83 / 149
冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 28
しおりを挟む
集落の鑑定士が、鑑定の道具である小さな水晶玉を幾つか集落の隅に起き、燃えた大木のところで大きな水晶玉を両手で持って呪文を唱える…その中に、鑑定結果が見えたのだろう、目を大きく見開き、口もあんぐりと開き、やがて何かを訴えるようにこちらを見てきた。
「どうした?何をそんなに驚いているんだ。早く説明しないか」
鑑定の準備中、守衛達と軽い自己紹介をした。
俺達に話をしていたのが、ここの守衛の隊長で、アレンさん、蜘蛛絹の里の長老のお孫さん。ここの守衛は、蜘蛛絹の里の出の者達で組んでいるそうだ。
そのアレンさんが、鑑定士のジモンさんに声をかけた。
ジモンさんは、アレンさんをみて、口を動かしたが上手く言葉が出て来ないでいる。
「シス様の加護が付いているのでは?」
そう言うと、ジモンさんは、頷いてくれたが、更に…
「そっ、それも付いているんですが…五柱の神の加護が付いたことにより、ここが聖域になってます!」
「はぁ?」
ん?何故だ?ここは、闇の精霊と地の精霊の加護の土地だ。そこにシスがちょっかいをかけただけのハズでは?
「せっ、聖域って、確か、地上での神の住まいの事を言うんじゃなかったか?」
「そっ、そう聞いてます。ですから、地上のモノは何人たりとも手出しは出来ない場所となると…」
「なんで、俺達はそんな中にいるんだ?」
「さ、さぁ、そこまでは、鑑定できません」
「五柱の加護ってどなたです?」
「え?ああ、シス様にガラン様、モンディール様、ヘパイトス様に…ユピロー様です…」
ひいばあちゃんだけじゃなく、じいちゃんまで…ユピローの権限で、地竜の剣に付与でもしていたのか?
「んん?確か、ディルさんとリョウ君は、ユピロー様の加護が、クラリーちゃんには、モンディール様の加護がついているのでしたっけ?」
「ええ、まぁ…」
「どういう繋がりか、お聞きしても?」
さて、どうしようか…
「「「……」」」
取り敢えず、じいちゃんの事と、リョウが転異者の人族であることを伝える。
「あっ、確かに、人族だ。先ずは、そこに焦点を当てなきゃいけなかったハズなのに…」
「え?人族?転異者?…人族でここに来れる奴が…しかも、ユピロー様の加護が…」
「あまりに、普通にしてるから、精霊属の人形だと思っていた…」
「そして、ユピロー様のお孫さんですか…、さすが、ウィル族ですね…」
「そのお陰で、ここが、聖域に…」
俺達の話を聞いて、守衛達は何故か遠い目をして呟いている。
「え?何、この扱い?僕達って、どんな存在なの?」
何か面白そうだと、獣人族とリョウが後ろからついてきていたのだが、自分の事を話す守衛達の態度が気になったようだ。
「え?リョウ君って、魔族とかじゃないのか?」
「うんん、人間だよ。異世界から迷いこんで来たんだけどね」
「転異者…魔力量が多いのは、そのためか…しかも、魔力の質も、何か違うような…」
「こりぁ、リーダーがどう頑張っても、地竜の剣様は、首を縦に振らんな。異世界人は、とんでもない力を持っている事があるというし」
「だな、更には、ユピロー様のお孫さんに、モンディール様の加護持ち。シス様やガラン様とも、交流があるらしい」
「兄様方その方々を怒らせる前に、手を引いた方が良くないですか?」
「「「!」」」
「だな!リーダーを止めないとー」
獣人族の冒険者達は、リョウの事を聞き、リーダーを止めるために、支所にとんで行った。
「えーと、僕って、とんでもない力を持ってるの?」
「いや、俺に聞かれても分からん。ただ、転異者は、時々、とんでもない能力を持つことがあるとされているけどな。もしかしたら、神器である地竜の剣は、その可能性を、見つけたのかもしれない」
「え?僕が太刀をふるうの?」
「あくまで、可能性だ」
「太刀か、確かに、扱えたらカッコいいけど…修行について行けるかな?」
「元々、身体を動かすのは好きなんだろ?大丈夫じゃないか?」
「そりゃぁ、運動は好きだけど…剣道とか習っている友達の話はそれだけじゃなかった気がする…」
「そうなのか?ここじゃ、太刀持ちは、ほとんどいないからなぁ…修行するとなったら、獣人族の大陸、ゲトーか、鍛冶師がいるマクー大陸か?」
はぁ…更に、冒険の目的が変わってきたぞ…
あっ、しまった。ため息は、つかないようにしないとな…
「どうした?何をそんなに驚いているんだ。早く説明しないか」
鑑定の準備中、守衛達と軽い自己紹介をした。
俺達に話をしていたのが、ここの守衛の隊長で、アレンさん、蜘蛛絹の里の長老のお孫さん。ここの守衛は、蜘蛛絹の里の出の者達で組んでいるそうだ。
そのアレンさんが、鑑定士のジモンさんに声をかけた。
ジモンさんは、アレンさんをみて、口を動かしたが上手く言葉が出て来ないでいる。
「シス様の加護が付いているのでは?」
そう言うと、ジモンさんは、頷いてくれたが、更に…
「そっ、それも付いているんですが…五柱の神の加護が付いたことにより、ここが聖域になってます!」
「はぁ?」
ん?何故だ?ここは、闇の精霊と地の精霊の加護の土地だ。そこにシスがちょっかいをかけただけのハズでは?
「せっ、聖域って、確か、地上での神の住まいの事を言うんじゃなかったか?」
「そっ、そう聞いてます。ですから、地上のモノは何人たりとも手出しは出来ない場所となると…」
「なんで、俺達はそんな中にいるんだ?」
「さ、さぁ、そこまでは、鑑定できません」
「五柱の加護ってどなたです?」
「え?ああ、シス様にガラン様、モンディール様、ヘパイトス様に…ユピロー様です…」
ひいばあちゃんだけじゃなく、じいちゃんまで…ユピローの権限で、地竜の剣に付与でもしていたのか?
「んん?確か、ディルさんとリョウ君は、ユピロー様の加護が、クラリーちゃんには、モンディール様の加護がついているのでしたっけ?」
「ええ、まぁ…」
「どういう繋がりか、お聞きしても?」
さて、どうしようか…
「「「……」」」
取り敢えず、じいちゃんの事と、リョウが転異者の人族であることを伝える。
「あっ、確かに、人族だ。先ずは、そこに焦点を当てなきゃいけなかったハズなのに…」
「え?人族?転異者?…人族でここに来れる奴が…しかも、ユピロー様の加護が…」
「あまりに、普通にしてるから、精霊属の人形だと思っていた…」
「そして、ユピロー様のお孫さんですか…、さすが、ウィル族ですね…」
「そのお陰で、ここが、聖域に…」
俺達の話を聞いて、守衛達は何故か遠い目をして呟いている。
「え?何、この扱い?僕達って、どんな存在なの?」
何か面白そうだと、獣人族とリョウが後ろからついてきていたのだが、自分の事を話す守衛達の態度が気になったようだ。
「え?リョウ君って、魔族とかじゃないのか?」
「うんん、人間だよ。異世界から迷いこんで来たんだけどね」
「転異者…魔力量が多いのは、そのためか…しかも、魔力の質も、何か違うような…」
「こりぁ、リーダーがどう頑張っても、地竜の剣様は、首を縦に振らんな。異世界人は、とんでもない力を持っている事があるというし」
「だな、更には、ユピロー様のお孫さんに、モンディール様の加護持ち。シス様やガラン様とも、交流があるらしい」
「兄様方その方々を怒らせる前に、手を引いた方が良くないですか?」
「「「!」」」
「だな!リーダーを止めないとー」
獣人族の冒険者達は、リョウの事を聞き、リーダーを止めるために、支所にとんで行った。
「えーと、僕って、とんでもない力を持ってるの?」
「いや、俺に聞かれても分からん。ただ、転異者は、時々、とんでもない能力を持つことがあるとされているけどな。もしかしたら、神器である地竜の剣は、その可能性を、見つけたのかもしれない」
「え?僕が太刀をふるうの?」
「あくまで、可能性だ」
「太刀か、確かに、扱えたらカッコいいけど…修行について行けるかな?」
「元々、身体を動かすのは好きなんだろ?大丈夫じゃないか?」
「そりゃぁ、運動は好きだけど…剣道とか習っている友達の話はそれだけじゃなかった気がする…」
「そうなのか?ここじゃ、太刀持ちは、ほとんどいないからなぁ…修行するとなったら、獣人族の大陸、ゲトーか、鍛冶師がいるマクー大陸か?」
はぁ…更に、冒険の目的が変わってきたぞ…
あっ、しまった。ため息は、つかないようにしないとな…
0
あなたにおすすめの小説
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる