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第189話 竜、二手に分かれる
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「では行ってくるぞい」
「気をつけてくださいね。リヒトもいい子にしているのよ?」
「あーい!」
「だーう……」
「すぐ会えるからね♪」
「だー……」
「ぴよー」
「だう」
そして翌日。
打ち合わせ通りシエラは自宅へと帰ることになり、ディランがついていく。
リヒトにはユリウスの服を着せて帽子を装着することで、遠目からでは判別できない状況にした。
シエラの手に居るリヒトはトワイトの言葉に手を上げて応え、トワイトに抱っこされているユリウスは母親とリヒトが離れていくのを見てすでに泣きそうになっていた。リヒトと服を入れ替えているので胸ポケットのひよこ達がかろうじて泣くのを留めている感じだ。
オルドライデは自身の息子を抱っこしたいが、スパイがこの状況を見ていたら困るため我慢である。
「……さて、と。それじゃ俺達はディランさんについていけばいいんですね」
「頼むよ。私たちはこのままクリニヒト王国へ帰る」
「すまないが後で報告を頼む。というかザミールは帰らなくていいのか?」
『オッケー!』
「あたしも行きたいけど、ヴァールさん達を連れて帰らないとね」
「商人である私が一緒なら向こうも『やりやすい』と判断してくれるかもしれませんので」
「あい」
ガルフとリーナ、そしてダル・ルミナス・ヤクトの三頭は少し離れたところからディランとシエラの後をついていくことになった。
なにかあった際、目撃者としての側面が強いがリーナの透明化など役に立つであろうとの判断だった。もちろん報酬はウォルモーダから支払われる手はずになっている。
トーニャはヴァールたちをクリニヒト王国へ帰す移動手段となっており、残念そうに肩を竦めていた。
「……ヴァール、様。私は少し残ってもいいだろうか?」
「うん? どうしたんだいコレル。そんなことを言うなんて珍しいじゃないか」
「……」
そこでコレルがここに残りたいと申し出た。
意外……という顔ではなく、ヴァールはそういうだろうと考えていたようだ。
彼がどうしてと聞き返すが、何も言わず『構わないかと』訴えていた。
「それじゃあトワイトさんについていくということで残ってくれ」
「……わかりました」
「あら、残ってくれるの? よろしくね」
「ぴよー!」
「よろしく頼む……ってうるさいな……!?」
トワイトがコレルに笑いかけると頭を下げていた。レイタも大きな声であいさつをする。
「負傷した使用人さんと馬車で帰りましょう」
「承知したぞい。ではまた会おう」
「行ってらっしゃい!」
「あー」
「だうー」
ディランとリヒトはシエラを伴い町へと歩いて行った。一時的に太鼓や笛を貸していて、ユリウスは太鼓を鳴らしていた。
そこで一連のやりとりを見ていたウォルモーダがオルドライデへ近づいていく。
「これでスパイが発覚した。順番は違ったが世代交代前に終われそうでなによりだ」
「ダルボですか」
「そうだ。私の側近としては長く勤めてくれたが、どうやらそうだったらしい。朝から姿が見えない」
「様子がおかしかったですからね。恐らくブライネル侯爵へ報告をするため抜けているのでしょう」
ウォルモーダとカーネリアはあの騒ぎの際、おかしな動きをしている者が居ないかを確認していたその中でダルボが明らかに困惑をせず、貴族主義の騎士となにか話していた。
ある程度『本当に貴族が優良人』であると思っている者を手元に置いておき、その中からブライネル侯爵に通じる者がいないかというのも考えていたのだ。
「追跡は?」
「出しているが、関係性だけ判ればいい。あとはディランに任せるとしよう」
「……シエラ」
恐らくこの何日かで今までの憂いが断てるというウォルモーダとは対照的に不安げなオルドライデ。
そこでトワイトがユリウスを連れて隣に立った。
「ウチのお父さんがついていれば大丈夫ですよ♪」
「だーう」
「ああ……そうですね」
「ドラゴンには世話をかけるが、報酬は用意しよう」
「リヒトとユリウス君にぜひ♪」
「……! フッ、そうだな」
「父上が笑っている……」
トワイトが笑いながら、頑張っている赤ちゃんたちになにかして上げて欲しいと言い、ウォルモーダは確かにと口元に笑みを浮かべていた。
皮肉めいていたり、人を蔑むような笑みではない表情にオルドライデは驚いていた。
「それじゃ、ジェニファー達と遊びましょうか!」
「だーう」
「こけー♪」
「「「ぴよー♪」」」
ひとまずリヒトはダル達がついているためジェニファー達はユリウスと遊ぶことにするのだった。
そして一方ディラン達は――
「面目ない、最初に矢を射られて腕が使えなくなったもので……」
「いいえ、私たちのせいですみません。とりあえず家へ帰ることになったので……」
「そうでしたか。オルドライデ様にお目通りは?」
「一目、見せることができました」
「それは良かった」
――病院にて、シエラの乗る馬車の御者を訪ねていた。
出血は酷かったものの、トワイトの治療が早かったため後遺症などは無かった。
「では行きましょうか」
「大丈夫かのう」
「はい。これでも元冒険者でしてね、体は丈夫なんですよ! とはいっても、剣の方がからきしで止めた口ですけどね」
「ダメじゃと思ったら止めるのはアリじゃ。では馬車は任せようかのう」
「お願いします」
病院を後にしてギルドの厩舎へと向かい、そのままさっと町を後にする。
その後ろを城から借りたガルフがゆっくりついていく。小型の馬車には三頭とリーナが乗っており、御者台の椅子の縁に三頭が頭を乗せて並んでいたりする。
「「「わふ」」」
『拗ねないの。リヒト君の護衛だからこっちがいいでしょ?」
「わほぉん」
「ま、ディランのおっちゃんが居るからなんも心配ないけどな。それにしても、貴族ってのは厄介だな」
『わたしもそうだったけどね? 貴族というよりかは人って感じだわ』
「確かに違いねえな」
「……ブライネル侯爵とやらのような者はどこにでもいるけどね。つまらないしきたりや伝承を信じているようなのはどこにでも」
ガルフはディランが居れば危険はないと楽観する。話の中で貴族のことが出てくると、リーナが口を尖らせていた。
すると同じく荷台に乗っていたザミールがカバンの中身を確認しながら真面目な口調でそんなことを言う。
「ザミールさんがそこまで言うのは珍しいな?」
「まあ、商人だからねえ。いろんな人間を見ているのさ。さて、どんな奴らが出てくるか――」
ガルフの馬車も町を出ると、街道沿いに目的地へ向かうのだった。
「ふむ」
「どうかしましたか?」
「あーう?」
「なんでもないぞい。まあ、ゆっくり行くとしよう」
シエラの家までは馬車の速度でおよそ十日ほどの距離にある辺境。
仕掛けてくるなら家か、王都より離れたあたりか。ディランは街道周辺に視線を向けながらそんなことを考えるディランであった。
「気をつけてくださいね。リヒトもいい子にしているのよ?」
「あーい!」
「だーう……」
「すぐ会えるからね♪」
「だー……」
「ぴよー」
「だう」
そして翌日。
打ち合わせ通りシエラは自宅へと帰ることになり、ディランがついていく。
リヒトにはユリウスの服を着せて帽子を装着することで、遠目からでは判別できない状況にした。
シエラの手に居るリヒトはトワイトの言葉に手を上げて応え、トワイトに抱っこされているユリウスは母親とリヒトが離れていくのを見てすでに泣きそうになっていた。リヒトと服を入れ替えているので胸ポケットのひよこ達がかろうじて泣くのを留めている感じだ。
オルドライデは自身の息子を抱っこしたいが、スパイがこの状況を見ていたら困るため我慢である。
「……さて、と。それじゃ俺達はディランさんについていけばいいんですね」
「頼むよ。私たちはこのままクリニヒト王国へ帰る」
「すまないが後で報告を頼む。というかザミールは帰らなくていいのか?」
『オッケー!』
「あたしも行きたいけど、ヴァールさん達を連れて帰らないとね」
「商人である私が一緒なら向こうも『やりやすい』と判断してくれるかもしれませんので」
「あい」
ガルフとリーナ、そしてダル・ルミナス・ヤクトの三頭は少し離れたところからディランとシエラの後をついていくことになった。
なにかあった際、目撃者としての側面が強いがリーナの透明化など役に立つであろうとの判断だった。もちろん報酬はウォルモーダから支払われる手はずになっている。
トーニャはヴァールたちをクリニヒト王国へ帰す移動手段となっており、残念そうに肩を竦めていた。
「……ヴァール、様。私は少し残ってもいいだろうか?」
「うん? どうしたんだいコレル。そんなことを言うなんて珍しいじゃないか」
「……」
そこでコレルがここに残りたいと申し出た。
意外……という顔ではなく、ヴァールはそういうだろうと考えていたようだ。
彼がどうしてと聞き返すが、何も言わず『構わないかと』訴えていた。
「それじゃあトワイトさんについていくということで残ってくれ」
「……わかりました」
「あら、残ってくれるの? よろしくね」
「ぴよー!」
「よろしく頼む……ってうるさいな……!?」
トワイトがコレルに笑いかけると頭を下げていた。レイタも大きな声であいさつをする。
「負傷した使用人さんと馬車で帰りましょう」
「承知したぞい。ではまた会おう」
「行ってらっしゃい!」
「あー」
「だうー」
ディランとリヒトはシエラを伴い町へと歩いて行った。一時的に太鼓や笛を貸していて、ユリウスは太鼓を鳴らしていた。
そこで一連のやりとりを見ていたウォルモーダがオルドライデへ近づいていく。
「これでスパイが発覚した。順番は違ったが世代交代前に終われそうでなによりだ」
「ダルボですか」
「そうだ。私の側近としては長く勤めてくれたが、どうやらそうだったらしい。朝から姿が見えない」
「様子がおかしかったですからね。恐らくブライネル侯爵へ報告をするため抜けているのでしょう」
ウォルモーダとカーネリアはあの騒ぎの際、おかしな動きをしている者が居ないかを確認していたその中でダルボが明らかに困惑をせず、貴族主義の騎士となにか話していた。
ある程度『本当に貴族が優良人』であると思っている者を手元に置いておき、その中からブライネル侯爵に通じる者がいないかというのも考えていたのだ。
「追跡は?」
「出しているが、関係性だけ判ればいい。あとはディランに任せるとしよう」
「……シエラ」
恐らくこの何日かで今までの憂いが断てるというウォルモーダとは対照的に不安げなオルドライデ。
そこでトワイトがユリウスを連れて隣に立った。
「ウチのお父さんがついていれば大丈夫ですよ♪」
「だーう」
「ああ……そうですね」
「ドラゴンには世話をかけるが、報酬は用意しよう」
「リヒトとユリウス君にぜひ♪」
「……! フッ、そうだな」
「父上が笑っている……」
トワイトが笑いながら、頑張っている赤ちゃんたちになにかして上げて欲しいと言い、ウォルモーダは確かにと口元に笑みを浮かべていた。
皮肉めいていたり、人を蔑むような笑みではない表情にオルドライデは驚いていた。
「それじゃ、ジェニファー達と遊びましょうか!」
「だーう」
「こけー♪」
「「「ぴよー♪」」」
ひとまずリヒトはダル達がついているためジェニファー達はユリウスと遊ぶことにするのだった。
そして一方ディラン達は――
「面目ない、最初に矢を射られて腕が使えなくなったもので……」
「いいえ、私たちのせいですみません。とりあえず家へ帰ることになったので……」
「そうでしたか。オルドライデ様にお目通りは?」
「一目、見せることができました」
「それは良かった」
――病院にて、シエラの乗る馬車の御者を訪ねていた。
出血は酷かったものの、トワイトの治療が早かったため後遺症などは無かった。
「では行きましょうか」
「大丈夫かのう」
「はい。これでも元冒険者でしてね、体は丈夫なんですよ! とはいっても、剣の方がからきしで止めた口ですけどね」
「ダメじゃと思ったら止めるのはアリじゃ。では馬車は任せようかのう」
「お願いします」
病院を後にしてギルドの厩舎へと向かい、そのままさっと町を後にする。
その後ろを城から借りたガルフがゆっくりついていく。小型の馬車には三頭とリーナが乗っており、御者台の椅子の縁に三頭が頭を乗せて並んでいたりする。
「「「わふ」」」
『拗ねないの。リヒト君の護衛だからこっちがいいでしょ?」
「わほぉん」
「ま、ディランのおっちゃんが居るからなんも心配ないけどな。それにしても、貴族ってのは厄介だな」
『わたしもそうだったけどね? 貴族というよりかは人って感じだわ』
「確かに違いねえな」
「……ブライネル侯爵とやらのような者はどこにでもいるけどね。つまらないしきたりや伝承を信じているようなのはどこにでも」
ガルフはディランが居れば危険はないと楽観する。話の中で貴族のことが出てくると、リーナが口を尖らせていた。
すると同じく荷台に乗っていたザミールがカバンの中身を確認しながら真面目な口調でそんなことを言う。
「ザミールさんがそこまで言うのは珍しいな?」
「まあ、商人だからねえ。いろんな人間を見ているのさ。さて、どんな奴らが出てくるか――」
ガルフの馬車も町を出ると、街道沿いに目的地へ向かうのだった。
「ふむ」
「どうかしましたか?」
「あーう?」
「なんでもないぞい。まあ、ゆっくり行くとしよう」
シエラの家までは馬車の速度でおよそ十日ほどの距離にある辺境。
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