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第2章 ポーショントラブル
52.結末を知るようです
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それから2週間ほど経った頃、ハジメは町長のウォールから呼び出しをされ町役場へと来ていた。応接室に通されると、ウォールは勿論、エヴァ、セバスチャンの3人が待っていた。
「わざわざ来ていただいてすみません」
とウォールが言い、ソファーへ座るように促す。ハジメは
「気にしないでください。それよりも遅くなってすみません」
と謝罪し座る。ウォールがお茶を入れてくれそれぞれの前に置く。
「それで、来ていただいた理由ですが2点あります。まずはアランの件からお話させていただきますね。アランはハジメさんの召喚に失敗した後、一度エルフの国に戻ったようです。奴は男爵の地位に就いていましたが、成り上がり思想が強く、今回のハジメさんの召喚を成功させることで子爵への足掛かりとしようとしたようです。しかし失敗したことにより、爵位を剥奪されました。それを逆恨みしての犯行です。エルフの国に罪状を伝えましたが、国に所属していないエルフのことなど我が国に関係ないと言われました。ハジメさんへの賠償金の事は難しそうです。本当に申し訳ありません」
と3人が頭を下げる。気にしないでくださいと首を振る。
「そしてもう1つはエルフ国の事です。ハジメさんは頭に響いた声を聞きましたか?」
とウォールが言うので、「えぇ」と頷くとエヴァがウォールの後を続ける。
「私たちはハジメさんとアランが最初にあった後に行商人を装ってギルドの情報部隊を向かわせました。そしてエルフの国の王都に入り情報収集を行おうとしたとき王都の広場に男性が現れたのです。瞬きの間に突如現れたそうです。そして王城に向かって歩いて行ったそうです。そして声が上から降ってきたそうです。『今回のエルフの王族たちの行為は目に余る。我が名においてエルフより技術を取り除く』と。勿論エルフたちも黙っていたわけでなく、攻撃魔法を仕掛けたようです。それで街中は逃げ惑う人々で溢れたそうですが、大魔法を放とうとしたとき、その男の右隣に女が現れ、『我が名においてエルフより魔力を取り除く』と言うと魔法が掻き消えてしまったとのことでした。その頃になって近衛兵が現れたそうですが、同じように男の左隣に鎧を纏った人が現れて『我が名においてエルフより戦う力を取り除く。さぁかかってきやがれ』と言った後、エルフ兵相手に無双を始めたそうです。それを見た最初に居た男が慌てた様子で何かすると木々が覆って城が隠されたようです。そして暫くすると木々はなくなりましたが、城は瓦礫に変わっていたそうです。その時にはもうその3人の姿は無かったとのことです。その時『人の子らよ、エルフの国は亡びた。神々を冒涜した者どもはその生を終えたのだ』と頭の中に声が響いたとのことでした。そしてそれ以後、王都に居たエルフたちは例外なく調剤しても成功しなくなり、魔法もスキルも使えなくなってしまったようです。エルフ国の外にいた者たちはその影響は見られていないそうです。ただ精霊魔術を使うことは出来ないそうですが・・・。それで街中混乱していて、さらに王族や貴族は例外なく全員見つからなかったことで輪を掛けて酷くなったそうです」
エヴァは深いため息を付く。ハジメは顔が引きつるのを感じた。『スクナヒコ様、魔法神様、戦闘神様、何をやっちゃってくれてるの?』と内心毒づきそうになった。それを全て隠して
「・・・そうなんですか・・・」
と何とか言葉をハジメが紡ぐとセバスチャンがため息交じりに言う。
「ですので、戦争がどうこう言う問題は無くなりましたが、その3人が何者なのか調査中です。しかし何も分からないのです。冒険者ギルドと商人ギルドが協力して手掛かりを探す手はずになっていますが、果たして分かるのかどうか・・・・」
ハジメはスクナヒコのことを話すか悩んだが、やめておくことにした。どう説明してもハジメの素性が問われるのは明らかだったからだ。
「なるほど・・・。わかりました。お金のことは大丈夫です。かなり収入が増えたので、気にしないでください。それで街のエルフたちは今どうしているんですか?すべてが奪われてしまった以上、この先どうやって生活を成り立たせるつもりなんでしょうか・・・」
国王が愚かであって、その事は街に住む人々には関係のないことである。言えば被害者と言っても過言ではない気がしたのだ。この世界で生きる力を失った人々が生活するのは難しいだろう。技術も失くし、魔法も失くし、戦う力もなくしてしまった難民となれば、奴隷として生きる方法を選ぶ人も多いだろう。そう思って発言したのが
「あぁ、それはあくまで力を失ったのはエルフだけなのです。ハーフエルフたちはその力を失っていないことが分かったのです。その為エルフの国は周辺の国が分割して管理することになりそうな流れです。まだ決まってはいませんが。技術を持ったハーフエルフ1人に付き、数十人のエルフを獲得国へ割り振るようになるみたいです」
ある商品を買うには売れない商品も買わないといけないという抱き合わせ商法のようだった。昔問題化しハジメが死ぬ十数年前に規制された方法である。多くとれば養わなければならい者が増えるのであるから自国の経済状況に応じた人数を見極めなければならないが、ポーションが作れるとなると冒険者たちの活動は活発になり、かなりの経済効果を果たす。しかしそれには調剤室を作ったり、販路を作ったり、契約したり、安定した個数の供給だったりという様々な準備が必要になるのだ数年程度の時間が必要であり、年単位での下準備が必ず必要なのである。それで国の財政が破綻してしまえばおしまいである。だからこそその国の経済状況にあった人数を見極める必要があるのだ。
しかしもうハジメの手が出せるところではないのだ。
取りあえず魔力ポーションを作ってからのトラブルはこれで一段落したようだった。
「わざわざ来ていただいてすみません」
とウォールが言い、ソファーへ座るように促す。ハジメは
「気にしないでください。それよりも遅くなってすみません」
と謝罪し座る。ウォールがお茶を入れてくれそれぞれの前に置く。
「それで、来ていただいた理由ですが2点あります。まずはアランの件からお話させていただきますね。アランはハジメさんの召喚に失敗した後、一度エルフの国に戻ったようです。奴は男爵の地位に就いていましたが、成り上がり思想が強く、今回のハジメさんの召喚を成功させることで子爵への足掛かりとしようとしたようです。しかし失敗したことにより、爵位を剥奪されました。それを逆恨みしての犯行です。エルフの国に罪状を伝えましたが、国に所属していないエルフのことなど我が国に関係ないと言われました。ハジメさんへの賠償金の事は難しそうです。本当に申し訳ありません」
と3人が頭を下げる。気にしないでくださいと首を振る。
「そしてもう1つはエルフ国の事です。ハジメさんは頭に響いた声を聞きましたか?」
とウォールが言うので、「えぇ」と頷くとエヴァがウォールの後を続ける。
「私たちはハジメさんとアランが最初にあった後に行商人を装ってギルドの情報部隊を向かわせました。そしてエルフの国の王都に入り情報収集を行おうとしたとき王都の広場に男性が現れたのです。瞬きの間に突如現れたそうです。そして王城に向かって歩いて行ったそうです。そして声が上から降ってきたそうです。『今回のエルフの王族たちの行為は目に余る。我が名においてエルフより技術を取り除く』と。勿論エルフたちも黙っていたわけでなく、攻撃魔法を仕掛けたようです。それで街中は逃げ惑う人々で溢れたそうですが、大魔法を放とうとしたとき、その男の右隣に女が現れ、『我が名においてエルフより魔力を取り除く』と言うと魔法が掻き消えてしまったとのことでした。その頃になって近衛兵が現れたそうですが、同じように男の左隣に鎧を纏った人が現れて『我が名においてエルフより戦う力を取り除く。さぁかかってきやがれ』と言った後、エルフ兵相手に無双を始めたそうです。それを見た最初に居た男が慌てた様子で何かすると木々が覆って城が隠されたようです。そして暫くすると木々はなくなりましたが、城は瓦礫に変わっていたそうです。その時にはもうその3人の姿は無かったとのことです。その時『人の子らよ、エルフの国は亡びた。神々を冒涜した者どもはその生を終えたのだ』と頭の中に声が響いたとのことでした。そしてそれ以後、王都に居たエルフたちは例外なく調剤しても成功しなくなり、魔法もスキルも使えなくなってしまったようです。エルフ国の外にいた者たちはその影響は見られていないそうです。ただ精霊魔術を使うことは出来ないそうですが・・・。それで街中混乱していて、さらに王族や貴族は例外なく全員見つからなかったことで輪を掛けて酷くなったそうです」
エヴァは深いため息を付く。ハジメは顔が引きつるのを感じた。『スクナヒコ様、魔法神様、戦闘神様、何をやっちゃってくれてるの?』と内心毒づきそうになった。それを全て隠して
「・・・そうなんですか・・・」
と何とか言葉をハジメが紡ぐとセバスチャンがため息交じりに言う。
「ですので、戦争がどうこう言う問題は無くなりましたが、その3人が何者なのか調査中です。しかし何も分からないのです。冒険者ギルドと商人ギルドが協力して手掛かりを探す手はずになっていますが、果たして分かるのかどうか・・・・」
ハジメはスクナヒコのことを話すか悩んだが、やめておくことにした。どう説明してもハジメの素性が問われるのは明らかだったからだ。
「なるほど・・・。わかりました。お金のことは大丈夫です。かなり収入が増えたので、気にしないでください。それで街のエルフたちは今どうしているんですか?すべてが奪われてしまった以上、この先どうやって生活を成り立たせるつもりなんでしょうか・・・」
国王が愚かであって、その事は街に住む人々には関係のないことである。言えば被害者と言っても過言ではない気がしたのだ。この世界で生きる力を失った人々が生活するのは難しいだろう。技術も失くし、魔法も失くし、戦う力もなくしてしまった難民となれば、奴隷として生きる方法を選ぶ人も多いだろう。そう思って発言したのが
「あぁ、それはあくまで力を失ったのはエルフだけなのです。ハーフエルフたちはその力を失っていないことが分かったのです。その為エルフの国は周辺の国が分割して管理することになりそうな流れです。まだ決まってはいませんが。技術を持ったハーフエルフ1人に付き、数十人のエルフを獲得国へ割り振るようになるみたいです」
ある商品を買うには売れない商品も買わないといけないという抱き合わせ商法のようだった。昔問題化しハジメが死ぬ十数年前に規制された方法である。多くとれば養わなければならい者が増えるのであるから自国の経済状況に応じた人数を見極めなければならないが、ポーションが作れるとなると冒険者たちの活動は活発になり、かなりの経済効果を果たす。しかしそれには調剤室を作ったり、販路を作ったり、契約したり、安定した個数の供給だったりという様々な準備が必要になるのだ数年程度の時間が必要であり、年単位での下準備が必ず必要なのである。それで国の財政が破綻してしまえばおしまいである。だからこそその国の経済状況にあった人数を見極める必要があるのだ。
しかしもうハジメの手が出せるところではないのだ。
取りあえず魔力ポーションを作ってからのトラブルはこれで一段落したようだった。
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【作者から】
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