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第4章 獣に植物に聖女結衣
第41話 ぷっと いっと おん しぇるふ
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シモフリからリュウコウまで徒歩で4日かぁ……討伐隊の募集締切が7日後だから……まだ余裕があるな。
「ラクナシア、リュウコウまで狩りをしながら向かおう。獣を倒して食料を確保していけば戦いにも慣れていくと思うんだ」
「はい。私の両親は村の戦士だったんです。食料を獲ってきてくれました……少しだけ戦いを教えてもらったこともあります」
えっ! ラクナシアは狩りの経験者……もしかして物凄く強かったりして。
それなら僕が教えてもらう立場だけど……ラクナシアからかぁ……なんか恥ずかしいなぁ……いやいや命が懸かってるんだ戦力は高いほうが良いに決まってる。
「ご主人様、どうしましたか?」
「い、いや……狩りの計画を考えていたんだ。あ、そうだっ。ラクナシアの精神武器ってどんなの?」
「……せーしんぶき……ですか?」
柔らかそうな頬を指でプニプニ突きながら首を傾げるラクナシア。
それっぽく見せるために、ハナの針をミスリルソードに変化させる……ズルしていることだけはバレないようにしないと。
「うわぁ……なにもないところからけんがでましたぁ」
驚きの表情、ぐるぐると大きく手を回して後ずさった。
「自分の中にしまわれている武器のことだよ」
聞きかじったことを教えるのは恥ずかしい。詳しいことまでは分からないし。
「持ってない……です」
ガックリ頭を落として落ち込むラクナシア。
「これを使っていいよ」
取り出した剣をラクナシアに渡した。背中に鞘を結んで上げると、「わぁ、パパも背中に剣をつけてたんです。一緒だー」と喜んでいた。
「じゃあ最初は鞘に剣を収めてみようか」
少し短めにしたが、それでもちょっと長い、何度も背鞘に刃を納めようとするがスカってばかり。
「イタッ」
鞘を外して首や背中を刺してしまうことも……ジゲンフォーから取り出したポーションで回復させつつ何度も練習した。
それにしてもポーションは怖いな。即効性が高すぎて体にどんなアプローチをして治しているのか不思議でならない。
ラクナシアの怪我だけでなくラックさんの骨折まで瞬時に治してしまった。強力な薬にはそれ相応の副作用が……まー誰かに聞いても『そういうもの』って言われるんだろうなー。
パチン──
「おー、ラクナシアうまい!」
「えへへー」
総練習時間2時間、使ったポーションは5本。どんな状態からでも鞘に納められるまでに成長していた。
「もう完璧だね。僕もそんなに早く出来なかったよ」
ごめんなさい、嘘を付きました……やったことないしそんな器用なことできません。針に戻せば自然に消失するから精神武器のようにズルして消してます。
何があるか分からないから念のため佩剣したほうが良さそうだな。そのためには納刀の練習をしないと……もちろんラクナシアの居ないところで。
それにしてもまだまだラクナシアと距離を感じる。なんとか普通に接してもらおうとするがどうしてもダメ。それでも46時中一緒にいるおかげか、なんとなく心の奥底に触れられるようになった気がするのだけは嬉しかった。
「そろそろ実践訓練だね。あの獣を何匹か狩ったらお昼にしよう」
対象はアルミラージ、頭に瘤のあるウサギだ。ある程度の戦いが出来れば倒すことができる食糧の定番らしい。ちゃんと調べておいたのだ。
「たぁー↑|」
剣をブンブン振り回すラクナシア。全く当たる気配すらない。
結局両親に戦いを教えてもらったというのは何だったんだろう……あ、「ラクナシアー、ちゃんと相手の動きを見るんだよー」
アルミラージはおちょくっているのか飛び回っては追いつくのを待っている。ニヤリとでもしているような見えてしまう。
「やぁー↑!」
がむしゃらに走って追いかけるラクナシアの思わず……「可愛い」と呟きハッとする。
頑張る姿に見惚れてしまい思わず口から漏れてしまった。
『僕はロリコンじゃない僕はロリコンじゃない』
念仏のように必死に唱える。
そんな僕に気づくこと無くラクナシアは剣をブンブン振って追いかけまわしていた。
「今ならいける」
逃げようとするアルミラージにフリックバレットを打ち込んで動きを止める。格好の的となったアルミラージは成す術もなく切断された。
ボフンと煙が広がりポトリと落ちる兎肉。
「やったー」
ラクナシアは周りを気にすることなく両手を挙げて跳ねまくる。ふわふわ揺れる耳、フリフリゆれる尻尾。
「ラクナシアー!」
あまりの嬉しさから一気に駆け寄った。
ビクンと体が強ばるラクナシア。
「あ……ごめん……なさい」
しょぼーんとさせてしまった。
「違う。凄い、凄いよラクナシア、いい動きだったって言おうと思ったんだ。どんどん倒して肉をゲットして焼肉パーティーにしちゃおう」
褒めていくスタイル。人を育てるときは褒めてたほうが良いと学校の先生も言っていた。
「は……はい」
「少しづつでいいからさっきのようにはしゃいでくれると嬉しいな」
「//////」
顔に赤い斜線が引かれたようにラクナシアは真っ赤になってうつむいた。
◆ ◆ ◆
「随分と肉も集まったし、お肉パーティーにしようか」
「こんなにいっぱい食べきれませんね」
「残ったらまた後で食べよう」
リリス長老からもらった炎媒介で火を起してアルミラージを焼いていく。味付けはシモフリで買っておいた香辛料と調味料。香ばしい匂いが漂う中、焚き火を挟んで肉が焼けるのを待っていた。
「ラクナシア、僕は君を家族の元に届けたいと思っている。家族の居場所に心当たりがあったら教えてもらえるかい」
怯えながら胸の上にある魔法紋を抑えるラクナシア、命令を反故にすることで発生するペナルティーに怯えているようだ。
「言いたくなかったらいいんだ。ただ何の情報もないと探しようがなくってさ」
「……私の故郷は獣人の国マッサン。既に滅びました」
マッサン……ちょうどウッドバーレンの南にある国。
「パパ……ママ……」、涙ぐむラクナシア、涙を堪えて一生懸命に言葉を絞り出した。そして一言、「異世界教……が」
彼女の言葉に胸が痛む。この時僕は余裕を無くしていたのだろう。強い口調で「異世界教がどうしたの? ラクナシア」……叫んでしまった。
「キャッ」
頭を抱えて怯えるラクナシア。両親のこと故郷のこと……大きな声まで出して嫌な記憶を引っ張り出してしまったことに自己嫌悪してしまう。
「ごめんラクナシア、異世界教って聞いたらイライラしちゃって」
「村に異世界教を名乗る人が来たんです……。村長に異世界教の都市をマーサンに作らせて欲しいって……」
「都市を?」
「はい、私はあまり良くわからないのですが、村長が断ったら次の日から魔物が押し寄せてくるようになったんです」
偶然なのか……この話しだけを聞くなら断られた腹いせに魔物を送り込んだと考えられる。しかし……人が魔物を操ることなんで出来ることなのか。
「私はパパとママに無理やりひよりむに乗せられて逃がされました。辿り着いた先で困っている私を保護してくれたのがエリファスさんなんです」
「村ってラクナシアのような獣人がたくさんいたの?」
「はい、いろんな種族がいました。でも今はどうなっているか……」
結衣の件が終わったらマッサンに足を運んでみよう。でも魔物か……フリックバレットで馬の魔物を倒したから警戒すれば何とかなるだろう。
いつまでも人に頼ってばかりいられない。
決意を胸に一歩踏み出すのだった!!
「おねーさーん、カッコよくガッツポーズするのはいいけど、火の上に踏み出してますよー」
「え、あっ」
肉をこんがりと焼いている炎が、勢いよく踏み出した僕の一歩を焼いていた。
「うきゃー」
慌てて足を持ち上げる……すでに炎が燃え移ってる靴に、声の主は手の平をクルッと回して出した水をかけて炎を消した。
「ありがとう……君は?」
「ケアルナですー。助けてあげたお礼にそのお肉もらいますねぇー」
頭には細長い葉っぱのようなアホ毛。翡翠色の髪が美しく輝いているスタイルの良い女性がいた。
彼女は地面に巨大な葉っぱを敷くと座り込んで肉をもぎ取って食べ始めた。
「ラクナシア、リュウコウまで狩りをしながら向かおう。獣を倒して食料を確保していけば戦いにも慣れていくと思うんだ」
「はい。私の両親は村の戦士だったんです。食料を獲ってきてくれました……少しだけ戦いを教えてもらったこともあります」
えっ! ラクナシアは狩りの経験者……もしかして物凄く強かったりして。
それなら僕が教えてもらう立場だけど……ラクナシアからかぁ……なんか恥ずかしいなぁ……いやいや命が懸かってるんだ戦力は高いほうが良いに決まってる。
「ご主人様、どうしましたか?」
「い、いや……狩りの計画を考えていたんだ。あ、そうだっ。ラクナシアの精神武器ってどんなの?」
「……せーしんぶき……ですか?」
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それっぽく見せるために、ハナの針をミスリルソードに変化させる……ズルしていることだけはバレないようにしないと。
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「自分の中にしまわれている武器のことだよ」
聞きかじったことを教えるのは恥ずかしい。詳しいことまでは分からないし。
「持ってない……です」
ガックリ頭を落として落ち込むラクナシア。
「これを使っていいよ」
取り出した剣をラクナシアに渡した。背中に鞘を結んで上げると、「わぁ、パパも背中に剣をつけてたんです。一緒だー」と喜んでいた。
「じゃあ最初は鞘に剣を収めてみようか」
少し短めにしたが、それでもちょっと長い、何度も背鞘に刃を納めようとするがスカってばかり。
「イタッ」
鞘を外して首や背中を刺してしまうことも……ジゲンフォーから取り出したポーションで回復させつつ何度も練習した。
それにしてもポーションは怖いな。即効性が高すぎて体にどんなアプローチをして治しているのか不思議でならない。
ラクナシアの怪我だけでなくラックさんの骨折まで瞬時に治してしまった。強力な薬にはそれ相応の副作用が……まー誰かに聞いても『そういうもの』って言われるんだろうなー。
パチン──
「おー、ラクナシアうまい!」
「えへへー」
総練習時間2時間、使ったポーションは5本。どんな状態からでも鞘に納められるまでに成長していた。
「もう完璧だね。僕もそんなに早く出来なかったよ」
ごめんなさい、嘘を付きました……やったことないしそんな器用なことできません。針に戻せば自然に消失するから精神武器のようにズルして消してます。
何があるか分からないから念のため佩剣したほうが良さそうだな。そのためには納刀の練習をしないと……もちろんラクナシアの居ないところで。
それにしてもまだまだラクナシアと距離を感じる。なんとか普通に接してもらおうとするがどうしてもダメ。それでも46時中一緒にいるおかげか、なんとなく心の奥底に触れられるようになった気がするのだけは嬉しかった。
「そろそろ実践訓練だね。あの獣を何匹か狩ったらお昼にしよう」
対象はアルミラージ、頭に瘤のあるウサギだ。ある程度の戦いが出来れば倒すことができる食糧の定番らしい。ちゃんと調べておいたのだ。
「たぁー↑|」
剣をブンブン振り回すラクナシア。全く当たる気配すらない。
結局両親に戦いを教えてもらったというのは何だったんだろう……あ、「ラクナシアー、ちゃんと相手の動きを見るんだよー」
アルミラージはおちょくっているのか飛び回っては追いつくのを待っている。ニヤリとでもしているような見えてしまう。
「やぁー↑!」
がむしゃらに走って追いかけるラクナシアの思わず……「可愛い」と呟きハッとする。
頑張る姿に見惚れてしまい思わず口から漏れてしまった。
『僕はロリコンじゃない僕はロリコンじゃない』
念仏のように必死に唱える。
そんな僕に気づくこと無くラクナシアは剣をブンブン振って追いかけまわしていた。
「今ならいける」
逃げようとするアルミラージにフリックバレットを打ち込んで動きを止める。格好の的となったアルミラージは成す術もなく切断された。
ボフンと煙が広がりポトリと落ちる兎肉。
「やったー」
ラクナシアは周りを気にすることなく両手を挙げて跳ねまくる。ふわふわ揺れる耳、フリフリゆれる尻尾。
「ラクナシアー!」
あまりの嬉しさから一気に駆け寄った。
ビクンと体が強ばるラクナシア。
「あ……ごめん……なさい」
しょぼーんとさせてしまった。
「違う。凄い、凄いよラクナシア、いい動きだったって言おうと思ったんだ。どんどん倒して肉をゲットして焼肉パーティーにしちゃおう」
褒めていくスタイル。人を育てるときは褒めてたほうが良いと学校の先生も言っていた。
「は……はい」
「少しづつでいいからさっきのようにはしゃいでくれると嬉しいな」
「//////」
顔に赤い斜線が引かれたようにラクナシアは真っ赤になってうつむいた。
◆ ◆ ◆
「随分と肉も集まったし、お肉パーティーにしようか」
「こんなにいっぱい食べきれませんね」
「残ったらまた後で食べよう」
リリス長老からもらった炎媒介で火を起してアルミラージを焼いていく。味付けはシモフリで買っておいた香辛料と調味料。香ばしい匂いが漂う中、焚き火を挟んで肉が焼けるのを待っていた。
「ラクナシア、僕は君を家族の元に届けたいと思っている。家族の居場所に心当たりがあったら教えてもらえるかい」
怯えながら胸の上にある魔法紋を抑えるラクナシア、命令を反故にすることで発生するペナルティーに怯えているようだ。
「言いたくなかったらいいんだ。ただ何の情報もないと探しようがなくってさ」
「……私の故郷は獣人の国マッサン。既に滅びました」
マッサン……ちょうどウッドバーレンの南にある国。
「パパ……ママ……」、涙ぐむラクナシア、涙を堪えて一生懸命に言葉を絞り出した。そして一言、「異世界教……が」
彼女の言葉に胸が痛む。この時僕は余裕を無くしていたのだろう。強い口調で「異世界教がどうしたの? ラクナシア」……叫んでしまった。
「キャッ」
頭を抱えて怯えるラクナシア。両親のこと故郷のこと……大きな声まで出して嫌な記憶を引っ張り出してしまったことに自己嫌悪してしまう。
「ごめんラクナシア、異世界教って聞いたらイライラしちゃって」
「村に異世界教を名乗る人が来たんです……。村長に異世界教の都市をマーサンに作らせて欲しいって……」
「都市を?」
「はい、私はあまり良くわからないのですが、村長が断ったら次の日から魔物が押し寄せてくるようになったんです」
偶然なのか……この話しだけを聞くなら断られた腹いせに魔物を送り込んだと考えられる。しかし……人が魔物を操ることなんで出来ることなのか。
「私はパパとママに無理やりひよりむに乗せられて逃がされました。辿り着いた先で困っている私を保護してくれたのがエリファスさんなんです」
「村ってラクナシアのような獣人がたくさんいたの?」
「はい、いろんな種族がいました。でも今はどうなっているか……」
結衣の件が終わったらマッサンに足を運んでみよう。でも魔物か……フリックバレットで馬の魔物を倒したから警戒すれば何とかなるだろう。
いつまでも人に頼ってばかりいられない。
決意を胸に一歩踏み出すのだった!!
「おねーさーん、カッコよくガッツポーズするのはいいけど、火の上に踏み出してますよー」
「え、あっ」
肉をこんがりと焼いている炎が、勢いよく踏み出した僕の一歩を焼いていた。
「うきゃー」
慌てて足を持ち上げる……すでに炎が燃え移ってる靴に、声の主は手の平をクルッと回して出した水をかけて炎を消した。
「ありがとう……君は?」
「ケアルナですー。助けてあげたお礼にそのお肉もらいますねぇー」
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