JKと魔王のどこまでも適当な異世界生活

ありきた

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7話 最初の依頼はかなり地味

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 町に面する草原地帯で、私とパアルはのんびりと薬草を摘んでいる。
 冒険者としての登録をせずに受注できる依頼は、薬草の採取や町内清掃など、危険度が低いものだけ。集会所の受付で依頼書に名前を記入するだけで手続きが完了するので、右も左も分からない私にとってはありがたい。

「魔王の力を見せ付ければ、特例として最上位の冒険者として認めさせることもできるのです。そしたらパパッとドラゴンクラスのモンスターを倒して、お金をたんまり稼げるのです。それがなんで、こんな地味すぎる作業をしなければならないのです。せっかく我が力をくれてやったのに、宝の持ち腐れなのです」

 ブツブツと不満を垂れ流しながらも真面目に薬草を摘み続けているあたり、やはり憎めない。

「ごめんね。目立ちすぎると緊張してお腹を壊しちゃうから、あんまり派手なことはしたくないの」

 切実な理由を語りつつ、レンタルした麻袋に薬草を詰める。
 特例うんぬんは別として、ある程度の生活資金が確保できたら冒険者登録を行うつもりだ。冒険者カードがあれば諸々の手順を簡略化できるらしいから、依頼をこなして生活することを考えれば作らない手はない。

「漏らせばいいのです」

 とんでもない意見に、思わず絶句する。

「そう言えばパアルちゃん、おしっこ漏らしてたよね。ちゃんと着替えた?」

「当たり前なのです。城に帰ってすぐに水浴びして予備の服に着替えたのです。まったく、いい迷惑なのです」

 つくづく、パアルちゃんはロクな目に遭っていない。
 私は遊び半分で異世界に召喚されて人生を歪められたわけだから、文句を言う側のはずなんだけど……あまりに悲惨すぎて同情せざるを得ない。
 申し訳なさから言葉を失い、気分が落ち込む。

「あ……べ、べつにそこまで気にしなくていいのです。レーナとの生活は楽しそうだから、悪いことばかりじゃないのです。迷惑と言ったのは取り消すのです。だから、その……落ち込まないでほしいのです」

 パアルちゃんは自分の発言で私が気を落としたことに気付き、慌ててフォローしてくれた。

「ありがとう。私もパアルちゃんとの生活、すごく楽しみだよ」

「ふんっ、べつに我は楽しみじゃないのです。仕方がないから、貴様と一緒に生活してやるだけなのです」

 二重人格かな?
 私が元気を取り戻した途端に、パアルちゃんは悪態をつき始める。
 照れ隠しだと思うと、実に微笑ましい。

「このペースなら予定より多めに稼げそうだし、屋台で食べ物でも買おうか」

「賛成なのです! 町に入ったときから、ずっと気になってたのです! お金が足りなかったら力づくで奪い取るのです!」

 相変わらず物騒な意見も飛び出てきたけど、賛成してもらえてよかった。
 その後。夕方までパアルちゃんと話しながら薬草を摘み、集会所に戻って依頼品を渡して報酬を受け取り、屋台でペットボトルサイズのフランクフルトを買ってから宿を訪れる。
 ギシギシと音を立てるベッドに並んで腰かけ、なんの肉か分からないフランクフルトにかぶりつく。
 異世界で初めての食事は、パアルちゃんと顔を見合わせて飛び跳ねてしまうぐらいおいしかった。
 一人きりではなくパアルちゃんと一緒に食べたから、余計においしく感じたのかもしれない。
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