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=== 001 目指せ! ヒーロー戦隊 ===
第19話 ヒーロー、偽りの英雄を裁く
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リーダーのダリウスが、渓谷の出口、俺たちが定めたポイントに足を踏み入れた、その瞬間だった。
ドォン!
彼が踏んだ地面から、大きな音と共に、舞台の幕開けを告げるかのような色付きの発煙筒が、いくつも噴き上がった。
「な、なんだ!?」
「敵襲か!?」
突然の出来事に、疲労困憊の「黄金の獅子団」は、狼狽を隠せない。煙に巻かれ、視界を奪われた彼らの耳に、ビュッ、と風を切る音が響く。
気づいた時には、ダリウス以外の二人のメンバーの手から、その武器が、あらかじめ仕掛けておいたロープの罠によって弾き飛ばされていた。
煙がゆっくりと晴れていく。
彼らの前に、そのヒーローは姿を現した。
俺が【構造解析】で計算し尽くした、岩の隙間から差し込む月光が、まるでスポットライトのように、紅蓮の装甲をまとった俺の体を照らし出している。完璧な登場シーンだ。
そして、彼らが逃げ出そうとした背後では、いつの間にかタンポポが、その巨大な盾で渓谷の出口を完全に塞いでいた。「幕」は、すでに下ろされている。
俺は、高台の上から、混乱するダリウスたちを見下ろし、その罪を断罪すべく、高らかに口上を述べた。
「――偽りの英雄、『黄金の獅子団』リーダー、ダリウス! 貴様には三つの罪がある!」
「な、何者だ、貴様は……!?」
「一つ、心優しきヒーラーの功績を奪い、自らの名声とした罪! 一つ、その仲間を道具と蔑み、その心を深く傷つけた罪! そして一つ、ヒーローの名を騙り、人々を欺いた罪! その全ての罪、この俺、アークレッドが、ここで裁く!」
「ふざけるなッ!」
激昂したダリウスが、仲間に叫ぶ。「お前たち、やれ!」
「し、しかし、武器が……!」
「ちぃっ、役立たずが!」
ダリウスは一人、その大剣を構え、俺に向かって猛然と斬りかかってきた。Aランク冒険者の、疲れてなお鋭く、重い一撃。
だが、その刃が、俺の装甲に触れることはない。
俺は、ダリウスの剣筋を、まるで未来予知でもしているかのように、最小限の動きでかわし、いなしていく。
これは、アオイによる完璧な事前分析の賜物だ。彼の得意技、攻撃前のわずかなクセ、その全てが、俺の頭にはインプットされている。
ワイバーンとの死闘で消耗しきった彼の動きは、普段よりもわずかに鈍い。
「冷静な分析」と、「ヒーローとしての戦闘センス」、そして、「相手の消耗」と、俺が持つ「能力」。全ての要素が噛み合った、ギリギリの攻防。
ダリウスが業を煮やし、広範囲を薙ぎ払う大技を繰り出す。その軌道上に、音もなくタンポポの盾が出現し、完璧なタイミングでそれをガードした。
戦いの最中、俺は確かに感じていた。崖の上の茂みから、こちらを見つめる、一つの気配を。
(見ているな、モモ……。これが、俺の戦いだ。これが、偽りの英雄を裁く、本物のヒーローの戦いだ!)
自分の攻撃が全く通用しないことに、ダリウスの顔に、焦りの色が浮かび始める。動きは、さらに雑になっていく。
俺は、その一瞬の隙を見逃さなかった。あえて必殺技は使わない。ただ、純粋な体術と、この「舞台」の仕掛けを利用して、彼を追い詰めていく。
足元の、あらかじめ崩れやすくしておいた岩を蹴り、彼の体勢を崩す。そして、がら空きになった、その利き腕。
俺の鮮やかな回し蹴りが、ダリウスの手から、その象徴である大剣を弾き飛ばした。
武器を失い、膝をつくダリウス。俺は、その眼前に静かに着地し、告げた。
「罪を認め、モモさんに謝罪しろ」
敗北を喫し、ヒーローとしてのプライドをズタズタにされたダリウスは、ついに、その醜い本性を剥き出しにして、天に向かって絶叫した。
「ああ、そうだよ! あの女は、ただの便利な道具だった! 使い潰して、用済みになったから捨てただけだ! それが、何が悪い!!」
その醜い本音は、静まり返った渓谷に響き渡る。
そして、物陰で息を殺す、モモの耳にも、確かに届いていた。
偽りの英雄が、自らその罪を認めた。俺の目的は、達成された。
俺が、ダリウスに、ヒーローとしての最後の一撃を加えようとした、まさにその瞬間だった。
ゴアアアアアアアアアアアアッ!!
今まで聞こえていたワイバーンのものとは、比較にならないほど巨大で、地を揺るがすような、絶望的な咆哮が、渓谷の奥から響き渡った。
疲労困憊のダリウスたち、そして、激闘を終えたばかりの俺たちが、同時に渓谷の奥を振り返る。
そこにいたのは、我が子を殺された怒りに燃える、巨大な「マザー・ワイバーン」だった。その絶望的なまでの威圧感を前に、誰もが言葉を失い、立ち尽くす。
崖の上で、その光景を見ていたモモの、息を呑む気配だけが、やけに大きく感じられた。
ドォン!
彼が踏んだ地面から、大きな音と共に、舞台の幕開けを告げるかのような色付きの発煙筒が、いくつも噴き上がった。
「な、なんだ!?」
「敵襲か!?」
突然の出来事に、疲労困憊の「黄金の獅子団」は、狼狽を隠せない。煙に巻かれ、視界を奪われた彼らの耳に、ビュッ、と風を切る音が響く。
気づいた時には、ダリウス以外の二人のメンバーの手から、その武器が、あらかじめ仕掛けておいたロープの罠によって弾き飛ばされていた。
煙がゆっくりと晴れていく。
彼らの前に、そのヒーローは姿を現した。
俺が【構造解析】で計算し尽くした、岩の隙間から差し込む月光が、まるでスポットライトのように、紅蓮の装甲をまとった俺の体を照らし出している。完璧な登場シーンだ。
そして、彼らが逃げ出そうとした背後では、いつの間にかタンポポが、その巨大な盾で渓谷の出口を完全に塞いでいた。「幕」は、すでに下ろされている。
俺は、高台の上から、混乱するダリウスたちを見下ろし、その罪を断罪すべく、高らかに口上を述べた。
「――偽りの英雄、『黄金の獅子団』リーダー、ダリウス! 貴様には三つの罪がある!」
「な、何者だ、貴様は……!?」
「一つ、心優しきヒーラーの功績を奪い、自らの名声とした罪! 一つ、その仲間を道具と蔑み、その心を深く傷つけた罪! そして一つ、ヒーローの名を騙り、人々を欺いた罪! その全ての罪、この俺、アークレッドが、ここで裁く!」
「ふざけるなッ!」
激昂したダリウスが、仲間に叫ぶ。「お前たち、やれ!」
「し、しかし、武器が……!」
「ちぃっ、役立たずが!」
ダリウスは一人、その大剣を構え、俺に向かって猛然と斬りかかってきた。Aランク冒険者の、疲れてなお鋭く、重い一撃。
だが、その刃が、俺の装甲に触れることはない。
俺は、ダリウスの剣筋を、まるで未来予知でもしているかのように、最小限の動きでかわし、いなしていく。
これは、アオイによる完璧な事前分析の賜物だ。彼の得意技、攻撃前のわずかなクセ、その全てが、俺の頭にはインプットされている。
ワイバーンとの死闘で消耗しきった彼の動きは、普段よりもわずかに鈍い。
「冷静な分析」と、「ヒーローとしての戦闘センス」、そして、「相手の消耗」と、俺が持つ「能力」。全ての要素が噛み合った、ギリギリの攻防。
ダリウスが業を煮やし、広範囲を薙ぎ払う大技を繰り出す。その軌道上に、音もなくタンポポの盾が出現し、完璧なタイミングでそれをガードした。
戦いの最中、俺は確かに感じていた。崖の上の茂みから、こちらを見つめる、一つの気配を。
(見ているな、モモ……。これが、俺の戦いだ。これが、偽りの英雄を裁く、本物のヒーローの戦いだ!)
自分の攻撃が全く通用しないことに、ダリウスの顔に、焦りの色が浮かび始める。動きは、さらに雑になっていく。
俺は、その一瞬の隙を見逃さなかった。あえて必殺技は使わない。ただ、純粋な体術と、この「舞台」の仕掛けを利用して、彼を追い詰めていく。
足元の、あらかじめ崩れやすくしておいた岩を蹴り、彼の体勢を崩す。そして、がら空きになった、その利き腕。
俺の鮮やかな回し蹴りが、ダリウスの手から、その象徴である大剣を弾き飛ばした。
武器を失い、膝をつくダリウス。俺は、その眼前に静かに着地し、告げた。
「罪を認め、モモさんに謝罪しろ」
敗北を喫し、ヒーローとしてのプライドをズタズタにされたダリウスは、ついに、その醜い本性を剥き出しにして、天に向かって絶叫した。
「ああ、そうだよ! あの女は、ただの便利な道具だった! 使い潰して、用済みになったから捨てただけだ! それが、何が悪い!!」
その醜い本音は、静まり返った渓谷に響き渡る。
そして、物陰で息を殺す、モモの耳にも、確かに届いていた。
偽りの英雄が、自らその罪を認めた。俺の目的は、達成された。
俺が、ダリウスに、ヒーローとしての最後の一撃を加えようとした、まさにその瞬間だった。
ゴアアアアアアアアアアアアッ!!
今まで聞こえていたワイバーンのものとは、比較にならないほど巨大で、地を揺るがすような、絶望的な咆哮が、渓谷の奥から響き渡った。
疲労困憊のダリウスたち、そして、激闘を終えたばかりの俺たちが、同時に渓谷の奥を振り返る。
そこにいたのは、我が子を殺された怒りに燃える、巨大な「マザー・ワイバーン」だった。その絶望的なまでの威圧感を前に、誰もが言葉を失い、立ち尽くす。
崖の上で、その光景を見ていたモモの、息を呑む気配だけが、やけに大きく感じられた。
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