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二章 ガチムチ占い師のお導き~お前が占い師なのかよっ!~

●強まる淫紋

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「何しやがる……っ」

「贄を前にしてやることと言えば、決まっているだろ?」

 普段のクウガなら見せないような卑下た笑みを唇に浮かべ、ゆっくりとオレの頬に触れてくる。

 ゾクッ、と全身が疼いて、腰の奥に熱が集まってしまう。
 このまま何もしなかったら取り返しのつかないことになりそうで、オレは急いでローバーの触手から逃れようともがいてみる。

 だが締め付けが酷くなり、さらにオレの腕や脚に絡まる触手が増えてしまう。しかも、

「……ッ……」

 指ほどの細い触手がオレの服に入り込み、肌をこそばゆく撫で回してくる。
 一番触られたくない、下腹の熱い所にも――。

「ひっ……ぁ……ン……っ」

「どうした? 我が下僕に弄られて悦んでいるのか?」

「よ、悦んでなんか……っ、オマエが、淫紋なんて付けやがるからだろ!」

「嬉しくないのか? ならば嬉しくなるようにしてやろう」

 クウガがオレの唇を奪う。中身はサダナックだと分かっていても、一番避けたいヤツとのキスに涙目になってしまう。

 舌がねっとりと絡んで、呼吸すらままならなくて、自分の体なのに思い通りにさせてもらえない。

 悔しい……なのに体はピクピクと悦びに跳ねるし、胸の奥が高ぶってたまらない。

 やっと欲しいものがきたと体中が騒いでいる。
 でも、これだけじゃ足りない。もっと欲しい。もっと――。

「んんン……ッ……ぅ、ン……」

 舌でオレの口の中を掻き混ぜながら、クウガの手がオレの下腹へ延ばされる。
 熱い掌が淫紋を覆った瞬間、くすぶっていた火種が燃え上がるように、腰の奥の疼きと熱の勢いが増した。

 ああ、ダメだ……コイツが欲しくてたまらない。
 ずっとオレの中に繋がって、絶え間なく啼かせて欲しい。

 少しも正気に戻さず、奥を貫いて気持ちよくさせて。
 オレをひん剥いてぐちゃぐちゃに……。

 頭の芯まで淫らになりかけて、オレは慌てて首を振ってクウガの唇から逃れた。

「や、やめろ……っ、オレを、おかしくするなぁ……あぁ……ッ」

「嘘を言うな。俺が欲しくてたまらないクセに……強がるな」

 オレから離れるどころか深く抱き込み、クウガの手がオレの尻を撫でてくる。

 それだけで目の前がチカチカして、体の奥がキュウキュウと締まる。口元も綻んで、体が素直に悦んでしまう。

 するり、と服の下に手を差し込まれ、双丘の割れ目を指でグニグニ弄られた途端、もう理性も強がりも弾け飛ぶしかなかった。

「はぁぁぁぁ……ッッ……ぁ……ア……ん……っ」

 グウガの肩に顎を預け、オレは甘く喘ぐことしかできなくなっていく。

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