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プロローグ -2Years ago-
しおりを挟む――……好きな相手との愛に溢れた初体験を夢見ていたはずなのに、目が覚めると薄暗い部屋でセックスが始まっていた。上に乗られ、股を開き揺れるペニスを見せつけるようにしながら濡れたアナルでペニスをシゴかれる。ぐちゅんぐちゅん、と濡れた卑猥な音が部屋に響く。強すぎる刺激に頭にカッカと血が上るのを感じた。
「ッ……何してるんですか!」
振り払おうとしたら肩を抑え込まれ、強引に唇を奪われた。キスしながらも腰を振られ、ペニスに絶えず快感を与えられ続ける。
「ッ……あ……」
孝太郎が声を漏らすと上に乗った明に小さく笑われた。逃げなければいけないのに、ずっと腰が抜けそうなくらい気持ちよくて強く抗えない。顔をグッと寄せられ、明の金の髪が額に当たる。
「なぁ、もうええやん。今やめても一緒やって。21で童貞なんかカッコつかんやろ。誰にも言わんから最後までヤろや」
悪魔の囁きのようだ。惑わすように手を握られ、耳に湿ったキスをされる。平らな胸を押し付けられ、腹にペニスを押し付けられる。
「そう。上手いやん、もっとして」
そう声をかけられ自分の腰が物欲しそうに揺れていることを知った。
「ッ……駄目ですって、ほんまに、あかん、あかん」
口先では拒んでいても身体は射精を望んでいた。しかし明はわざと焦らすようにイかせてくれない。耐えきれず強引に起き上がって組み敷き、本能のまま腰を振るとまるで飢えた獣のようだと笑われた。
童貞卒業した朝は空が薄暗くてジメジメしていた。信頼していた先輩から強引に仕掛けられて始まった初めてのゲイセックスは虚しくて悲しくて、こんなものが欲しかったんじゃないと痛烈なまでに自覚させられる。孝太郎は隣で未だ眠る明を起こさないようにそっと身支度して、逃げるように家を飛び出した。
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