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【本編】一章 bule drop(2年次10月頃~過去有)
bule drop -8-
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「えー!もう一人の怪盗キッズも高校生?!すげー!!マジで?もっとおっさんかと思ってた!!」
「………」
わー、すげー!!とはしゃいでいる目の前の小さな男の子に 姫坂はブーツも脱がず仕事部屋の入り口の前で後ずさりをしてしまう。
無邪気にはしゃぐ生意気そうな男の子は、ずいぶんと身なりが良かった。
白いシャツにカーディガン、グリーンのチェックのズボン。
彼の胸には、高そうなテディベアが抱かれている。
これはどういうことだろうか。
寮の部屋の一室、それも仕事部屋に見知らぬ男の子がいる。
もしかしなくても、誰かが連れてきたほかはない。
自分が連れてきたのではないのだから、つまり―――。
「君さ、何やってるの……」
「…すまん」
端的に返される久我の謝罪に、姫坂は思わず天井を仰いでしまった。
「失敗したという連絡は聞いたよ?
人に顔を見られたという連絡も聞いた。
脱出ルートはBルート、途中合流は無しというのも聞いた。
何連れてきてるの、君はっ!」
ガラスのコップにりんごジュースを注ぎながら、姫坂は久我に言葉を投げる。
信じられない状況だ。
目撃者を自分たちの部屋、それもワークルームまで連れてきてしまうとは。
「……顔を見られてあの場においておくわけにも行かないだろう?」
「だからって普通連れてくる?
自分たちの寮の、仕事部屋まで?
そんな馬鹿げた話聞いたことないよっ!」
興奮したように声を荒げるも、ソファに座った少年の前にはそっとジュースが置かれる。
「とにかく…落ち着けって、姫坂」
「どうやって落ち着けって?
っていうか僕の名前呼ばないでくれる?!
ばれちゃったじゃないか!
あー馬鹿、ザル馬鹿っ!
僕の今までのミスなんて可愛いもんじゃないか。
今知ったよ、久我!君がミスするときは稀だけれどドデカイって」
「…ザル馬鹿ってのはなんだ?………猿じゃないのか?」
「っ……」
反省していないのか、問題はそこかっ!、と突っ込みを入れたくなる衝動を姫坂は なんとか抑えた。
「すくいようのない馬鹿ってことじゃないか?
おー、すげー美味しいっ!このりんごジュース凄く美味い!」
答えは別のほうから飛んでくる。
「この子の方が利口だね」
更なるダメージを受けることになった久我は その場に立ったまま何も出来ないでいた。
「で、どうするのさ?」
「とりあえず失敗したという報告と、期限延長の申請をする」
「…あの子のこと上に連絡したら、十中八九暗殺班が動くよ」
「………」
問題の少年はりんごジュースを飲んだ後、シャワーまで浴びて満足そうにワークルームのソファに身を沈めて寝息を立てている。
「悪かったよ」
またこの顔!ずるい!!
普段顔に表情がのらないのに、久我は時おりこうやって美しい顔を崩してくる。姫坂にとって、すごく落ち着かない気分にさせるし、陥落してしまう。
「あー…もうすぎちゃったことだから仕方ないよ。
とりあえずあの子のことは保留にして、“bule drop”を手に入れることだけを考えよう。
もう一度館内のデータとセキュリティを調べるから、 君は上に“期間延長の申請”をよろしく」
「わかった」
(進入ルートを作ったのは僕だし、そう考えると僕にも責任があるんだよね…)
「やっぱりセキュリティ解除しないと難しいか。
後は何日期限を延ばせるか、だけれど……」
2週間と言う期限を設けてきたのだから、あまり延長は出来ないだろう。
良くて1週間、悪ければ―――
「それが、あの美術館の地図か?」
「あぁ、うん、そ……っ!?」
思わずすんなりと頷いてしまったのは、普段の癖といってもいい。
この部屋に入る人間は、本来自分以外に一人しかいないはずなのだから。
寝ていたはずの少年はいつの間にか姫坂の傍らにいる。
興味ありげにパソコンの画面を見つめる彼は、ことの重要さにわかっていないようだった。
「君寝ていなよ」
「俺には大我っていう名前があるぞ。
なぁ、お前らが盗もうとしているのって、コレ?」
少年はテディベアの腹から青い涙型の光る宝石を取り出して姫坂に見せる。
パソコン画面と自身との間にそれが入り、一瞬邪魔に思う姫坂だが、 物を知り、その宝石をまじまじと見つめた。
なぜ少年の手に“bule drop”があるのだろうか?
「これは?」
「これが本物の“bule drop”だ。
俺のおじい様が大切にしていたものだからな。
絶対、あんなヒキガエルに渡さねぇよ!」
「…ちょっと見ても良い?」
「見るだけだぞ?」
姫坂は少年から“bule drop”を受け取ると、それを光に当てた。
傷もゴミもない。
青い輝きにはくもりもなかった。
確かにこれはアクアマリンで、極上品である。
つまり、本物だ。
目利きは組織で訓練されたものの1つである。
そこいらの鑑定士よりずっと自身があった。
「確かに、本物だね…。
でも、だとすると僕らが盗もうとしているのは?」
本物の“bule drop”を大我の掌へ返すと、姫坂はパソコンの前に再び向き直り考え込む。
そんな姫坂のもとに報告を終えた久我が戻ってきた。
「後2週間は見てくれるそうだ。
状況が変わったとか何かで、とりあえず減俸は無しだ---どうした?」
姫坂は考え込むときに口元に手を添えるのが癖であり、久我は本人に聞かずともそれを知っていた。
「本物の“bule drop”はこの子が持ってるんだよ。
僕らが盗むべきものは、どっちの“bule drop”だと思う?」
「なんだって?」
眉根を顰める久我の反応は当然のことだろう。
まさか厳重に警備されているあの“bule drop”が偽物だと誰が思うだろうか。
姫坂は大我にもう一度“bule drop”を見せてもらうよう頼む。
大我は先ほどと同じように『見るだけだぞ』と言いい、それは姫坂の手に渡った。
姫坂はもう一度それを光にかざした後、久我へと渡す。
神妙な顔つきで久我は受け取った。
感触、色、光の入り具合、重さを確かめる。
姫坂が言うように、確かに本物の“bule drop”であることは間違いないようだ。
だが、依頼された写真とはごくわずかだが、色が異なる。
素人目には、あるいは通常の鑑定人には分からないかもしれないが、 優れた目利きの人間が見たら、この2つが異なることくらい分かるだろう。
そして、どちらに価値があるのかも。
偽物の“bule drop”だって、宝石には変わりない。
「…いつからこれを持ってるんだ?」
久我は大我の小さな掌に“bule drop”をのせて問う。
その様子を目に、姫坂は内心でため息を着いてしまう。
この男は、子供相手にも表情を緩めることをしないのか、というのが正直な感想だ。相方の整いすぎた顔というのは、真顔だと凶器になる。それが分からないから色々と損をしている。相方にとっては、普通に聞いただけなんだろうが、これでは、子供に聞くのではなく、詰問である。
「こ、怖ぇ…。なっ、なんだよ?怒らなくてもいいだろー」
案の定、大我は姫坂と変わらない感想を口にした。
久我は一層視線を鋭くする。姫坂にはわかる。この鋭く見える視線は、イラついてる訳ではなく、ただ、意味がわからないだけであると。だが、整いすぎた顔というのは云々。
「久我、君ねぇ…」
「何だよ?」
「もう少し普通に聞けないのかと思ってね」
「普通に聞いてるだろ?」
「……君の普通は、普通じゃないんだよ」
「失礼なやつだな、お前」
「早朝から10キロのランニングを毎朝行うのが普通だとか思っている君を、普通で片付けられないと思うけれどね、僕は」
「再三起こしてやっと8時頃にふらふらとベットから出るのが普通なのか?
その分だと、いつか遅刻するからな」
「っ僕のことはどうでもいいんだよ、―――じゃなくて、話がそれた」
2人は今の状況を思い出したように、大我に目を向ける。
大我は2人を面白そうに眺めていたようだ。
「ずっとだ、3ヶ月くらい前におじい様から貰って、それからずっと」
「ってことは…」
「俺たちが依頼を受けているのは、やはり美術館にあるあの“bule drop” なんだろうな」
「だね…でも、どうしてだろう?
組織はあれが偽物だと分かってるのかな?」
「どこから依頼が来ているのか分からないからな。
―――俺たちが知ってどうすることもないだろう」
「そうなんだけれどさ…」
真実が見えると難しくなる仕事だってあるのだ。
これは気持ち的な問題である。
組織は正義の味方でも何でもない。
姫坂は、窃盗でこうなのだから、もしこの対象物が物でなく人だったらと思うと苦しくなることが時々あった。
姫坂が窃盗班になったのは、ひとえにハッキングの腕の良さだと言える。
勿論組織の訓練では一通り行った。
班への希望は出せないのだ。
「―――か、姫坂っ!」
「あぁ、ごめん、何?」
「…大丈夫か?」
「なんでもない、ちょっと考え事」
「そっか。セキュリティ解除を頼めるか?」
「わかった。---君は?」
「護衛班に連絡を取る。それから警察内部の情報を調べてみる。
捜索願が出ていてもおかしくないだろうしな」
言いながらちらりと大我を見下ろした久我だが、傍目から見れば、それはあからさまな視線で鋭いもの。
姫坂はそれをとがめるのをもうしなかった。
久我相手に無駄な体力消耗は極力さけたいのが姫坂流である。
「あー…、まぁ、減俸にならなかった分そっちに少しまわしてもいいか」
仕事をしながら大我の護衛を受け持つことは厳しい。
ならば、救援を頼んでもいいだろう。
大我の捜索願がでているかも気になる。
ため息をつくのを我慢し、姫坂は再度パソコンと格闘することになった。
「………」
わー、すげー!!とはしゃいでいる目の前の小さな男の子に 姫坂はブーツも脱がず仕事部屋の入り口の前で後ずさりをしてしまう。
無邪気にはしゃぐ生意気そうな男の子は、ずいぶんと身なりが良かった。
白いシャツにカーディガン、グリーンのチェックのズボン。
彼の胸には、高そうなテディベアが抱かれている。
これはどういうことだろうか。
寮の部屋の一室、それも仕事部屋に見知らぬ男の子がいる。
もしかしなくても、誰かが連れてきたほかはない。
自分が連れてきたのではないのだから、つまり―――。
「君さ、何やってるの……」
「…すまん」
端的に返される久我の謝罪に、姫坂は思わず天井を仰いでしまった。
「失敗したという連絡は聞いたよ?
人に顔を見られたという連絡も聞いた。
脱出ルートはBルート、途中合流は無しというのも聞いた。
何連れてきてるの、君はっ!」
ガラスのコップにりんごジュースを注ぎながら、姫坂は久我に言葉を投げる。
信じられない状況だ。
目撃者を自分たちの部屋、それもワークルームまで連れてきてしまうとは。
「……顔を見られてあの場においておくわけにも行かないだろう?」
「だからって普通連れてくる?
自分たちの寮の、仕事部屋まで?
そんな馬鹿げた話聞いたことないよっ!」
興奮したように声を荒げるも、ソファに座った少年の前にはそっとジュースが置かれる。
「とにかく…落ち着けって、姫坂」
「どうやって落ち着けって?
っていうか僕の名前呼ばないでくれる?!
ばれちゃったじゃないか!
あー馬鹿、ザル馬鹿っ!
僕の今までのミスなんて可愛いもんじゃないか。
今知ったよ、久我!君がミスするときは稀だけれどドデカイって」
「…ザル馬鹿ってのはなんだ?………猿じゃないのか?」
「っ……」
反省していないのか、問題はそこかっ!、と突っ込みを入れたくなる衝動を姫坂は なんとか抑えた。
「すくいようのない馬鹿ってことじゃないか?
おー、すげー美味しいっ!このりんごジュース凄く美味い!」
答えは別のほうから飛んでくる。
「この子の方が利口だね」
更なるダメージを受けることになった久我は その場に立ったまま何も出来ないでいた。
「で、どうするのさ?」
「とりあえず失敗したという報告と、期限延長の申請をする」
「…あの子のこと上に連絡したら、十中八九暗殺班が動くよ」
「………」
問題の少年はりんごジュースを飲んだ後、シャワーまで浴びて満足そうにワークルームのソファに身を沈めて寝息を立てている。
「悪かったよ」
またこの顔!ずるい!!
普段顔に表情がのらないのに、久我は時おりこうやって美しい顔を崩してくる。姫坂にとって、すごく落ち着かない気分にさせるし、陥落してしまう。
「あー…もうすぎちゃったことだから仕方ないよ。
とりあえずあの子のことは保留にして、“bule drop”を手に入れることだけを考えよう。
もう一度館内のデータとセキュリティを調べるから、 君は上に“期間延長の申請”をよろしく」
「わかった」
(進入ルートを作ったのは僕だし、そう考えると僕にも責任があるんだよね…)
「やっぱりセキュリティ解除しないと難しいか。
後は何日期限を延ばせるか、だけれど……」
2週間と言う期限を設けてきたのだから、あまり延長は出来ないだろう。
良くて1週間、悪ければ―――
「それが、あの美術館の地図か?」
「あぁ、うん、そ……っ!?」
思わずすんなりと頷いてしまったのは、普段の癖といってもいい。
この部屋に入る人間は、本来自分以外に一人しかいないはずなのだから。
寝ていたはずの少年はいつの間にか姫坂の傍らにいる。
興味ありげにパソコンの画面を見つめる彼は、ことの重要さにわかっていないようだった。
「君寝ていなよ」
「俺には大我っていう名前があるぞ。
なぁ、お前らが盗もうとしているのって、コレ?」
少年はテディベアの腹から青い涙型の光る宝石を取り出して姫坂に見せる。
パソコン画面と自身との間にそれが入り、一瞬邪魔に思う姫坂だが、 物を知り、その宝石をまじまじと見つめた。
なぜ少年の手に“bule drop”があるのだろうか?
「これは?」
「これが本物の“bule drop”だ。
俺のおじい様が大切にしていたものだからな。
絶対、あんなヒキガエルに渡さねぇよ!」
「…ちょっと見ても良い?」
「見るだけだぞ?」
姫坂は少年から“bule drop”を受け取ると、それを光に当てた。
傷もゴミもない。
青い輝きにはくもりもなかった。
確かにこれはアクアマリンで、極上品である。
つまり、本物だ。
目利きは組織で訓練されたものの1つである。
そこいらの鑑定士よりずっと自身があった。
「確かに、本物だね…。
でも、だとすると僕らが盗もうとしているのは?」
本物の“bule drop”を大我の掌へ返すと、姫坂はパソコンの前に再び向き直り考え込む。
そんな姫坂のもとに報告を終えた久我が戻ってきた。
「後2週間は見てくれるそうだ。
状況が変わったとか何かで、とりあえず減俸は無しだ---どうした?」
姫坂は考え込むときに口元に手を添えるのが癖であり、久我は本人に聞かずともそれを知っていた。
「本物の“bule drop”はこの子が持ってるんだよ。
僕らが盗むべきものは、どっちの“bule drop”だと思う?」
「なんだって?」
眉根を顰める久我の反応は当然のことだろう。
まさか厳重に警備されているあの“bule drop”が偽物だと誰が思うだろうか。
姫坂は大我にもう一度“bule drop”を見せてもらうよう頼む。
大我は先ほどと同じように『見るだけだぞ』と言いい、それは姫坂の手に渡った。
姫坂はもう一度それを光にかざした後、久我へと渡す。
神妙な顔つきで久我は受け取った。
感触、色、光の入り具合、重さを確かめる。
姫坂が言うように、確かに本物の“bule drop”であることは間違いないようだ。
だが、依頼された写真とはごくわずかだが、色が異なる。
素人目には、あるいは通常の鑑定人には分からないかもしれないが、 優れた目利きの人間が見たら、この2つが異なることくらい分かるだろう。
そして、どちらに価値があるのかも。
偽物の“bule drop”だって、宝石には変わりない。
「…いつからこれを持ってるんだ?」
久我は大我の小さな掌に“bule drop”をのせて問う。
その様子を目に、姫坂は内心でため息を着いてしまう。
この男は、子供相手にも表情を緩めることをしないのか、というのが正直な感想だ。相方の整いすぎた顔というのは、真顔だと凶器になる。それが分からないから色々と損をしている。相方にとっては、普通に聞いただけなんだろうが、これでは、子供に聞くのではなく、詰問である。
「こ、怖ぇ…。なっ、なんだよ?怒らなくてもいいだろー」
案の定、大我は姫坂と変わらない感想を口にした。
久我は一層視線を鋭くする。姫坂にはわかる。この鋭く見える視線は、イラついてる訳ではなく、ただ、意味がわからないだけであると。だが、整いすぎた顔というのは云々。
「久我、君ねぇ…」
「何だよ?」
「もう少し普通に聞けないのかと思ってね」
「普通に聞いてるだろ?」
「……君の普通は、普通じゃないんだよ」
「失礼なやつだな、お前」
「早朝から10キロのランニングを毎朝行うのが普通だとか思っている君を、普通で片付けられないと思うけれどね、僕は」
「再三起こしてやっと8時頃にふらふらとベットから出るのが普通なのか?
その分だと、いつか遅刻するからな」
「っ僕のことはどうでもいいんだよ、―――じゃなくて、話がそれた」
2人は今の状況を思い出したように、大我に目を向ける。
大我は2人を面白そうに眺めていたようだ。
「ずっとだ、3ヶ月くらい前におじい様から貰って、それからずっと」
「ってことは…」
「俺たちが依頼を受けているのは、やはり美術館にあるあの“bule drop” なんだろうな」
「だね…でも、どうしてだろう?
組織はあれが偽物だと分かってるのかな?」
「どこから依頼が来ているのか分からないからな。
―――俺たちが知ってどうすることもないだろう」
「そうなんだけれどさ…」
真実が見えると難しくなる仕事だってあるのだ。
これは気持ち的な問題である。
組織は正義の味方でも何でもない。
姫坂は、窃盗でこうなのだから、もしこの対象物が物でなく人だったらと思うと苦しくなることが時々あった。
姫坂が窃盗班になったのは、ひとえにハッキングの腕の良さだと言える。
勿論組織の訓練では一通り行った。
班への希望は出せないのだ。
「―――か、姫坂っ!」
「あぁ、ごめん、何?」
「…大丈夫か?」
「なんでもない、ちょっと考え事」
「そっか。セキュリティ解除を頼めるか?」
「わかった。---君は?」
「護衛班に連絡を取る。それから警察内部の情報を調べてみる。
捜索願が出ていてもおかしくないだろうしな」
言いながらちらりと大我を見下ろした久我だが、傍目から見れば、それはあからさまな視線で鋭いもの。
姫坂はそれをとがめるのをもうしなかった。
久我相手に無駄な体力消耗は極力さけたいのが姫坂流である。
「あー…、まぁ、減俸にならなかった分そっちに少しまわしてもいいか」
仕事をしながら大我の護衛を受け持つことは厳しい。
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