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第4章 新たな出会いと共同作業
67話 晴れ模様の空
「一度でも絶望の淵に落とされて、復讐に身を投じて、王子の座を取り戻した。そしてこの国で俺に楯突くものは誰もいなくなった。また、幼少期の孤独感に、いや、あの時以上の孤独感を感じていた。誰も信用出来ない。毎夜毎夜襲い来るあの時の悪夢。もう全てが嫌になった。全て捨てて逃げたくなった。だから魔女の森に入った」
苦しみ、痛み、怒り、恐怖。言葉では形容できない様々な感情が浮き出るサンの表情を俺はただただ見つめることしか出来ない。
「魔女の森なら、魔女なら楽にしてくれると思ったんだ。禁忌魔法を使える魔女ならきっと、この治癒魔法が効かないくらい強力な魔法を使えると思ったから」
「……そんな、こと、思って……」
あの時の出会いにそんな背景があったなんて。
「魔女の森は魔獣の巣窟で、俺の体を貪って来るけれど、治癒魔法が勝ってしまう。死ねないまま迷路のような森を這いずり回る日々」
「……だからマントに血がついてたんだ」
身につけたお守り代わりになっている白い絹布をぎゅっと握る俺を見て、サンは苦笑しながら語りを続ける。
「地獄から逃げ出して入ったそこも、自分の呪いを痛感させてくる地獄だった。そんな時、森の奥の方に灯りを見たんだ」
「……それって」
俺がハッとしてサンの青い瞳を覗けば、憂いを帯びていた彼の表情が、太陽のような笑顔になっていた。
俺の好きなサンの表情だ。
……俺の好きな?
咄嗟に出てきたその言葉に何か引っかかってしまう。
何故か身体まで熱くなってくる。
いや、これはただ単純な好きであって、変な意味じゃない。
でも、何故かサンの顔を見れなくなって視線を逸らす。
「リヨの工房の炉からこぼれた真っ赤な光だ。死にたかったはずなのに、俺は何故か一身にその灯りの方へ走っていた」
優しい声音。
静かに、でも強引に顎を掴まれて俺はまたサンの瞳に閉じ込められる。
「しかし、魔法を使いすぎて、睡魔が襲いかかってきて、倒れてしまってな。目覚めた時、俺の上に乗っていた魔女らしき存在は、俺の想像を超える大物だった」
「お、大物って……」
「安心しろ、褒めている」
「褒めてんのか……?」
膨れた面を見せれば、サンは吹き出して無邪気に笑う。
顎を掴まれたまま、親指で優しく唇に触れてくる。
「魔法も使えないのにあんな凶悪な森で暮らす、間抜け面の異世界人」
マヌケづら……好き勝手なこと言いやがって。
なんて思う反面、それを語るサンの表情はとても柔らかいから、それが俺を揶揄うものだって分かってしまう。
サンは悪戯好きな子どものようなら笑みを浮かべながら、温かい指先で俺の唇をまたゆっくりなぞった。
「お前は俺を殺す素振りを一切見せず、あろうことか謎飯を食わせ、3日も放ったらかした。俺に見向きもせず」
超、根に持ってる……。
思う存分ガラス細工に向き合えるっていう解放感が凄かったから。
なんて俺の言い訳する隙もなく、サンはどんどん畳み掛けていく。
「そして俺が昔描いた王冠の絵をかぼちゃだと言う変な奴」
「え、あれ、王冠だったのか?!」
サンが笑っていたから、あの懐中時計の絵はかぼちゃで正解だと、俺は言い当てれたのだと思っていたのに。
普通に間違ってるじゃないか。
それで、勢いに乗ってかぼちゃのランタンも作って、ドヤ顔で渡して。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
あの時のことを知れば知るほど、自分が色々やらかしたんだってことに気付かされていく。背中がヒヤリとするのが分かる。
顔を隠そうと手を近くに持ってくると、凄い勢いで俺の両腕はサンに掴まれて、ソファに押し付けられる。
身動きが取れず、隠したい赤面は露わにされる。
サンは満足気に口角を上げると、俺を捕まえる手に更に力を入れた。
「そんなお前に、俺は興味を持った。お前を知りたい、その欲求が湧いた。3日眠って目覚めた時、俺は初めて目覚めて良かったと、もっとこの目を開けていたいと思ったんだ。お前への好奇心が俺に生きる意味を与えてくれた」
その言葉の重さに、俺は思わず目を見開いた。
そんなのまるで、ガラス細工以前に俺自身がサンを……
「そうだ。ガラス細工に出会う前にも他でもないお前に、リヨに救われてるんだ」
サンの大きな手が俺の頬を包む。はにかんで囁くように語る。
「まあ、お前はその後、とんでもない魔法……技術で俺をまた救ってくれるワケだが。昨夜語ったが、もっと話してやろうか?」
挑発的な彼の面持ちは色気を孕んでいて、その魅力に心臓が張り裂けそうなほど大きく鳴り響く。
「分かった分かったから!」
「何が分かった?」
「……えっと」
サンの醸し出すオーラに気圧されて咄嗟に出た言葉だから、追及されると言葉が出てこない。
それを察したのか、サンは小さく息を吐いて強い眼差しを向けた。
「俺を救ったのは?」
その問いは、裏返しに俺の気付きを問うもので、気付かな振りをすることを許さない。
「……俺、です」
「上出来だ」
サンはクシャリと笑うと、頬に当てられた彼の手は俺の額の輪郭をなぞる。
「かつて俺を苦しめた国の英雄たちの子? 俺はリヨという存在に救われたんだ」
その言葉が真っ直ぐ胸の奥に突き刺さって、俺の不安を壊していく。
「もしお前の父上がガラスを持ち込まなけば、俺が苦しむことはなかった? そんなタラレバから生まれた罪悪感と事実を当たり前のように並べて比較するな」
ヒビが入った隙間から、更に深くに届いて染み込んでくる。
「お前の父上がお前に伝えたその技術が俺を救ったんだ」
その言葉で全ての不安感が粉々に割れたような気がした。
「ずっと言っているだろう?俺を救ったのは他でもない。リヨとリヨの作品なんだ」
「……サン」
また、サンの言葉に救われる。
また、サンは俺の存在意義を、俺に作る意味を与えてくれる。
溢れ出る涙を何とか堪える。涙が零れにくい仰向けの姿勢でよかった。
そうやって何とか込み上げる熱い水粒を抑えていると、サンが俺の手を掴んで勢いよく引っ張って、俺の身体を起き上がらせた。
その拍子に一滴の熱が頬を伝ったのを感じる。
サンはそれを拭い、その場からゆっくりと立ち上がってソファに座る俺の前に立った。
「過去は過去。それは変えられない事実だ。
そして、今、俺を救ったのも事実だ。
お前がいたからコレを持ってる俺がいる。
事実だけに目を向けろ」
サンは腰に携えていた剣を取って俺に見せてくれる。
金色の装飾の鞘に入った重たそうな剣。
ガラスの破片で小さな子どものように怯えていたサンが、その尖った凶器を手にしているのを見て俺はごくりと息を飲んだ。
「確かに俺はガラスがきっかけでコレを握れなかった。でも、お前がいてくれるなら大丈夫だと思えるんだ」
そう言って、サンは俺に鞘に入ったままの剣を差し出してきた。
「……え?」
「さあ、これを引き抜いて、俺の肩に置いてくれ」
サンはその場に片膝を立てて座ると、俺の額を見上げて覗いた。
そんなのまるで……漫画に出てくる騎士の叙任式みたいな……
「頼む」
「う、うん」
その瞳があまりにも真っ直ぐで真剣だから、俺は思わず頷いた。
ソファから立ち上がり、ずっしりと重い剣を両手で受け取って、恐る恐る鞘を抜く。
鞘を抜いて刃先をサンに向けて、静かに肩に置く。
サンはトラウマを克服した訳じゃない。
剣先を受け止める肩は震えていて、俺を見る瞳は震え、胸を抑える手には強い力が込められている。
揺らぐ瞳の中でも俺から逸らすまいという強い意志が伝わってくる。
「俺を変えられるのはリヨ、お前しかいない。お前がどんな存在であったとしても、俺の唯一はお前だけだ」
青空を映す瞳と太陽みたいに眩しい笑顔。
それを見た時にはもう既に俺の心の靄は綺麗さっぱりなくなっていた。
彼を……晴れ模様の空を体現するのは俺で、そんな彼を守れるのは俺だ。ルーツとかそんなの関係なく俺だけなんだ。
「ありがと、サン」
俺は目を赤く腫らしながら、今できる最大級の笑顔で笑って見せた。
安心したようにホッと肩を撫で下ろした。
徐ら立ち上がって、俺から受け取った剣を鞘に戻すと、力強く俺の手を引っ張って抱きとめた。
そして至近距離から、美しすぎる造形美が俺の酷い顔を覗き込む。
「よし、いい顔に戻ったな」
嫌味なのか?なんて思ったけれど、彼の顔は真剣だ。
多分、吹っ切れた顔って意味なんだろう。
でも、それにしても。
ずっと思ってたけど、距離近すぎないか?
友達というよりかは、まるで恋人と接するような距離感だ。
王子様だからなのか?いや、王子様なら尚更、危ないだろ!
今になってなんで俺、こんな意識してるんだ!?
吹っ切れたはずなのにまたわけの分からないモノに心が浮ついて閉まっている気がする。
答えの出ない問いを投げ出して、サンの方を見ると彼は瞳をキラキラと輝かせていた。
「では、今日の本題だ」
「本題?」
「おい、まさか忘れてないだろうな? どんな目的で王宮に戻ってきたのか」
ふとサンの右手に視線を移せば、そこには黒い石が見えた。
「あ!」
靄が吹っ切れた今なら、存分に取り組める気がする。
新たに湧いてきたこの気持ちの正体も分かるかもしれない。
苦しみ、痛み、怒り、恐怖。言葉では形容できない様々な感情が浮き出るサンの表情を俺はただただ見つめることしか出来ない。
「魔女の森なら、魔女なら楽にしてくれると思ったんだ。禁忌魔法を使える魔女ならきっと、この治癒魔法が効かないくらい強力な魔法を使えると思ったから」
「……そんな、こと、思って……」
あの時の出会いにそんな背景があったなんて。
「魔女の森は魔獣の巣窟で、俺の体を貪って来るけれど、治癒魔法が勝ってしまう。死ねないまま迷路のような森を這いずり回る日々」
「……だからマントに血がついてたんだ」
身につけたお守り代わりになっている白い絹布をぎゅっと握る俺を見て、サンは苦笑しながら語りを続ける。
「地獄から逃げ出して入ったそこも、自分の呪いを痛感させてくる地獄だった。そんな時、森の奥の方に灯りを見たんだ」
「……それって」
俺がハッとしてサンの青い瞳を覗けば、憂いを帯びていた彼の表情が、太陽のような笑顔になっていた。
俺の好きなサンの表情だ。
……俺の好きな?
咄嗟に出てきたその言葉に何か引っかかってしまう。
何故か身体まで熱くなってくる。
いや、これはただ単純な好きであって、変な意味じゃない。
でも、何故かサンの顔を見れなくなって視線を逸らす。
「リヨの工房の炉からこぼれた真っ赤な光だ。死にたかったはずなのに、俺は何故か一身にその灯りの方へ走っていた」
優しい声音。
静かに、でも強引に顎を掴まれて俺はまたサンの瞳に閉じ込められる。
「しかし、魔法を使いすぎて、睡魔が襲いかかってきて、倒れてしまってな。目覚めた時、俺の上に乗っていた魔女らしき存在は、俺の想像を超える大物だった」
「お、大物って……」
「安心しろ、褒めている」
「褒めてんのか……?」
膨れた面を見せれば、サンは吹き出して無邪気に笑う。
顎を掴まれたまま、親指で優しく唇に触れてくる。
「魔法も使えないのにあんな凶悪な森で暮らす、間抜け面の異世界人」
マヌケづら……好き勝手なこと言いやがって。
なんて思う反面、それを語るサンの表情はとても柔らかいから、それが俺を揶揄うものだって分かってしまう。
サンは悪戯好きな子どものようなら笑みを浮かべながら、温かい指先で俺の唇をまたゆっくりなぞった。
「お前は俺を殺す素振りを一切見せず、あろうことか謎飯を食わせ、3日も放ったらかした。俺に見向きもせず」
超、根に持ってる……。
思う存分ガラス細工に向き合えるっていう解放感が凄かったから。
なんて俺の言い訳する隙もなく、サンはどんどん畳み掛けていく。
「そして俺が昔描いた王冠の絵をかぼちゃだと言う変な奴」
「え、あれ、王冠だったのか?!」
サンが笑っていたから、あの懐中時計の絵はかぼちゃで正解だと、俺は言い当てれたのだと思っていたのに。
普通に間違ってるじゃないか。
それで、勢いに乗ってかぼちゃのランタンも作って、ドヤ顔で渡して。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
あの時のことを知れば知るほど、自分が色々やらかしたんだってことに気付かされていく。背中がヒヤリとするのが分かる。
顔を隠そうと手を近くに持ってくると、凄い勢いで俺の両腕はサンに掴まれて、ソファに押し付けられる。
身動きが取れず、隠したい赤面は露わにされる。
サンは満足気に口角を上げると、俺を捕まえる手に更に力を入れた。
「そんなお前に、俺は興味を持った。お前を知りたい、その欲求が湧いた。3日眠って目覚めた時、俺は初めて目覚めて良かったと、もっとこの目を開けていたいと思ったんだ。お前への好奇心が俺に生きる意味を与えてくれた」
その言葉の重さに、俺は思わず目を見開いた。
そんなのまるで、ガラス細工以前に俺自身がサンを……
「そうだ。ガラス細工に出会う前にも他でもないお前に、リヨに救われてるんだ」
サンの大きな手が俺の頬を包む。はにかんで囁くように語る。
「まあ、お前はその後、とんでもない魔法……技術で俺をまた救ってくれるワケだが。昨夜語ったが、もっと話してやろうか?」
挑発的な彼の面持ちは色気を孕んでいて、その魅力に心臓が張り裂けそうなほど大きく鳴り響く。
「分かった分かったから!」
「何が分かった?」
「……えっと」
サンの醸し出すオーラに気圧されて咄嗟に出た言葉だから、追及されると言葉が出てこない。
それを察したのか、サンは小さく息を吐いて強い眼差しを向けた。
「俺を救ったのは?」
その問いは、裏返しに俺の気付きを問うもので、気付かな振りをすることを許さない。
「……俺、です」
「上出来だ」
サンはクシャリと笑うと、頬に当てられた彼の手は俺の額の輪郭をなぞる。
「かつて俺を苦しめた国の英雄たちの子? 俺はリヨという存在に救われたんだ」
その言葉が真っ直ぐ胸の奥に突き刺さって、俺の不安を壊していく。
「もしお前の父上がガラスを持ち込まなけば、俺が苦しむことはなかった? そんなタラレバから生まれた罪悪感と事実を当たり前のように並べて比較するな」
ヒビが入った隙間から、更に深くに届いて染み込んでくる。
「お前の父上がお前に伝えたその技術が俺を救ったんだ」
その言葉で全ての不安感が粉々に割れたような気がした。
「ずっと言っているだろう?俺を救ったのは他でもない。リヨとリヨの作品なんだ」
「……サン」
また、サンの言葉に救われる。
また、サンは俺の存在意義を、俺に作る意味を与えてくれる。
溢れ出る涙を何とか堪える。涙が零れにくい仰向けの姿勢でよかった。
そうやって何とか込み上げる熱い水粒を抑えていると、サンが俺の手を掴んで勢いよく引っ張って、俺の身体を起き上がらせた。
その拍子に一滴の熱が頬を伝ったのを感じる。
サンはそれを拭い、その場からゆっくりと立ち上がってソファに座る俺の前に立った。
「過去は過去。それは変えられない事実だ。
そして、今、俺を救ったのも事実だ。
お前がいたからコレを持ってる俺がいる。
事実だけに目を向けろ」
サンは腰に携えていた剣を取って俺に見せてくれる。
金色の装飾の鞘に入った重たそうな剣。
ガラスの破片で小さな子どものように怯えていたサンが、その尖った凶器を手にしているのを見て俺はごくりと息を飲んだ。
「確かに俺はガラスがきっかけでコレを握れなかった。でも、お前がいてくれるなら大丈夫だと思えるんだ」
そう言って、サンは俺に鞘に入ったままの剣を差し出してきた。
「……え?」
「さあ、これを引き抜いて、俺の肩に置いてくれ」
サンはその場に片膝を立てて座ると、俺の額を見上げて覗いた。
そんなのまるで……漫画に出てくる騎士の叙任式みたいな……
「頼む」
「う、うん」
その瞳があまりにも真っ直ぐで真剣だから、俺は思わず頷いた。
ソファから立ち上がり、ずっしりと重い剣を両手で受け取って、恐る恐る鞘を抜く。
鞘を抜いて刃先をサンに向けて、静かに肩に置く。
サンはトラウマを克服した訳じゃない。
剣先を受け止める肩は震えていて、俺を見る瞳は震え、胸を抑える手には強い力が込められている。
揺らぐ瞳の中でも俺から逸らすまいという強い意志が伝わってくる。
「俺を変えられるのはリヨ、お前しかいない。お前がどんな存在であったとしても、俺の唯一はお前だけだ」
青空を映す瞳と太陽みたいに眩しい笑顔。
それを見た時にはもう既に俺の心の靄は綺麗さっぱりなくなっていた。
彼を……晴れ模様の空を体現するのは俺で、そんな彼を守れるのは俺だ。ルーツとかそんなの関係なく俺だけなんだ。
「ありがと、サン」
俺は目を赤く腫らしながら、今できる最大級の笑顔で笑って見せた。
安心したようにホッと肩を撫で下ろした。
徐ら立ち上がって、俺から受け取った剣を鞘に戻すと、力強く俺の手を引っ張って抱きとめた。
そして至近距離から、美しすぎる造形美が俺の酷い顔を覗き込む。
「よし、いい顔に戻ったな」
嫌味なのか?なんて思ったけれど、彼の顔は真剣だ。
多分、吹っ切れた顔って意味なんだろう。
でも、それにしても。
ずっと思ってたけど、距離近すぎないか?
友達というよりかは、まるで恋人と接するような距離感だ。
王子様だからなのか?いや、王子様なら尚更、危ないだろ!
今になってなんで俺、こんな意識してるんだ!?
吹っ切れたはずなのにまたわけの分からないモノに心が浮ついて閉まっている気がする。
答えの出ない問いを投げ出して、サンの方を見ると彼は瞳をキラキラと輝かせていた。
「では、今日の本題だ」
「本題?」
「おい、まさか忘れてないだろうな? どんな目的で王宮に戻ってきたのか」
ふとサンの右手に視線を移せば、そこには黒い石が見えた。
「あ!」
靄が吹っ切れた今なら、存分に取り組める気がする。
新たに湧いてきたこの気持ちの正体も分かるかもしれない。
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