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第1章
第79話《シマちゃんの告白開始》
なんせ、両親やら親戚やら兄妹やらが、俺の事を世界で一番かわいいだなんて言ってちやほやするから、あの時の俺はそれを真正面に受け止め過ぎてしまっていたのだ。
(いや、それだけ俺の事を好きでいてくれる家族がいるのは幸せな事なんだけどな?)
ただ、俺の容姿が世間一般の評価で言うと、実は微妙だったのだと気づいたのは幼少期のひながきっかけで、危うく自分が美人だと勘違いしたまま大人になって、白い目を向けられる惨状にならずに済んだ事に関してだけは奴に感謝している。
……とまぁ、俺の話はひとまずおいておくとして………周囲の声に負けないように、ピンと背筋を伸ばして堂々とシマちゃんの所にたどり着いた俺は、楽しそうな満面の笑みを浮かべたシマちゃんとようやっと向き合ったのだった。
「すずめちゃん!来てくれてありがと…!とても嬉しいよ♪」
「俺の方こそシマちゃんに呼んで貰えて嬉しい。でも相手役、友達の俺でよかったの?シマちゃんくらい可愛かったら、その…素敵な彼氏さんとかいたりするでしょ?」
シマちゃんが歓迎の声をあげながら、いつもの如く俺に抱き着いてきたので、俺はそれを受け入れつつ、シマちゃんに彼氏の有無を質問する。
(ステージに上がった以上は俺もシマちゃんの第二次審査のパートナーであり、演者だ。
シマちゃんに優勝してもらうためにも、シマちゃんの意図や観客の声をくみ取って、少しでも高得点につながるようなパスをしなければ。
とりあえずは、シマちゃん自身に《彼氏なんていないよ》と、嘘でもきっぱりと宣言させてガチ恋ファンの票を取りに行こう!)
俺の質問が正解だったのか、シマちゃんは丁度観客から見えない方の目でウインクをしてきた。
(お、なるほど…、これがコンテストにおける俺達の《ナイス!!》の合図って事だな。)
「いや、実は僕、彼氏とか今まで出来た事も無いし、これからも一生作るつもりがないんだよね…。だって僕は、その…すずめちゃんさえずっとそばにいてくれたら、それで大満足なんだもん♡」
そう言って、俺に抱き着いたままのシマちゃんが、俺の頬にすりすりと自分の頬を押し付けて来ると、観客から怒号のような歓声?というか雄たけびが聞こえてきた。
『ぎえええぁぁあぁあああああああああ!!!!』
『ゆ、ゆ、百合だあぁぁぁぁ!!!!!』
『《〇×大学の白百合》様だぁぁぁ!!!』
『んがわいいいいぃいいぃ~~~!!』
『あそこからフローラルないい匂いがするぞぉぉぉ!!!』
『一生幸せになってくれええぇえ!!』
『S・I・M・Aちゃん!!♡S・U・Z・U・M・Eちゃん!!♡』
(うわ、なんだ…?まだ正式な告白をしていないのに、ものすごい歓声だ…。)
この異常な位大きい歓声がシマちゃんが俺に頬ずりをしてきたタイミングでおこった出来事だったのを考えると、どうやら俺達がいちゃいちゃすると喜ぶ人達が結構いるらしいな。
他人がいちゃいちゃしてるのを見て喜ぶだなんて俺にはあまり理解できないが、ついさっきもひなとテニサー男がキスをしてやたら喜ぶ人達もいたし、何も不思議な事ではないか…。
(よし、そうと決まれば、俺がやるべき事は一つ。この審査ではただひたすらシマちゃんといちゃついている所を観客達に見せればいいんだ!)
シマちゃんも俺と同じ考えのようで、観客の反応に気を良くしてさらに強く俺にぎゅっと抱きついた後、近くに舞台装置として備え付けのベンチに俺と手を繋いで一緒に仲良く腰をかけ、俺の顔をみつめながら続きを話し始めた。
(いや、それだけ俺の事を好きでいてくれる家族がいるのは幸せな事なんだけどな?)
ただ、俺の容姿が世間一般の評価で言うと、実は微妙だったのだと気づいたのは幼少期のひながきっかけで、危うく自分が美人だと勘違いしたまま大人になって、白い目を向けられる惨状にならずに済んだ事に関してだけは奴に感謝している。
……とまぁ、俺の話はひとまずおいておくとして………周囲の声に負けないように、ピンと背筋を伸ばして堂々とシマちゃんの所にたどり着いた俺は、楽しそうな満面の笑みを浮かべたシマちゃんとようやっと向き合ったのだった。
「すずめちゃん!来てくれてありがと…!とても嬉しいよ♪」
「俺の方こそシマちゃんに呼んで貰えて嬉しい。でも相手役、友達の俺でよかったの?シマちゃんくらい可愛かったら、その…素敵な彼氏さんとかいたりするでしょ?」
シマちゃんが歓迎の声をあげながら、いつもの如く俺に抱き着いてきたので、俺はそれを受け入れつつ、シマちゃんに彼氏の有無を質問する。
(ステージに上がった以上は俺もシマちゃんの第二次審査のパートナーであり、演者だ。
シマちゃんに優勝してもらうためにも、シマちゃんの意図や観客の声をくみ取って、少しでも高得点につながるようなパスをしなければ。
とりあえずは、シマちゃん自身に《彼氏なんていないよ》と、嘘でもきっぱりと宣言させてガチ恋ファンの票を取りに行こう!)
俺の質問が正解だったのか、シマちゃんは丁度観客から見えない方の目でウインクをしてきた。
(お、なるほど…、これがコンテストにおける俺達の《ナイス!!》の合図って事だな。)
「いや、実は僕、彼氏とか今まで出来た事も無いし、これからも一生作るつもりがないんだよね…。だって僕は、その…すずめちゃんさえずっとそばにいてくれたら、それで大満足なんだもん♡」
そう言って、俺に抱き着いたままのシマちゃんが、俺の頬にすりすりと自分の頬を押し付けて来ると、観客から怒号のような歓声?というか雄たけびが聞こえてきた。
『ぎえええぁぁあぁあああああああああ!!!!』
『ゆ、ゆ、百合だあぁぁぁぁ!!!!!』
『《〇×大学の白百合》様だぁぁぁ!!!』
『んがわいいいいぃいいぃ~~~!!』
『あそこからフローラルないい匂いがするぞぉぉぉ!!!』
『一生幸せになってくれええぇえ!!』
『S・I・M・Aちゃん!!♡S・U・Z・U・M・Eちゃん!!♡』
(うわ、なんだ…?まだ正式な告白をしていないのに、ものすごい歓声だ…。)
この異常な位大きい歓声がシマちゃんが俺に頬ずりをしてきたタイミングでおこった出来事だったのを考えると、どうやら俺達がいちゃいちゃすると喜ぶ人達が結構いるらしいな。
他人がいちゃいちゃしてるのを見て喜ぶだなんて俺にはあまり理解できないが、ついさっきもひなとテニサー男がキスをしてやたら喜ぶ人達もいたし、何も不思議な事ではないか…。
(よし、そうと決まれば、俺がやるべき事は一つ。この審査ではただひたすらシマちゃんといちゃついている所を観客達に見せればいいんだ!)
シマちゃんも俺と同じ考えのようで、観客の反応に気を良くしてさらに強く俺にぎゅっと抱きついた後、近くに舞台装置として備え付けのベンチに俺と手を繋いで一緒に仲良く腰をかけ、俺の顔をみつめながら続きを話し始めた。
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