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シーズン2 私の邪悪な魔法使いの友人の弟子
第九章 17)次の死刑執行
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つまり、仮面兵団が現れたのだ。私たちはついに、奴ら遭遇してしまった。それがいかに最悪なことなのか、カルファルの表情を見れば痛いほど認識出来た。
いつでも、どんなときでもあっても、基本的に楽しげに微笑んでいる彼の表情が、ぎこちなく引き攣っている。
「ああ、最悪だぜ、シャグラン。アリューシアを置いて逃げようぜ」そういう軽口すら叩く余裕もないといった気配。
仮面兵団、もちろん私は彼らと初めて会ったわけであるが、目の前のこの集団がその噂の連中であることは、誰に教えられずとも把握出来た。
鎧を着こんでいる者もいれば、動物の毛皮を羽織っているだけの者などそれぞれ。
しかし、その形や模様は様々だが、誰もが仮面をかぶって、顔を隠している。更に共通しているのは、手に持っている縄。
彼らがどれだけの人数なのか、数える心の余裕なんてなかった。三十人か四十人ほどだったのかもしれないが、とんでもないほどの大群に囲まれている気分。
仮面兵団は私たちを威嚇するよう、手に持ったその縄をくるくると回し始める。
「何てことをしてくれたんだ、これは」
仮面をかぶった男の一人が口を開いた。彼が仮面兵団のリーダー、バーレットだったらしい。彼だけは縄を回してはいない。
「お前の炎の魔法に焼かれて、俺たちの雇い主が死にそうじゃないか。いや、こいつはこのまま死ぬだろう。任務は失敗だよ。すなわち、この戦いが終わっても、約束した報酬は支払われないってことだ。俺はマジでお前たちに苛立っている」
「エドガルを降ろしてよ!」
アリューシアは言った。彼女はバーレットの話しなど聞かず、自分の言いたいことを口にする。
「いいや、エドガルは降ろさない。更に次の死刑の執行だ」
バーレットは幼い少女のアリューシアとの会話を楽しむかのように、律義に返事を返す。
彼は背後にいる部下に合図を送った。すると、仮面の男たちに両脇を抱えられたドニが、私たちの前に連れてこられた。
ドニはエドガルの同僚。彼もアリューシアの付き人の一人だ。
ドニは勇敢だった。彼は自分の自由と誇りを主張するように、仮面の男たちの腕の中で暴れる。しかし結局、二人の男の腕力には敵わない。
「次はこいつだ」
ドニの首にも既に縄がかかっていた。宝石が一つ砕けると、だらりと首元に垂れ下がっていた縄が、生き物のようにむくりと立ち上がり、煙のように上昇を始めた。
ドニの両脇を抱えた仮面の男たちは手を離す。解放されたドニはどこかに逃げようと駆け始めるが、すぐにその足が空転した。身体が浮いていったのだ。
それと共に、ドニの首に絡まった縄が締まっていく。彼は縄を首から外そうとするが、それはビクともしない。
ドニの名前を叫びながら、アリューシアが彼を助けようとする。それに気づき、バーレットも機敏に動く。炎の魔法を放ったのだ。
アリューシアの魔法のシールドに弾かれて、炎は消えていったが、十分な威嚇になった。
アリューシアは足を止める。その間に、ドニの身体はさらに上昇し、私たちの手が届かない距離にまで登り詰めた。
すぐにエドガルの身体の近くまで浮き上がってしまった。そのとき、エドガルの姿が視界に入ってきて、私は彼がもう身動きしていないことに気づいた。
いつでも、どんなときでもあっても、基本的に楽しげに微笑んでいる彼の表情が、ぎこちなく引き攣っている。
「ああ、最悪だぜ、シャグラン。アリューシアを置いて逃げようぜ」そういう軽口すら叩く余裕もないといった気配。
仮面兵団、もちろん私は彼らと初めて会ったわけであるが、目の前のこの集団がその噂の連中であることは、誰に教えられずとも把握出来た。
鎧を着こんでいる者もいれば、動物の毛皮を羽織っているだけの者などそれぞれ。
しかし、その形や模様は様々だが、誰もが仮面をかぶって、顔を隠している。更に共通しているのは、手に持っている縄。
彼らがどれだけの人数なのか、数える心の余裕なんてなかった。三十人か四十人ほどだったのかもしれないが、とんでもないほどの大群に囲まれている気分。
仮面兵団は私たちを威嚇するよう、手に持ったその縄をくるくると回し始める。
「何てことをしてくれたんだ、これは」
仮面をかぶった男の一人が口を開いた。彼が仮面兵団のリーダー、バーレットだったらしい。彼だけは縄を回してはいない。
「お前の炎の魔法に焼かれて、俺たちの雇い主が死にそうじゃないか。いや、こいつはこのまま死ぬだろう。任務は失敗だよ。すなわち、この戦いが終わっても、約束した報酬は支払われないってことだ。俺はマジでお前たちに苛立っている」
「エドガルを降ろしてよ!」
アリューシアは言った。彼女はバーレットの話しなど聞かず、自分の言いたいことを口にする。
「いいや、エドガルは降ろさない。更に次の死刑の執行だ」
バーレットは幼い少女のアリューシアとの会話を楽しむかのように、律義に返事を返す。
彼は背後にいる部下に合図を送った。すると、仮面の男たちに両脇を抱えられたドニが、私たちの前に連れてこられた。
ドニはエドガルの同僚。彼もアリューシアの付き人の一人だ。
ドニは勇敢だった。彼は自分の自由と誇りを主張するように、仮面の男たちの腕の中で暴れる。しかし結局、二人の男の腕力には敵わない。
「次はこいつだ」
ドニの首にも既に縄がかかっていた。宝石が一つ砕けると、だらりと首元に垂れ下がっていた縄が、生き物のようにむくりと立ち上がり、煙のように上昇を始めた。
ドニの両脇を抱えた仮面の男たちは手を離す。解放されたドニはどこかに逃げようと駆け始めるが、すぐにその足が空転した。身体が浮いていったのだ。
それと共に、ドニの首に絡まった縄が締まっていく。彼は縄を首から外そうとするが、それはビクともしない。
ドニの名前を叫びながら、アリューシアが彼を助けようとする。それに気づき、バーレットも機敏に動く。炎の魔法を放ったのだ。
アリューシアの魔法のシールドに弾かれて、炎は消えていったが、十分な威嚇になった。
アリューシアは足を止める。その間に、ドニの身体はさらに上昇し、私たちの手が届かない距離にまで登り詰めた。
すぐにエドガルの身体の近くまで浮き上がってしまった。そのとき、エドガルの姿が視界に入ってきて、私は彼がもう身動きしていないことに気づいた。
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