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サルベネス王国の章
3.
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「ふむ。振られてしまったようだ。……今の所は、な」
「今も未来もあるか!貴様なぞお断りだ!」
「そうか。では精々、勝って戴くとするかな」
「勝って戴く……?」
「機神とやらはまだか」
「今、来る!」
ルザミネが、ロンドを見上げる。ロンドは、腕で丸を作って、その成功を示した。
エルデネスの足元に、振動が伝わる。城壁の反対側を見れば、砂漠に、巨大な影。
「これが”機神オルガル”だ!妙な事を言いおって!消え去るがいい!」
ルザミネが、城壁側に駆け戻る。
機神オルガルは、二足歩行の巨人、のようだった。身体が球体で、肩当てのように、紫の結晶を、無数に突き出させている。
オルガルの、頭、胸、両肩、両手に、魔法陣が現れる。次の瞬間、それらが一斉に火を吹いて、紫のエネルギーをエルデネスに集中させる。
周囲の砂が、一瞬で蒸発する。
「見たか、魔王!」
「いつみてもすげぇ!」
と、ルザミネ、ロンドが興奮する。
光りの中に、エルデネスが消えた。――かに、思われたが。
「”バッシュ”」
オルガルの攻撃が、返る。
だけでなく、エルデネスは、右手を出したまま、
「”ベノム・ボム”」
◇
破裂魔法:ベノム・ボム
身体を内側から破裂させる。
「ベノム」という魔法を、エルデネスが改良した。ちなみに「ベノム」は身体の内側を破壊し、血を吐いて死なせる禁断の魔法。
◇
次の瞬間。オルガルの身体が、少し膨張したと思ったら、輪状の衝撃波を発して、その身を爆発させた。
「召喚獣は、いつも、大きさばかりで大した事ないな」
「お、オルガル!」
「オルガルッ!」
衝撃波が、止み。
破片が、飛び散り終わり。
エルデネスの周囲に、足元だけ無事な、クレーターができている。エルデネスの身体が、ふわりと浮く。城壁側の、無事な地面に着地すると、彼は見上げた。
「今のは”ベノム・ボム”という魔法だ。”ベノム”という魔法なら、聞いたことがあるだろう?あれを、余が改良した。”ベノム”は内臓がある相手にしか効かないが、”ベノム・ボム”は万物に通用する。……魔法に興味があるのだろう?参考になったかね?」
「ベノムを改良……?」
と、ロンドが身を乗り出してしまう。
「万物に?そりゃ、魔力の作用方法が違うのか?」
「ロンド!」
「良いではないか」
窘めるルザミネに、微笑むエルデネス。
「探求心、好奇心、興味。魔界の者たちはよく人間を侮るが、余はそうは思わない。この国然り、フラウベルの”騎士道”然り、捨てたものではない、と思っている」
「だからこそ、余は欲しい」と、エルデネスは続けた。
「今も未来もあるか!貴様なぞお断りだ!」
「そうか。では精々、勝って戴くとするかな」
「勝って戴く……?」
「機神とやらはまだか」
「今、来る!」
ルザミネが、ロンドを見上げる。ロンドは、腕で丸を作って、その成功を示した。
エルデネスの足元に、振動が伝わる。城壁の反対側を見れば、砂漠に、巨大な影。
「これが”機神オルガル”だ!妙な事を言いおって!消え去るがいい!」
ルザミネが、城壁側に駆け戻る。
機神オルガルは、二足歩行の巨人、のようだった。身体が球体で、肩当てのように、紫の結晶を、無数に突き出させている。
オルガルの、頭、胸、両肩、両手に、魔法陣が現れる。次の瞬間、それらが一斉に火を吹いて、紫のエネルギーをエルデネスに集中させる。
周囲の砂が、一瞬で蒸発する。
「見たか、魔王!」
「いつみてもすげぇ!」
と、ルザミネ、ロンドが興奮する。
光りの中に、エルデネスが消えた。――かに、思われたが。
「”バッシュ”」
オルガルの攻撃が、返る。
だけでなく、エルデネスは、右手を出したまま、
「”ベノム・ボム”」
◇
破裂魔法:ベノム・ボム
身体を内側から破裂させる。
「ベノム」という魔法を、エルデネスが改良した。ちなみに「ベノム」は身体の内側を破壊し、血を吐いて死なせる禁断の魔法。
◇
次の瞬間。オルガルの身体が、少し膨張したと思ったら、輪状の衝撃波を発して、その身を爆発させた。
「召喚獣は、いつも、大きさばかりで大した事ないな」
「お、オルガル!」
「オルガルッ!」
衝撃波が、止み。
破片が、飛び散り終わり。
エルデネスの周囲に、足元だけ無事な、クレーターができている。エルデネスの身体が、ふわりと浮く。城壁側の、無事な地面に着地すると、彼は見上げた。
「今のは”ベノム・ボム”という魔法だ。”ベノム”という魔法なら、聞いたことがあるだろう?あれを、余が改良した。”ベノム”は内臓がある相手にしか効かないが、”ベノム・ボム”は万物に通用する。……魔法に興味があるのだろう?参考になったかね?」
「ベノムを改良……?」
と、ロンドが身を乗り出してしまう。
「万物に?そりゃ、魔力の作用方法が違うのか?」
「ロンド!」
「良いではないか」
窘めるルザミネに、微笑むエルデネス。
「探求心、好奇心、興味。魔界の者たちはよく人間を侮るが、余はそうは思わない。この国然り、フラウベルの”騎士道”然り、捨てたものではない、と思っている」
「だからこそ、余は欲しい」と、エルデネスは続けた。
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∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
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