こっち見てよ旦那様

文字の大きさ
33 / 219
11 発情期 🔞

.

しおりを挟む


「潤也さん…っ、もっと」


予定より早く発情期が来てしまった。
まだ番ではないのに彼が恋しい。

先程渡された上着と一緒に潤也さんに抱きつき、彼の匂いを堪能する。
いい匂い、この匂いに包まれていると幸せだ。僕のもの、印をつけるように額を擦り付け彼にしがみつくように足を絡める。

「透…動けないんだが。…これでは俺が限界になってしまう」

「ごめんなさい…いい匂いだったのでつい」

我に返って彼を解放する。少しでも彼が離れてしまうのは心苦しい。
少し寂しく思っていると口付けられて頬を撫でられる。

「そんな顔をするな。…服を脱ぎたい」

体を起こしてシャツのボタンを外していく潤也さん。外していく度に隙間から肌が覗いて何と言うか、惹かれる。
ふと、目を落とすと彼のズボンの張りに気がつく。

あれが欲しい。
自分を体を起こすと彼の下腹部へ移動しベルトを外す。
ここから、濃い匂いがする。

「お、おい…透…?」

ズボンのチャックを下ろし、下着越しにその大きな膨らみに頬擦りする。
大きく脈打っていて、熱い。これが僕に欲しいものをくれる。
ぺろりと思わず舌を這わせると、自分の唾液かまたは滲み出ているのか、彼の体液が彼の下着にシミを作る。

耐えきれずに下着も下ろそうとした所、ふいに肩を捕まれ再び押し倒されてしまう。

「仕返しだ。…俺だって興奮してるんだ」

彼の余裕のなさそうな囁きに体が震える。パジャマのチャックを下ろされて露になった胸や腹に彼が顔を埋めて舌を這わせていく。

潤也さんの触るどこもかしこが気持ちよくて、身をよじらせる。
気持ちいいのに、欲しいのはそこじゃない。

「潤也さん…、我慢できない…っ」

耐えきれずに強請ると息の荒い彼が笑みを浮かべ、ズボンと下着をゆっくり下ろす。
もう自分の下着がぐちゃぐちゃなのは分かる。

「凄いな…」

そうまじまじ見られると、発情しているとはいえ少し恥ずかしいものだ。
そう思っているとふいに腰を持ち上げられ、彼が屈み込んだと思えば自分の後を舌で解し始めた。
じゅる、じゅるっ、と愛液を啜り中の浅い所を掻き回す。

「っあ、ひ…ゃ、…っ、やぁ」

気持ちよさと恥ずかしさが混じって興奮すると同時に、苦しいくらいの快感が体を巡る。

「…もう柔らかい。…俺が本当に限界だ、もう大丈夫か?…無理そうなら」

掻き回されるのをやめて、何も入っていない後ろは切ないほど物足りない。
欲しい、欲しくてたまらない。

「無理じゃない…っ、はやく…はやく欲しい」

足で彼の腰を引き寄せ懇願する。
噛んでほしい、入れて欲しい、抱きしめて、キスして、優しくなんてしないで。
言いきれないほどお願いは沢山ある。全部彼にして欲しい。
まだ1週間もあるはずなのに、今すぐ欲しいと願ってしまう。

「本当にいいんだな。…だから急かすな」

ゴリゴリと膨らみが当たる。
彼が下着を脱ぐのをまだかまだかと待つ。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

運命じゃない人

万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。 理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...