ?」
「最初はちょうどいい島だったんだが、外敵もいないから少しずつ増えてな。人型で生活することを嫌がる者が多くなってきたのが理由だな」
「へえ、そういうもんなのか」
ルーガス曰く、元々人型になるということに違和感を覚えていた者が多くおり、巨大な姿で過ごしているから手狭になったのだ。
「その辺りは説得していくつもりだ。こういう家や庭を作るなら過ごしやすいだろうしな」
「竜の里は参考になるんじゃないか? 誰か派遣したらどうだ。俺が仲介してもいいぞ」
「助かる」
「子供のためって考えるなら協力するさ。同じドラゴンだし」
「まあ、自給自足が出来るようになって人型で生活していれば
ハバラとルーガスはそんな話をしながらディランを待ち、ここでハバラ一家と別れる。
「それじゃあここに居るから」
「うむ。リコットによろしくな」
「起きていたらまた泣いてしまうので……すみません」
「あーい」
リコットが起きてしまうと離れられなくなってしまうため今のうちに飛び立とうとなっていた。そして準備ができたため、今度はディランも変身をした。
「では案内を頼むぞルーガス」
「わかった」
「バタバタになったわねえ。リヒト、お腹空いていない?」
「あい」
「さて、どんなところかたのしみじゃ」
自宅にハバラたちを残してフリンクの世話をお願いし、ディラン達は一路、東の黒竜が住む島へと向かう。
リヒトは寝ているライルのお腹を撫でながらトワイトに大丈夫だと返事をしていた。
ロクローは楽しみだと言い、すぐに到着するぞとディランが返す。再びサリエルド帝国に入ったころ、見知った顔が飛んできた。
「む、デランザではないか。まだ戻っていなかったのか」
【ディラン殿か。ウェリスをメンバーのところへ連れて行っていたのだ。どこかへ行くのか?】
「黒竜の島じゃ。そういえばウェリスも行くとか言っておったのう。連れていくか」
【この先の町に置いてきた。そろそろ帰らないとフレイヤとエメリに怒られそうだから我はこれで行くぞ】
「またの」
デランザはそういうとそのまま飛んで行った。
ウェリスは連れて行ってもいいかとディランは町へと向かう。
「ディランの爺さんじゃねえか、それに黒竜の野郎も一緒か」
「お疲れ様です!」
「無事に終わったようだとウェリスから聞いた」
町の近くに降りると、ウェリス達からこちらへ来てくれ話をする。
ルーガスに警戒を見せているウェリスだが、島へ行くことには喜んで同意していた。
そこでもう一人、一緒に行く人物がいた。
「コレルも居たとはのう」
「……ヴァールに暇を貰ってウェリスを追いかけて来たんだ。私のコンフュージョナーが役に立つかもしれんと思ってな。だが、結果はもう終わったと聞いた」
「確かにそうじゃな。ふむ、コンフュージョナーか。コレル、お主も一緒に来んか?」
「え? まあ、行くところはないから構わないが……」
「よし、ではついて来るのじゃ」
「こいつ、役に立つのか?」
「まあ、そういうなロクロー。ひとまず向かおうぞ」
69
あなたにおすすめの小説
魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす
三谷朱花
恋愛
ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。
ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。
伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。
そして、告げられた両親の死の真相。
家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。
絶望しかなかった。
涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。
雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。
そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。
ルーナは死を待つしか他になかった。
途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。
そして、ルーナがその温もりを感じた日。
ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。
【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる
まゆら
ファンタジー
完結しておりますが、時々閑話を更新しております!
続編も宜しくお願い致します!
聖女のアルバイトしながら花嫁修行しています!未来の夫は和菓子職人です!
婚約者である王太子から真実の愛で結ばれた女性がいるからと、いきなり婚約破棄されたミレディア。
王宮で毎日大変な王妃教育を受けている間に婚約者である王太子は魔法学園で出逢った伯爵令嬢マナが真実の愛のお相手だとか。
彼女と婚約する為に私に事実無根の罪を着せて婚約破棄し、ついでに目障りだから国外追放にすると言い渡してきた。
有り難うございます!
前からチャラチャラしていけすかない男だと思ってたからちょうど良かった!
お父様と神王から頼まれて仕方無く婚約者になっていたのに‥
ふざけてますか?
私と婚約破棄したら貴方は王太子じゃなくなりますけどね?
いいんですね?
勿論、ざまぁさせてもらいますから!
ご機嫌よう!
◇◇◇◇◇
転生もふもふのヒロインの両親の出逢いは実は‥
国外追放ざまぁから始まっていた!
アーライ神国の現アーライ神が神王になるきっかけを作ったのは‥
実は、女神ミレディアだったというお話です。
ミレディアが家出して冒険者となり、隣国ジュビアで転生者である和菓子職人デイブと出逢い、恋に落ち‥
結婚するまでの道程はどんな道程だったのか?
今語られるミレディアの可愛らしい?
侯爵令嬢時代は、女神ミレディアファン必読の価値有り?
◈◈この作品に出てくるラハルト王子は後のアーライ神になります!
追放された聖女は隣国で…にも登場しておりますのでそちらも合わせてどうぞ!
新しいミディの使い魔は白もふフェンリル様!
転生もふもふとようやくリンクしてきました!
番外編には、ミレディアのいとこであるミルティーヌがメインで登場。
家出してきたミルティーヌの真意は?
デイブとミレディアの新婚生活は?
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
忘れるにも程がある
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたしが目覚めると何も覚えていなかった。
本格的な記憶喪失で、言葉が喋れる以外はすべてわからない。
ちょっとだけ菓子パンやスマホのことがよぎるくらい。
そんなわたしの以前の姿は、完璧な公爵令嬢で第二王子の婚約者だという。
えっ? 噓でしょ? とても信じられない……。
でもどうやら第二王子はとっても嫌なやつなのです。
小説家になろう様、カクヨム様にも重複投稿しています。
筆者は体調不良のため、返事をするのが難しくコメント欄などを閉じさせていただいております。
どうぞよろしくお願いいたします。
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
試験の多い魔導王国王家
章槻雅希
ファンタジー
法律の多いことで有名なカヌーン魔導王国。
だが、実は王族に対しての試験が多いことは知られていない。
カヌーン王家に属する者は王も王妃も側室も王子も王女も定期的に試験を受けるのである。試練ではない。試験だ。ペーパーテストだ。
そして、その結果によっては追試や廃嫡、毒杯を賜ることもある。
そんな苛酷な結果を伴う試験を続けた結果、カヌーン王家は優秀で有能で一定以上の人格を保持した国王と王妃によって統治されているのである。
ネタは熱いうちに打てとばかりに勢いで書いたため、文章拙く、色々可笑しいところがあるかもしれません。そのうち書き直す可能性も大(そのまま放置する可能性はもっと大きい)。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿、自サイトにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる