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ミッション2.状況を把握し、整理しろ

知り得る限りの真実と相棒

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レイが驚いた様子でこちらを見ている。
「今…貴方なんて言ったの?」
俺なんかやばいこと言ったか?
「え、だから『模倣』って…」
「貴方には話す必要がありそうね。私たちが知る限りの真実を」
レストが割って入る。
「まて、まだその話は…」
「貴方も聞いたでしょう?レスト。これはもう話さないと」
「………分かった。話せ」
一体何が始まるんだ?






「ジス、と言ったかしら?」
「はい。」
「貴方の質問に全部答えてあげる。」
よし、これで…
「ただし、条件があるわ」
「なんでしょう?」
「貴方にやってほしいことがあるのよ。
質問が尽きたら話すわ。」
「…それじゃあ早速1つ目の質問です。
このピストルはなんなんですか?」
「そのピストルは『エル博士』の遺品よ。
精度も良いし、ブレも少ない優れ物だわ」
「その『エル博士』とは?」
「私の母で、全ての根源よ。ロボットを生み出した、ね。確か母が学生時代の写真が
あった筈よ。見せてあげる。」

「これよ」
なぜだろう?どこかで見覚えが…
「他に質問は?」
「なぜ『エル博士』はロボットを作ったんだ?」
「………知らないわ、ごめんなさい。強いて言うのであれば母は人類にとって役立つ機械を作ろうとしていたわ。」
後3つぐらいか?
「来客用の部屋にあるデバイスはなんだ?」
「私そんなの置いたかしら?レスト心当たりは?」
「………1つだけある、前の来客者が置いていったのかもしれん。」
「後で聞かせてもらうわ。で、他に質問は?」
「なぜ人類が絶滅しかけている?」
「AIがシンギュラリティを起こしたからよ。」
この質問の答えを一番聞きたい。
「それじゃあ最後の質問です。………『模倣』になんの意味が?」
「『模倣』は世界の歴史上で3人しか能力者がいない貴重な能力よ。他の人の能力をコピーして、自分の使いやすいよう、改良することができる能力だわ。」
「歴代の模倣を持った人は…
貴方、レマ、そして…エル。レマは私達の先祖で、その能力から神の使いと言われたそうよ。『エル博士』と貴方の関係…なんなのかは分からないわ」
礼は忘れない。
「質問は終わりです、ありがとうございました」
「それじゃあやってほしいことなのだけれど…重要物質の運搬護衛を頼むわ。」
「その物質があればロボットの電波を妨害できるの。」
「了解です」
「1人だけでは厳しいから人を付けてあるわ」
「入ってきて良いわよ。」
「うす、俺はケンっす。よろしくっす。」
「君の相棒よ。仲良くしなさいね?」
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