お転婆令嬢の執事は天寿を全うする…「何故…儂が、お嬢様の弟なのじゃ?」爺やは転生し姉を教育する!

ke-go

文字の大きさ
12 / 30

12 少女と決勝戦

しおりを挟む
「ポンポコ!!」

良く分からない言葉を叫び、起き上がるダンドール。
良かった…。公爵様が自力回復なされた!近くで、公爵を襲った悲劇を目撃した民達は安堵の表情を見せる。

「やっと起きましたの?」

お前がボコったんだろ!クレアの言葉に使用人のココ達や、近くに居た者達がツッコみたくなるのだが…そこは
自身の身の安全の為に喉元から先には決して言葉を出さなかった。

「ほら、貴方。モラフの決勝戦が始まりますよ!」

モラフ?ダンドールはステージで見合っている子供達を見る。10歳位の長い赤髪を両サイドで縛っている、ツインテールの女の子とブカブカの兜で顔を隠す、熟女大好きボーイ。

「おお!やはり熟女が勝ち上がったか!」

はぁ…。ダンドールの言葉に溜め息を付くクレア。

「分からないの?あの熟女君がモラフでしょ!」

ダンドールだけではない。使用人の2人も、そしてドレアも驚いている。

「モラフ?本当にモラフなのか!」

クレアは、あんなに穏やかで…静けさの中に強く光り輝く闘気を放つのはモラフと、亡くなった爺や位しかいないでしょ!何故分からないの貴方……と、ダンドールに呆れ気味に語る。

闘気?何ですか…それは?

ダンドールは闘気が分からない…他の者も分からない。
クレアの強さは恐らく、根本的に違うのだろう。血筋なのか?天性の才能なのか?誰も知る由は無かった。

「本当に…爺やそっくりなんだから!先代公爵の兜なんか着けて何がしたいのかしら?」

クレスは、そう言いながらステージのモラフを見つめている。

(やっぱり…似ているんだ!私は分かっていたもん。絶対…爺やの生まれ変わりなんだよモラフは!)

椅子に座り脚をバタつかせるドレア。
ステージを見つめるドレアの表情は、それはそれは嬉しい笑顔で溢れていた。

「始まるわよ!貴方。」


二刀の木剣を交差する様に構えるツインテールの少女。
他の選手達とは明らかに雰囲気が違う。

(研ぎ澄まされた構えじゃな…ふむ、子供には合わん闘気だのう。)

「やい!塾塾!負けないからなアタシは!」

(ジュクジュク?話し方は、まんま子供じゃな…)

「それでは決勝戦を始めます!」

歓声が沸き起こる中、ツインテール少女は勢い良くモラフに向い突撃する。

二刀…。モラフは初手が左右どちらから、放たれるか考える。

観察眼が冴えるモラフ。微妙に左右で柄の握り方が違うのを瞬時に見抜く!

左だ!

「ドガン!!」

衝撃音と共に後方へ吹き飛んでしまうモラフ。正体を隠す為にゴンタが準備した兜が宙を舞う。

頭を押さえるツインテールの少女。

「アタシの頭は硬いだぞ!」

一生懸命に頭を擦りながらニコニコ笑っている。

体勢を立て直し、片膝を着くモラフ。
(まさか、頭突きとは予定外じゃ…。)

素顔が曝け出されたモラフ。当然、周囲の民達が気が付き出した。

「おい!あれってモラフ様だろ?」
「はあ?他人の空似だろ!」
「いや…間違いねえ、俺は屋敷の門辺りで、話しかけら    
 れた事があるんだ。」

民衆達がザワつく中…来賓席から声がする!

「おお!間違いなく…我が息子のモラフだ!」

モラフ~!私はここだぞ!と父親顔で手を振るダンドール。子供の試合で熱くなる親そのものだ。

「モラフ~ぶっ飛ばせ!」

ドレアは、グラつく椅子の上で拳を握り騒いでいる。その椅子の脚を必死に押さえるココとレミア。

(お嬢様が転んだら…私達にトバっちりが!)

暴露系お嬢様を守る為に全力を出している。

「さぁ、私の息子よ…公爵家の戦いをしなさい。」

クレアは熱くなる2人とは逆に冷静に戦局を見守る。

(バレたのじゃ…)

正体がバレたモラフ…公爵家の人間は、民達が見守る中で、どう戦うのだろうか?


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

強すぎる力を隠し苦悩していた令嬢に転生したので、その力を使ってやり返します

天宮有
恋愛
 私は魔法が使える世界に転生して、伯爵令嬢のシンディ・リーイスになっていた。  その際にシンディの記憶が全て入ってきて、彼女が苦悩していたことを知る。  シンディは強すぎる魔力を持っていて、危険過ぎるからとその力を隠して生きてきた。  その結果、婚約者のオリドスに婚約破棄を言い渡されて、友人のヨハンに迷惑がかかると考えたようだ。  それなら――この強すぎる力で、全て解決すればいいだけだ。  私は今まで酷い扱いをシンディにしてきた元婚約者オリドスにやり返し、ヨハンを守ろうと決意していた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...