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サルベネス王国の章
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サルベネス王国は、フィアス連邦と並び立つ、砂漠の国。
”機神オルガル”の発見により、魔力を兵器に転用する”魔導兵器”の開発に着手。その威力で、各国から恐れられていた。
そんなサルベネス王国の、王都を遠巻きに囲む城壁の前に、魔王エルデネスが現れる。
砂風に黒い外套を揺らし、制帽のつばで目を隠しながら。
やがて、顔を上げ、”紅蓮砲””迫雷砲””豪氷砲”の照準を向けている、城壁上に呼びかけた。
「サルベネス王国よ!余は、魔王エルデネス。この国を支配しに参った。降伏すればよし、抵抗するなら、存分に攻撃を」
言って、自分に口を開ける、三つの大砲を見、
「それは、君たちの大砲か?遠慮なく撃ちたまえ。ただし、しくじらない事だな」
「しくじるな、だと?」と、城壁の上で反応したのは、機工長ロンドだ。魔導技術、魔導兵器の第一人者。青色の作業服を着、ゴーグルを額にかけた、白髪、白髭ながら、まだ精力のありそうな男だ。
「この俺の発明に”しくじるな”とは!フラウベルのように行くと思ったら大間違いだぞ!魔王!」
と、叫ぶが、眼下のエルデネスは、突っ立ったまま。
「チッ。……どうします、ルザミネ様」
「撃てというのだ。撃てばよかろう」
ロンドの隣に居るのは、褐色肌の女性、サルベネスの将軍、ルザミネだ。彼女は麗しい藍色の髪を、風にはためかせながら言う。
「三砲、放て!」
と、砲口に数秒、魔法陣が現れる。それに渦巻くように、魔力が集まったと思ったら、次の瞬間、轟音が、三つ揃って轟いた。
炎、雷、氷。
エルデネスが、左手をスッと上げる。
「”ジーナ”」
◇
干渉魔法:ジーナ
エルデネスの魔法。相手の魔法に魔力を侵入させ、暴発させる。
敵の魔法を探る事で、術者に新たな発見がある事も。
◇
エルデネスの手から、三つの、紫のヘビのような魔力が放たれる。
それは三つの砲弾に潜り込み、乗っ取って――次の瞬間、暴発させた。
爆発音がし、砲弾に込められた火、雷、氷が、砂漠の中に散ってゆく。
「ふむ。相手の魔法用の魔法、なのだが。やはりその砲弾にも効くようだ」
「ば、馬鹿な!暴発させた、のか?」
「読まれたのか、俺の技術が?」とロンドがよろめく。
”機神オルガル”の発見により、魔力を兵器に転用する”魔導兵器”の開発に着手。その威力で、各国から恐れられていた。
そんなサルベネス王国の、王都を遠巻きに囲む城壁の前に、魔王エルデネスが現れる。
砂風に黒い外套を揺らし、制帽のつばで目を隠しながら。
やがて、顔を上げ、”紅蓮砲””迫雷砲””豪氷砲”の照準を向けている、城壁上に呼びかけた。
「サルベネス王国よ!余は、魔王エルデネス。この国を支配しに参った。降伏すればよし、抵抗するなら、存分に攻撃を」
言って、自分に口を開ける、三つの大砲を見、
「それは、君たちの大砲か?遠慮なく撃ちたまえ。ただし、しくじらない事だな」
「しくじるな、だと?」と、城壁の上で反応したのは、機工長ロンドだ。魔導技術、魔導兵器の第一人者。青色の作業服を着、ゴーグルを額にかけた、白髪、白髭ながら、まだ精力のありそうな男だ。
「この俺の発明に”しくじるな”とは!フラウベルのように行くと思ったら大間違いだぞ!魔王!」
と、叫ぶが、眼下のエルデネスは、突っ立ったまま。
「チッ。……どうします、ルザミネ様」
「撃てというのだ。撃てばよかろう」
ロンドの隣に居るのは、褐色肌の女性、サルベネスの将軍、ルザミネだ。彼女は麗しい藍色の髪を、風にはためかせながら言う。
「三砲、放て!」
と、砲口に数秒、魔法陣が現れる。それに渦巻くように、魔力が集まったと思ったら、次の瞬間、轟音が、三つ揃って轟いた。
炎、雷、氷。
エルデネスが、左手をスッと上げる。
「”ジーナ”」
◇
干渉魔法:ジーナ
エルデネスの魔法。相手の魔法に魔力を侵入させ、暴発させる。
敵の魔法を探る事で、術者に新たな発見がある事も。
◇
エルデネスの手から、三つの、紫のヘビのような魔力が放たれる。
それは三つの砲弾に潜り込み、乗っ取って――次の瞬間、暴発させた。
爆発音がし、砲弾に込められた火、雷、氷が、砂漠の中に散ってゆく。
「ふむ。相手の魔法用の魔法、なのだが。やはりその砲弾にも効くようだ」
「ば、馬鹿な!暴発させた、のか?」
「読まれたのか、俺の技術が?」とロンドがよろめく。
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