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本編〜アリアベル編〜
0.プロローグ ※
しおりを挟む荒い息遣いと、か細く上がる喘ぎ声。
夫婦の寝室のベッドは軋み、二人は互いを求め合い口付けあう。
「あ……ふ…、んっ、や、んんっ……」
「声、我慢しないで。聞かせてほしい」
「ひっ、やぁ、ああっダメです……っ、そこはっ」
「ああ、ベルのイイとこ、かな」
「でん、か」
「テオ、だよ。ベル」
「テ、オ……、も、っ」
瞳を潤ませ懇願するように縋って来る瞬間にゾクリとしながら、男──テオドールは笑みを浮かべ律動を早めた。
「あっ、ん、あぁ、も、テオ……っ、っぁあっ」
「ベル……っ」
互いの指を絡ませ、噛み付くように深く口付けあい、二人は同時に高みに昇り、最高潮に達したところでテオドールは妻の中で子種を爆ぜさせた。
更にゆっくりと二度、三度揺すり、最後の一滴まで注いでいく。
啄むように、また深く口付け、息を整え、妻──アリアベルの額に張り付いた髪を避け、そこにも口付けた。
アリアベルも気怠くテオドールの背中に腕を回し、余韻に浸った。しっとりと汗ばむ感触にじわりと涙が溢れる。
「ベル、泣いてるの?」
「ん……、泣いてないわ……」
「かわいい……。愛しているよ」
「私も……愛しているわ」
眦に溜まった雫に口付け、吸い取っていく。
それは愛し合う二人の儀式のようだった。
その後も口付けを繰り返し、互いに触れ合っていると中に入ったままのモノの質量が増していく。
「テオ、あの……」
「…ん、もう一回、付き合って」
愛しの人の言葉にアリアベルはほんのり顔を赤らめ、再び律動が開始されると、息も絶え絶えに喘ぐしかなかった。
翌朝、アリアベルが目を覚ますと、しっかりと抱き締められたままだった。
穏やかに寝息を立てるテオドールを見ていると、わけもなく泣きたくなる。
ゆっくりと頬に触れ、撫でる瞬間に幸せを感じるのだ。
(愛している……)
そう、思いながら自身のお腹に手をやった。
(どうして……)
不甲斐ない自身を呪い、テオドールに対し申し訳無さが募る。
唇を噛み締め、彼の胸に顔を埋めるとまだ寝ているはずなのに力強く抱き寄せられた。
それがまた、幸せで、悲しく、辛いのに愛しい気持ちを止まらなくさせた。
二人は、愛し合う夫婦だ。
夫婦となって三年が経過しようとしている。
だが、未だ子がいなかった。
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