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【本編】五章 examination (2年次11月・the pastより1週間後)
examination -3-
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「指示能力と判断能力は俺と鷹ちゃんがAランクやから、現場の指示は俺らでやるわ。ええな、鷹ちゃん」
「わかった、そうしよう」
春名の決定に、鷹司が首を縦に振る。
「久我の行動パターンが分かればちょっとは動きやすいんだが、な」
「あぁ、俺が持っているよ。
全てをパターン化できないが、予想は立てられるんじゃないか?」
王寺の呟きに答えたのは神楽である。
王寺の口が半開きになり、その身体はソファからずり落ちた。
「…なんで奴のそんなもん持ってやがるんだ?」
「Aグループは所属する人間にあった開発商品を作るのに腕を振るっているんでね」
「なら、ちょぉ大変やけど、神楽、当日の行動パターンをいくつか立ててくれへん?
それは俺も手伝うし―――、倫ちゃんも」
「え、お、俺?」
「倫ちゃん、本能で感じとるタイプやしカウンセラーの資格もっとるやろ?
久我がこうなったらたぶんこうなる―――っていう の、はずれんとちゃう?神楽も俺も、そっち方面からはわからんし」
「わかった」
「俺らはどうすんだ?」
「王寺は射撃でSランク、澤邑は持久力測定でSランク、綾瀬と秋元は瞬発力でSランク。
それぞれ皆Sランクがあるから、それを最大限に生かして久我に対抗できる行動予定を立ててみるよ。
久我は稀に見ない逸材でAランクとSランクのオンパレードだからね。
問題は、姫坂だ」
「姫坂、か」
「あってないの、健だけだよな?」
「あー、あの姫坂愛良だろ?
組織の測定のときに見たぜ?
すっげー言い争いしてたとこ……、いい性格してるぜ、あいつ。
お前と言い勝負じゃね?優成」
澤邑の口調は呆れが含まれている。
「アン?俺はあそこまで酷く無ねぇぞ」
「姫、感が鋭いからさー、変に動いたらすぐ感づかれると思うよー?」
「それに姫坂と久我、仲良いからなー。
連絡も取り合えないようにしないとな、久我がパソコン使ってるとこ姫坂が見たら そこで俺たちの負けかも」
「久我はだませても、姫坂は架空の会社だと気づく可能性がある」
「陽動が必要やな。
綾ちゃん、自分姫ちゃん連れ出して、なるだけ時間稼げ」
「えーっ!」
「伊織ならいつでも誘えるだろう?
同じクラスだしいつも一緒に遊んでいるから一緒にいて見られて困る相手でもないんだし、一番自然だ」
鷹司が綾瀬をなんとか納得させようとする。
綾瀬が姫坂と一緒ならば、少なくとも危険がないことはわかる。
綾瀬の心境を思うと酷かも知れないが、鷹司にとってはずっと一緒に動けない分綾瀬の安全を確保したかった。
「へー、クラス一緒なんだ?
健と桜介も同じクラスだろ?あと、優成と久我も同じクラスなんだよな?
俺は今はこのメンバーだといないけど、1年次は優成と一緒だったんだぜ?な?」
「あぁ…って、今それ関係ないだろうがよ」
同意を求める秋元に王寺が肯定し、それから小突く。
小突かれた秋元は痛くも無い頭を必要以上に痛がって見せた。
仲は良いのだろう。
「優成、自分倫ちゃんにはいつも優しいんやなぁ?」
「アン?馬鹿言え、んなことねぇよ。
てめぇの方が倫には優しいじゃねぇか、間違えてんじゃねぇ」
「なんや、妬いてん?」
「……っその腐った脳みそぶっ放すぞ、桜介」
「おい、痴話喧嘩してんな、時間ねえんだから」
「うっせぇ、健!」
「もうさー、いっつもこんなんなんだよなー。
俺ばっか巻き込まれるんだぜー?」
鷹司に言われて納得した綾瀬に、秋元がぶうたれる。
その言葉に澤邑が返した。
「俺だって毎回被害者だろ?」
「なーに言ってんだよ、立川が絡んだら加害者のくせにさあ」
「あ?あいつは関係ねぇだろ!てか、今名前出すなよ!」
「関係なくないだろー?
この間まで2人とも死んだような顔しやがって、 動いてやったの誰だよー?」
「っ!そりゃ、悪かったな!ご苦労さーん!」
「…言い争いは久我と姫坂で慣れてるけれど。
こう人数そろうと、また凄いな」
「だねー」
それぞれの会話を気にせず仕事に打ち込んでいるのは唯一人、神楽慎之介。
ある意味彼が一番強者ではないだろうか。
「わかった、そうしよう」
春名の決定に、鷹司が首を縦に振る。
「久我の行動パターンが分かればちょっとは動きやすいんだが、な」
「あぁ、俺が持っているよ。
全てをパターン化できないが、予想は立てられるんじゃないか?」
王寺の呟きに答えたのは神楽である。
王寺の口が半開きになり、その身体はソファからずり落ちた。
「…なんで奴のそんなもん持ってやがるんだ?」
「Aグループは所属する人間にあった開発商品を作るのに腕を振るっているんでね」
「なら、ちょぉ大変やけど、神楽、当日の行動パターンをいくつか立ててくれへん?
それは俺も手伝うし―――、倫ちゃんも」
「え、お、俺?」
「倫ちゃん、本能で感じとるタイプやしカウンセラーの資格もっとるやろ?
久我がこうなったらたぶんこうなる―――っていう の、はずれんとちゃう?神楽も俺も、そっち方面からはわからんし」
「わかった」
「俺らはどうすんだ?」
「王寺は射撃でSランク、澤邑は持久力測定でSランク、綾瀬と秋元は瞬発力でSランク。
それぞれ皆Sランクがあるから、それを最大限に生かして久我に対抗できる行動予定を立ててみるよ。
久我は稀に見ない逸材でAランクとSランクのオンパレードだからね。
問題は、姫坂だ」
「姫坂、か」
「あってないの、健だけだよな?」
「あー、あの姫坂愛良だろ?
組織の測定のときに見たぜ?
すっげー言い争いしてたとこ……、いい性格してるぜ、あいつ。
お前と言い勝負じゃね?優成」
澤邑の口調は呆れが含まれている。
「アン?俺はあそこまで酷く無ねぇぞ」
「姫、感が鋭いからさー、変に動いたらすぐ感づかれると思うよー?」
「それに姫坂と久我、仲良いからなー。
連絡も取り合えないようにしないとな、久我がパソコン使ってるとこ姫坂が見たら そこで俺たちの負けかも」
「久我はだませても、姫坂は架空の会社だと気づく可能性がある」
「陽動が必要やな。
綾ちゃん、自分姫ちゃん連れ出して、なるだけ時間稼げ」
「えーっ!」
「伊織ならいつでも誘えるだろう?
同じクラスだしいつも一緒に遊んでいるから一緒にいて見られて困る相手でもないんだし、一番自然だ」
鷹司が綾瀬をなんとか納得させようとする。
綾瀬が姫坂と一緒ならば、少なくとも危険がないことはわかる。
綾瀬の心境を思うと酷かも知れないが、鷹司にとってはずっと一緒に動けない分綾瀬の安全を確保したかった。
「へー、クラス一緒なんだ?
健と桜介も同じクラスだろ?あと、優成と久我も同じクラスなんだよな?
俺は今はこのメンバーだといないけど、1年次は優成と一緒だったんだぜ?な?」
「あぁ…って、今それ関係ないだろうがよ」
同意を求める秋元に王寺が肯定し、それから小突く。
小突かれた秋元は痛くも無い頭を必要以上に痛がって見せた。
仲は良いのだろう。
「優成、自分倫ちゃんにはいつも優しいんやなぁ?」
「アン?馬鹿言え、んなことねぇよ。
てめぇの方が倫には優しいじゃねぇか、間違えてんじゃねぇ」
「なんや、妬いてん?」
「……っその腐った脳みそぶっ放すぞ、桜介」
「おい、痴話喧嘩してんな、時間ねえんだから」
「うっせぇ、健!」
「もうさー、いっつもこんなんなんだよなー。
俺ばっか巻き込まれるんだぜー?」
鷹司に言われて納得した綾瀬に、秋元がぶうたれる。
その言葉に澤邑が返した。
「俺だって毎回被害者だろ?」
「なーに言ってんだよ、立川が絡んだら加害者のくせにさあ」
「あ?あいつは関係ねぇだろ!てか、今名前出すなよ!」
「関係なくないだろー?
この間まで2人とも死んだような顔しやがって、 動いてやったの誰だよー?」
「っ!そりゃ、悪かったな!ご苦労さーん!」
「…言い争いは久我と姫坂で慣れてるけれど。
こう人数そろうと、また凄いな」
「だねー」
それぞれの会話を気にせず仕事に打ち込んでいるのは唯一人、神楽慎之介。
ある意味彼が一番強者ではないだろうか。
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