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6.陛下が会いに来ました-4
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それは、いつか人の上に立って、命じるのを仕事とするようになるから、その練習である、とジジイに聞いた。それはそれで大変だなって思ったのを覚えてる。
なのに、この辺だ。王子様が暮らしているのは、陛下がいつもいるしっせいとう? っていう、門から見えるあのでかい城じゃない。あそこはお客さんが来て、陛下と会う玉座の間があったりするところだ。他にも政治の何たらをやってる、って、前にジジイに聞いた。
だから陛下が働いているのと、陛下と王妃様が暮らしてるのと、王子様方が暮らしているのは、全部違う城だ。屋敷じゃなくて、城だ。ちいせえけど。下のお姫様たちはまだお小さいから、王妃様たちと一緒だ。俺が来る前までは、王子様も王妃様たちと一緒に暮らしてた。王様は王様でまたなんか違うらしいけれど、俺には関係ないのでよくわからん。王妃様のお城、って、侍女さんたちが言ってたから、あそこは王妃様の城なんだろう。
上の王子様方も、俺が一緒にいる王子様も、同じ城だけれど、それぞれ棟が違う。俺には全部別の城に見えるんだけど、ジジイ的には繋がってるらしい。よくわからん。
その王子様が暮らしてる場所ってのは、一部屋じゃない。一階二階三階って、それぞれのフロアの三部屋。なんに使うんだよって俺は思ってるけれど、二階の一部屋が、寝室だろ? 今いるのは寝室の隣部屋で居間。あっちの部屋は勉強する場所。家庭教師の先生とかが来るんだよ。それから下の階に衣裳部屋が三部屋あって。王子様でもそんなに必要なのかよって、思った。お姫様ならわかる。なんとなく。ドレスってかさばりそうじゃねぇか。
三階は知らない。俺に関係がないというそれだけの理由で、俺はそこを聞いていない。王子様がそこに行くときに連れていくのジジイなので、書庫とか、そういう物じゃないかと思っている。俺連れてっても荷物持ちくらいしかできねえ上に、護衛に荷物持たせてどうするんだって話になっちまう。手をふさいじゃダメだろう。ジジイは何とかしそうだけどさ。
この棟には、王子様の他は俺とジジイ。それから、数人の侍女が交代で昼間来ているくらいだ。王子様の飯の準備をしたり、さっき陛下にお茶を準備したみたいに家庭教師にお茶を出したり。それだけだ。
「なあジジイ。王子様は魔王に勝った後って、どうなるんだ?」
「あと、とは?」
「俺は奴隷じゃなくなるんだとよ。今は知らねえけど、最初の時はそうだった。そう言われた。そういうやつだよ」
「特にはありませんな。国に戻られ、王子として生活なされるかと」
「じゃあ、まずいんじゃないのか?」
確かに王子様は、前に王子様やってた時に、その辺りを学んだ、というのだろう。これまでの人生で覚えた魔法とかなんとか結構覚えてるみたいだけどさ。
「覚えてるのは王子様だけであって、他の連中は王子さまと顔繋いでねえんだろ?」
だったらそいつらは、魔王を倒した後、王子様を大切にしいない可能性がある。王子様のご家族がその辺りを何とかしてくれるかもしんねえけど、王子様だって、その辺りを自分でどうにかする必要はあるんじゃねえか、って話だよ。
俺には関係のない話、と言えばそれまでだ。実際関係ないしな。魔王討伐が終われば、俺は多分城を出されるだろうし。
「ってのもあるから、王様も頼ってくれって、言いに来たんじゃないのか?」
「そう、なのかな」
単純に本当にたまたま暇が出来ただけの可能性が一番あるけど。まあそれは、あれだ。黙っといて別に、いいだろ。
「父上に、頼れそうなことか」
「あれじゃねえか。仲間の事。早めに手を回してもらえるんじゃねえの」
勇者様だってそうだ。俺だけじゃなくて、他の誰かを付けて貰えればそれでいいかもしれない。大人、だ。旅しても問題ない、お貴族様に見えない大人とか。
「そういやあの仲間って、どういう基準で選んでるんだ?」
「勇者様は、女神さまが聖女様に神託を下ろして、勇者様になるんだ」
「勇者様になる前に確保しちゃまずいのか? あいつんち確かぎりっぎりで、あいつも奴隷として売られる可能性があった、みたいなこと言ってたけど。買ったらまずい?」
これは、ジジイへの問いだ。流石に王子様が他国で人間買うのはまずいだろうか。
俺は俺の記憶では色んな国にいたけれど、最初に俺がいたあの奴隷屋は、アベラール王国内っぽいから、問題がなかったって聞いた記憶があるし。
「ふむ。誘導は、お勧めしませんな」
「とは?」
「例えば手の者をやって、借金をするように誘導し、払えなくなったところで勇者様を引き取る、と言ったところですか」
「まあ、ばれたら心象は最悪だろうね」
「ですねぇ」
俺みたいに奴隷から生まれたから奴隷、という立場であれば、こうやって買い取って貰えても嬉しいけれど、普通に生きてりゃそりゃ奴隷にはなりたくないわな。
出来るとしたら援助とか、そういう方向になるのでは、でもそれは不自然じゃないかとか、ジジイと王子様が話し合っているのを俺はただ聞いている。いや、俺に出来ること、無いし。口を挟むようなことが思いついたら、勝手に聞くんだけど。
「勇者様については、まあ、置いておこう。彼を奴隷として確保はしたくない」
「まあ、世界を救ったら奴隷から解放して人間扱いしてやる、なんて、一歩間違えれば魔王側につかれかねないもんな」
「え?」
「俺そう言われたぜ?」
今の話じゃなくて、前の話だけど。
「まあ奴隷なんて、そんなものですな」
「そうそう。運が良けりゃあ、王子様に就職の口きいてもらえるんじゃねえかって、斥候の親父が言ってたな」
「そやつは城では雇えませんな」
「だろうな」
王子様がびっくりした顔で、こっちを見ている。なんか変な事言ったか?
なのに、この辺だ。王子様が暮らしているのは、陛下がいつもいるしっせいとう? っていう、門から見えるあのでかい城じゃない。あそこはお客さんが来て、陛下と会う玉座の間があったりするところだ。他にも政治の何たらをやってる、って、前にジジイに聞いた。
だから陛下が働いているのと、陛下と王妃様が暮らしてるのと、王子様方が暮らしているのは、全部違う城だ。屋敷じゃなくて、城だ。ちいせえけど。下のお姫様たちはまだお小さいから、王妃様たちと一緒だ。俺が来る前までは、王子様も王妃様たちと一緒に暮らしてた。王様は王様でまたなんか違うらしいけれど、俺には関係ないのでよくわからん。王妃様のお城、って、侍女さんたちが言ってたから、あそこは王妃様の城なんだろう。
上の王子様方も、俺が一緒にいる王子様も、同じ城だけれど、それぞれ棟が違う。俺には全部別の城に見えるんだけど、ジジイ的には繋がってるらしい。よくわからん。
その王子様が暮らしてる場所ってのは、一部屋じゃない。一階二階三階って、それぞれのフロアの三部屋。なんに使うんだよって俺は思ってるけれど、二階の一部屋が、寝室だろ? 今いるのは寝室の隣部屋で居間。あっちの部屋は勉強する場所。家庭教師の先生とかが来るんだよ。それから下の階に衣裳部屋が三部屋あって。王子様でもそんなに必要なのかよって、思った。お姫様ならわかる。なんとなく。ドレスってかさばりそうじゃねぇか。
三階は知らない。俺に関係がないというそれだけの理由で、俺はそこを聞いていない。王子様がそこに行くときに連れていくのジジイなので、書庫とか、そういう物じゃないかと思っている。俺連れてっても荷物持ちくらいしかできねえ上に、護衛に荷物持たせてどうするんだって話になっちまう。手をふさいじゃダメだろう。ジジイは何とかしそうだけどさ。
この棟には、王子様の他は俺とジジイ。それから、数人の侍女が交代で昼間来ているくらいだ。王子様の飯の準備をしたり、さっき陛下にお茶を準備したみたいに家庭教師にお茶を出したり。それだけだ。
「なあジジイ。王子様は魔王に勝った後って、どうなるんだ?」
「あと、とは?」
「俺は奴隷じゃなくなるんだとよ。今は知らねえけど、最初の時はそうだった。そう言われた。そういうやつだよ」
「特にはありませんな。国に戻られ、王子として生活なされるかと」
「じゃあ、まずいんじゃないのか?」
確かに王子様は、前に王子様やってた時に、その辺りを学んだ、というのだろう。これまでの人生で覚えた魔法とかなんとか結構覚えてるみたいだけどさ。
「覚えてるのは王子様だけであって、他の連中は王子さまと顔繋いでねえんだろ?」
だったらそいつらは、魔王を倒した後、王子様を大切にしいない可能性がある。王子様のご家族がその辺りを何とかしてくれるかもしんねえけど、王子様だって、その辺りを自分でどうにかする必要はあるんじゃねえか、って話だよ。
俺には関係のない話、と言えばそれまでだ。実際関係ないしな。魔王討伐が終われば、俺は多分城を出されるだろうし。
「ってのもあるから、王様も頼ってくれって、言いに来たんじゃないのか?」
「そう、なのかな」
単純に本当にたまたま暇が出来ただけの可能性が一番あるけど。まあそれは、あれだ。黙っといて別に、いいだろ。
「父上に、頼れそうなことか」
「あれじゃねえか。仲間の事。早めに手を回してもらえるんじゃねえの」
勇者様だってそうだ。俺だけじゃなくて、他の誰かを付けて貰えればそれでいいかもしれない。大人、だ。旅しても問題ない、お貴族様に見えない大人とか。
「そういやあの仲間って、どういう基準で選んでるんだ?」
「勇者様は、女神さまが聖女様に神託を下ろして、勇者様になるんだ」
「勇者様になる前に確保しちゃまずいのか? あいつんち確かぎりっぎりで、あいつも奴隷として売られる可能性があった、みたいなこと言ってたけど。買ったらまずい?」
これは、ジジイへの問いだ。流石に王子様が他国で人間買うのはまずいだろうか。
俺は俺の記憶では色んな国にいたけれど、最初に俺がいたあの奴隷屋は、アベラール王国内っぽいから、問題がなかったって聞いた記憶があるし。
「ふむ。誘導は、お勧めしませんな」
「とは?」
「例えば手の者をやって、借金をするように誘導し、払えなくなったところで勇者様を引き取る、と言ったところですか」
「まあ、ばれたら心象は最悪だろうね」
「ですねぇ」
俺みたいに奴隷から生まれたから奴隷、という立場であれば、こうやって買い取って貰えても嬉しいけれど、普通に生きてりゃそりゃ奴隷にはなりたくないわな。
出来るとしたら援助とか、そういう方向になるのでは、でもそれは不自然じゃないかとか、ジジイと王子様が話し合っているのを俺はただ聞いている。いや、俺に出来ること、無いし。口を挟むようなことが思いついたら、勝手に聞くんだけど。
「勇者様については、まあ、置いておこう。彼を奴隷として確保はしたくない」
「まあ、世界を救ったら奴隷から解放して人間扱いしてやる、なんて、一歩間違えれば魔王側につかれかねないもんな」
「え?」
「俺そう言われたぜ?」
今の話じゃなくて、前の話だけど。
「まあ奴隷なんて、そんなものですな」
「そうそう。運が良けりゃあ、王子様に就職の口きいてもらえるんじゃねえかって、斥候の親父が言ってたな」
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