ビヨンド オブリヴィオン / BEYOND OBLIVION

蓮田 希玲

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CHAPTER1

Episode 9 / 現実の私

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「さて、アヴァさん、手を」
「な、何……するの?」
「診察ですよ」

 私はゆっくりと、右手を前に差し出した。おじさんは度の強そうなレンズを片手に、私の手を控えめに引っ張った。この人、ゴツゴツとしていて冷たい手をしている。彼は顔を私の手に近づけた。見ていて不安になるくらい、何をしているのか分からない。本当にこれが診察?本当に手を見ただけで何かわかるのだろうか。心の中では彼を怪しむところもあった。

 唸り声みたいな声を出して違うレンズに切り替え、また納得のいかない表情でレンズを切り替える。ジェスターと顔を合わせて、大丈夫かな、とテレパシー的に目で合図し合う。

「いやー」
「どう?」
「昨日今日のことは見て取れましたよ、とてもお辛かったでしょう……。ただ、それ以前のことは……」
「なんだ?まさか見えないとかか?」

 ジェスターが私の肩に手を当てた。

「そ、そうです。とは言っても、個人差で、時折なかなかルーペに映らない人もいます」
「それじゃ何も……!おいおい頼むぜ」
「ジェスター、大丈夫」

 何度も足踏みをする彼に、私は一言呟いた。彼は手を首の後ろに当てる。

 おじさんがルーペと呼んだレンズ。いくつ種類があるのか分からない。まだ諦める様子を見せず、おじさんは私の右手を持って、ひたすら覗き込んでいる。

「その、ルーペ?って何が見えるの?」
「手相占いにしか見えないよな」

 ジェスターが口を挟む。

「とんでもない!」おじさんは私の方へ背をのばし、持っていたレンズを見せてきた。

「これが――ルーペ。ご覧の通り、いろんな種類があります」

 一枚一枚は、大きな金貨ほどの大きさ。厚さがどれも異なっている。金色や銀色の枠で施されていて、レンズには中に水が入っているように見えた。

「では、これを使うと、何が見えるのか。あのポスター見てください」

 おじさんが目線を向けた先に振り向くと、色鮮やかな一枚の大きなポスターが、殺風景な白い壁に花を咲かせていた。紐か、毛玉か。球体のイラストに蚕のスケッチ。球体の中には細い線の円がある。幾何学模様で、芸術さえ感じる。

「信じられないかもしれないですが、この世界の全ては、その小さな粒で、できています。記憶の粒です」
「記憶……?」
「ええ、自分はどんな形か、どうやってできたか、どんな歴史をたどったのか。そういうものが封じ込められています」
「私の体も、それでできてるの……?」
「はい、私の体も、ジェスター様の体もです。ルーペは、その粒の中身を覗き見る道具なんですよ

「へえ。占いしてるんじゃなかったのか」ジェスターが口を挟む。

「あはは、たしかにちょっと滑稽ですよね、これ使ってる時って」
「それは、俺も使えるのか?」
「使ってみても、いいですよ?彼女の手に、近づけて覗いてみてください」

 ジェスターは金色に輝く枠を持って、ルーペと目を私の手に近づける。何が見えているだろう。だんだん顔が険しくなっていく。やっぱり、良くないものでも見えてしまっているのだろうか。自分の体が本当に粒でできているのか、とても信じ難いが、それが見えているのか。私もそんな顔をするだろう。球体の絵や、それが紐で繋がれたような図面が、部屋のあちこちに貼られている。

 じっと見つめていた彼は、小さく唸りながら顔を上げた。

「なんだ、なんも、分からないな……。何が見えるんだ?昨日のことは分かるって言ったよな?もう、全部もやがかっててよく分からないぞ。なんだこれ」
「私も見たい」
「ん、ほんとになんも見えないぞ」

 ジェスターが手のひらに置いたルーペのレンズを覗いてみる。磨かれたダイヤモンドみたいに輝き、水の波紋のような模様が中でゆらゆら揺らめいている。かと思えば、雪が舞っているようにも見えて、いろんなものが重なっているようだった。彼の言った通り、何も分からない……。

「ほんとに、昨日のことわかるの……?」
「もちろんです。四区で、お目を覚まされたようで、男の子に追いかけられてましたね」
「うそ……」

 顎が落ちた。こんなにも抽象的なものを見て、そんなに分かるものなのか。この人のことがだんだんと怖くも感じてきた。おそらく嘘も隠し事も、彼の前だと全部見透かされてしまう。

「本当、なのか」

 ジェスターも全く同じ顔をしている。

「専門の魔法を介さないといけません。自分の目に。ルーペだけでは、真っ暗な部屋で虫眼鏡を使って本を読むようなものです。魔法が電気の代わり、と言いますか。簡単じゃないですよ?」
「うーむ、そういうことか……。あ、彼女の着てる服とか、街のいろんなものも、その――粒でできてるんなら、わかるんじゃないか?っほら、物が記憶喪失ってわけわからないだろ?」
「ああ、えっとですね……そのーエントロピーと言いますか――」
「俺らにも分かるように言ってくれ」
「そうでした、失礼しました。なんといえばいいか。動物とそうじゃないものって、記憶の量というか、それが段違いなんですよ。自分で考えて行動して、覚えますよね?そこらの物とか、服とかは、違うじゃないですか。ね?」

 苦い顔をしながらジェスターはルーペを、笑顔を絶やさないおじさんに返した。そのおじさんの顔も、ルーペを机に置き、私を向いた途端に言葉を選ぶ表情になる。それを見て私も竦み上る。どんなことを言われてしまうのか。手汗が滲んでくる。

「す、すみませんね、過去のことはルーペじゃ分かりませんでした。ですが、あなたの体の状態は診断できましたよ」
「体……体のことも、分かるの?」
「ええ。あなたは16歳と2ヶ月4日。そうですね、同年代の方達にもお話を伺ってみるのが、よろしいかと」

 この人でさえ私の過去は分からなかったようだけれど、何歳かどうかを見ることができてしまうのは、本当にすごいという一言に尽きる。それもあの、"記憶の粒"に隠されていたことなのだろう。私は現実のことをまだ何も知らないんだと思い知らされた。彼らが当たり前に話していることを、ちょっとずつでも理解していきたい。

「すごい……そんなことが分かるんだね」
「先生は長らく二区の人たちを支えてくれてるんだ。俺ももうどれくらい世話になってるか」
「いえいえとんでもない。それと……心のことですね。私もちょっと吃驚しましたよ。ジェスターさんは既に見ているようですね」
「ああ……。真っ黒の、蓮だな」
「アヴァさん、手をもう一度、出してもらえないですか」

 急に胸が押される気分だ。前からも後ろからも圧迫しているような。あの花のことまで、彼には見透かされている。何を言われるか、されるのか分からない。右手をそっと、肘を曲げたまま前に出す。

「私の、真似をしてください。こうやって、指を開いた状態で、小指から親指の順番で、ふわっと曲げるんです」

 言われた通りに、先生の顔と目を見ながら、私は力を抜いて、空気を掴むようにして指を曲げた。すると、氷の粒か雪の粉か、見覚えのある藍色の光と共に、あの蓮が手元に現れる。思わず息を引き込んだまま、吐けなかった。

 先生は両手の指を重ねながら、険しい表情で言う。言葉ひとつひとつが、音を立てないように歩いているような緊張感を出している。

「先生、先生これ、これってなんなんですか……?」

 私は喉の奥の震えを止められないまま言った。

「あなたの心の花です。そうですね、あなたを表すものだし、あなたの潜在的なものでもあります」
「もうちょっと、わかりやすく……」
「んー、つまりこれは、あなたの記憶と、あなたが受け取った記憶でできた結晶みたいなものです。その人を象徴する、花です」
「魔法って全部これのせいなんでしょう……?」
「アヴァ様のは、悲しみと結びつきのあるものを引き寄せてしまうようです。しかもそれが、尋常じゃない」

 ジェスターの見込みも正しかった。やっぱり、私の魔法はそういう良くないものを呼び寄せてしまう。使ってしまうと胸が張り裂けそうになる。思い出すだけでも、吹雪の中にいるみたいに指が震えだしそうだ。

 それに、自分の制御できないような辛さから飛び出してくる。勝手の効かない不都合な現実。自分の手を見ながら、頼んだものと違うものを繰り返し持ってこられるような気持ちになった。

「魔法を出したあと、絶対聞こえてきたり、見えるの。それがもう本当に苦しそうで、私まで……。氷も急に飛び出して。だから、その……悪循環、っていうのかな……」
「氷はとっても綺麗ですが、あなたを助けるどころか、追い詰めてしまうほどに不安定です。何があっても、まずは落ち着くことを優先してください。でないと、あなた自信が、壊れてしまう」
「壊れる……?」
「一言でいえば、何も感じなくなる。何も喋らないし、何も考えない。植物より何もしなくなるかもな」

 ジェスターが見たことがあるような口ぶりで、腕を組んで答えた。

 植物より何もしないなんて、死んでしまっているのとあまり変わらない。そんな状態になっても生きていく選択は、私には難しいかもしれない。いろんな想像ができてしまう。あの魔法はその場しのぎにはなってくれるけれど、結果的には私に傷跡を残してしまうのだ。

「ジェスター様もお気づきでしょうが、アヴァさんの花の状態というのは……。これほどまでに、言い方はあれですけど、あんなに汚れてしまっているものはなかなか。どんな状態であるか、はっきりと申し上げることはできません……」
「汚れてる……?」
「ああいや、言葉が悪かったですね。汚いという意味ではなく、良くないものがたくさん集まってしまってるという意味です。気に障られたら申し訳ない」
「大丈夫」

 ジェスター、そして多分ベルジも持っているというあの花。夕陽みたいな綺麗な色を放っていて、禍々しい様子は見られなかった。先生にまで珍しいと言われると、ますます昔の自分を知るのが難しく思えてきた。夜空に浮かぶ星がどんな姿か確かめるくらいに。手の力を抜いた途端、蓮も粉々になって消えた。昨日と同じように。

「ご心配なさらず。これほど重いものは初めて見ましたが、同じように良くないものを引き寄せてしまう方はたくさんいらっしゃいますから。落ち着いて対処をすれば、きっと大丈夫です。もしかすると、良くないものを溜め込みすぎて、過去が埋もれて見えなくなっているだけかもしれません」
「そう、なんだ……」

 安心していいのか分からない。前の自分がどうしても怖い。想像もできないほどの何かを背負っていたとしか考えようもない。こうなってしまったことを、前の私はどう思うだろう。こうなってしまってごめんなさい、と謝る相手もいない。

「肩を落とすな、もう起きたことは――仕方ないだろ?」
「でも……」
「後ろばっか向いても進まないぞ。足元の石にも気づけねえだろ?」
「わかってる、わかってるよ。でもね?自分のことって、やっぱり知りたいの。ジェスターには、分からないんだ……」

 入った時にはスッキリとした風の通っていた部屋だったけれど、今ふと気を巡らせば、重たく冷たい空気で埋め尽くされているようだった。ジェスターが首の後ろに手を当てながら、口を曲げる。彼を否定するようなことを言ってしまったんじゃないか。どこを見ていいのか分からず、目を右往左往させた。

「ま、まあ、こうして今お身体は健康で、笑うこともできたし好奇心も旺盛。アヴァさんは大丈夫だと思いますよ!」

 先生は顔を和ませて声を出した。彼の笑みを見ていると、頑張ろうと思えてくる。よく分からない上に、危ないものを持って歩くこんな私に、すごく気を使ってくれるから。

「ありがとう。さっきの、粒?のこと、もっと知りたい……!」

「お前医者になるのか?」ジェスターがそれはやめとけ、と言わんばかりの口調で言う。

「そうじゃなくて……なんか私、当たり前のことさえ知らないでしょ?勉強しなくちゃ、って思ってさ」

 そんなことも知らないのか、と昨日からの短い記憶のなかでも何度も言われた。魔法のこと花のこと、街のこと、それから車のこと。ジェスターの家にも不思議なものやよく分からないものがたくさんある。本当に頭の中が虫食いになっているのだ。

「あぁ……。ネーベには学園がある。子供たちはみんなそこでいろいろ勉強して社会へ出る。16だったっけ?途中入学って形になるけど、興味あるか?」

 それは私には想像もしがたいものだった。外にいるような人盛りの中、私は集中できるのだろうか。家の近所を歩いている数人に対しても、視線が気になってしょうがなかったのに。先生を初めて見た時も不信感が強かった。……ベルジとの出会いは本当に良くないものを残した。

「私と同じくらいの人がいっぱいいるってこと?ちょっとまだ……」
「人に慣れてからでいい。急ぐ必要は無いからな。ま、そういうことだ。先生今日もありがとな。なにか思い出せるか、俺もいろいろしてあげたいから」
「あはは。そうですか。薬とかもあるんですが、それも彼女に合うか分からないし。精神的にも身体的な面でもね。また何かあればお越しください。私も、アヴァさんのことを心から見守るつもりです」

 一言一言が毛布みたいで、体がほぐされるようだ。何度お世話になるか分からない。ちょっとした事でも私はここに来るだろう。

「ほんとにありがとう、先生」
「あなたは本当に可哀想だ。可哀想って言うのもなんか変ですけど。でもその花は切っても切れない現実です。時に容赦なくあなたを苦しめるでしょう。なるべく魔法は控えてください」
「うん、気をつける」
「おっとあともう一点だけ。あの花はあなたの鏡です。ちょっとずつ、心に余裕や休息を与えてください。それが一番のお薬です」

 ガラス張りのドアを開けるジェスターに続いて、玄関へ向かう。板を叩くような音が響く。

「お代は結構です。ご期待に添えなかったと思いますし」
「いやいいんだ、貰ってくれ」
「では……」

 ジェスターは札束を丁寧に先生の手元に出した。どれくらいか分からないけれど、先生も困るほどなのだろう。

「なあ、本当に、アヴァは体の面では大丈夫なんだよな?脳みそとか……。はっきり言って、認知機能に異常をきたしてる。そこだけ確認しておきたい」低い声で顔を近づけながら言っている。

「うむ……。さっきルーペで見た限りは、何も異常なかったんですよ?嘘じゃないです。花による影響を考えた方がいいかと」
「まあな……。見るからにって感じの様子だもんな。……また連れてくる。それまでに一つだけ頼みが」
「なんでしょう」
「カルテ、あるよな?クラリオネって名前が無いか調べておいて欲しい」
「あぁ、もちろん、隙間時間に隈無くお調べいたしますね。一体何万とあることか……」
「よろしく。じゃ、そゆことで」

 先生に手を振りながら、玄関の重たいドアを支えて惜しみなく病院を出た。ここに入った時は異様に静かで、家の二階を思い出すほどだったが、今ではもうひとつの家のような親近感がある。また帰ってきたくなる。

 静けさとは裏腹にいろんなところから音のする噴水広場。すっかり忘れていた。こんなにも人が歩いて、話して、笑っていることを。私は彼らから引き離されている感覚が拭えなかった。
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