89 / 203
本編
-89- ピクシー
しおりを挟む
妖精って言われたら全部羽が生えているもんかと思ったが、おはぎだって妖精らしいからなあ。
もふもふのにゃんこ型もいれば、小さい小人型の妖精だっているようだ。
つまり、顔色の悪いイケメン君は、小人じゃなくて妖精らしい。
「兄ちゃんも見えるしお話出来るんだね、僕と一緒だ。爺ちゃんには見えないし聞こえないんだよ」
「おー、出来るぞー。大丈夫だ、こっちも見えてないけど、俺には見えるし話せるからな」
オリバーを指さすと、オリバーは困ったように笑った。
妖精自体の存在は、否定していないらしい。
おはぎがいるからか?
伝説的でも、いるもんはいるんだもんな。
「私には見えませんが、彼はどんな姿です?」
「ん?ちっさくて、顔色悪いけど、意外とイケメンだな、すげー小さいけど」
「イケメン、なんですか?」
「おー、髪は赤くて、うん。ちっさいけど、イケメンだ」
「イケメンな情報はいらなかったです。ああ、でも小さくて赤毛で青白い顔をしているのでしたら、ピクシーと呼ばれる妖精でしょうね。
彼らは、貧しい者に手を貸してくれると言いますから」
オリバーは、イケメンという俺の言い分に、むくれるも、妖精の種類まで教えてくれた。
薬草や薬の知識だけじゃなくて、妖精の知識まであるのか。
伝説で幻って言われる存在なんだろ、妖精自体。
なのに、種類まで知ってんのか。
ほんと、色々知ってんな、オリバーは。
「ここの土や、果物、野菜、薬草、そしてこの薔薇。これらを育てたのは、彼の力があってこそ、ですか?」
「いや、ここの植物や土、全てシリルの力だ。シリルは木と土の魔法を持っていて、魔力は12もある。
俺は、その力をどうやって使うと良いかを教えて、この場所を隠しただけだ」
「そっか。なら、全部シリルが自分で作ったんだな」
「なんと言っていますか?」
「助言をしてこの場所を隠してはいるけど、土も植物も、実際育ててるのはシリルだって言ってるぞ」
「そうですか。対価はなんですか?」
「ドワーフベリーと、りんごがなると分けてもらってる」
「お礼にあげてるの」
「そっか、良くしてもらってるんなら、お礼は必要だな」
「うん」
「ドワーフベリーと、りんごがなったらお礼にわけてるそうだ」
「そうでしたか。ピクシーは対価が必要だとは聞いていたので、どのような対価を払っているのか少し気になりました」
「対価っつーような重いもんじゃないだろ?めちゃめちゃ土の状態もいいし、草木も元気だし」
「そうですね。しかし、本当にこの肉厚な薔薇がすでにこんなに育っているとは驚きました」
オリバーは眉を寄せて難し気に考えてるが、どうしたんだ?
「どうした?」
「ここまでとは思いもしませんでしたので、これではどう移動するか、と」
確かにこんなに広くて立派な薔薇と畑を移動させるのは難しいかもしれねえなあ。
「移動するのか?」
小さなイケメン君が聞いてきた。
「ああ、すぐにじゃない。だが、シリルの親父さんの体調が良くなったら、故郷のエリソン侯爵領に戻る方が良いだろうと」
「…そうか」
「一緒には移動できねえの?」
「出来る。だが、したことがないから不安はある。ここから遠いのか?」
「馬車で1日くらいかかるけど」
「そうか、1日くらいなら問題ない。シリルが行くならば、俺も一緒について行く」
「ありがとう」
「ああ」
普通の人には見えないんだから、一緒に移動するのもそこまで危険はないだろう。
けど、畑の移動か。
んー、どうしたらいいんだ?
馴染ませるなら、土もある程度の量が必要だ。
「アレックス様に頼むのは無理か?」
保証人になってくれて、エリソン侯爵領と取引すんならそのくらいやってくれるんじゃないだろうか。
アレックス様は、領民思いで優しい人だ。
見た目は鋭いが。
「この量をですか?転移はこの量は無理ですよ、いくらなんでも負担が大きすぎます」
「じゃなくて、アレックス様すげー量を収納出来るんだろ?一旦、収納してもらってから転移してもらって、場所が決まってんならそこに出してもらえたら楽なんじゃねえかなって」
「確かに、それなら植物も土もなんら負担なく、全ての問題が解決しますね…」
もう、あれだ。
あの有名な猫型ロボットのポケット扱いだ。
侯爵様をそんな扱いするなんて、俺の言ってることは、大分不敬なことかもしれない。
けど、他になにかいい方法があるか?
今のところ、それしか思いつかねーもん、しょうがねえじゃん。
もふもふのにゃんこ型もいれば、小さい小人型の妖精だっているようだ。
つまり、顔色の悪いイケメン君は、小人じゃなくて妖精らしい。
「兄ちゃんも見えるしお話出来るんだね、僕と一緒だ。爺ちゃんには見えないし聞こえないんだよ」
「おー、出来るぞー。大丈夫だ、こっちも見えてないけど、俺には見えるし話せるからな」
オリバーを指さすと、オリバーは困ったように笑った。
妖精自体の存在は、否定していないらしい。
おはぎがいるからか?
伝説的でも、いるもんはいるんだもんな。
「私には見えませんが、彼はどんな姿です?」
「ん?ちっさくて、顔色悪いけど、意外とイケメンだな、すげー小さいけど」
「イケメン、なんですか?」
「おー、髪は赤くて、うん。ちっさいけど、イケメンだ」
「イケメンな情報はいらなかったです。ああ、でも小さくて赤毛で青白い顔をしているのでしたら、ピクシーと呼ばれる妖精でしょうね。
彼らは、貧しい者に手を貸してくれると言いますから」
オリバーは、イケメンという俺の言い分に、むくれるも、妖精の種類まで教えてくれた。
薬草や薬の知識だけじゃなくて、妖精の知識まであるのか。
伝説で幻って言われる存在なんだろ、妖精自体。
なのに、種類まで知ってんのか。
ほんと、色々知ってんな、オリバーは。
「ここの土や、果物、野菜、薬草、そしてこの薔薇。これらを育てたのは、彼の力があってこそ、ですか?」
「いや、ここの植物や土、全てシリルの力だ。シリルは木と土の魔法を持っていて、魔力は12もある。
俺は、その力をどうやって使うと良いかを教えて、この場所を隠しただけだ」
「そっか。なら、全部シリルが自分で作ったんだな」
「なんと言っていますか?」
「助言をしてこの場所を隠してはいるけど、土も植物も、実際育ててるのはシリルだって言ってるぞ」
「そうですか。対価はなんですか?」
「ドワーフベリーと、りんごがなると分けてもらってる」
「お礼にあげてるの」
「そっか、良くしてもらってるんなら、お礼は必要だな」
「うん」
「ドワーフベリーと、りんごがなったらお礼にわけてるそうだ」
「そうでしたか。ピクシーは対価が必要だとは聞いていたので、どのような対価を払っているのか少し気になりました」
「対価っつーような重いもんじゃないだろ?めちゃめちゃ土の状態もいいし、草木も元気だし」
「そうですね。しかし、本当にこの肉厚な薔薇がすでにこんなに育っているとは驚きました」
オリバーは眉を寄せて難し気に考えてるが、どうしたんだ?
「どうした?」
「ここまでとは思いもしませんでしたので、これではどう移動するか、と」
確かにこんなに広くて立派な薔薇と畑を移動させるのは難しいかもしれねえなあ。
「移動するのか?」
小さなイケメン君が聞いてきた。
「ああ、すぐにじゃない。だが、シリルの親父さんの体調が良くなったら、故郷のエリソン侯爵領に戻る方が良いだろうと」
「…そうか」
「一緒には移動できねえの?」
「出来る。だが、したことがないから不安はある。ここから遠いのか?」
「馬車で1日くらいかかるけど」
「そうか、1日くらいなら問題ない。シリルが行くならば、俺も一緒について行く」
「ありがとう」
「ああ」
普通の人には見えないんだから、一緒に移動するのもそこまで危険はないだろう。
けど、畑の移動か。
んー、どうしたらいいんだ?
馴染ませるなら、土もある程度の量が必要だ。
「アレックス様に頼むのは無理か?」
保証人になってくれて、エリソン侯爵領と取引すんならそのくらいやってくれるんじゃないだろうか。
アレックス様は、領民思いで優しい人だ。
見た目は鋭いが。
「この量をですか?転移はこの量は無理ですよ、いくらなんでも負担が大きすぎます」
「じゃなくて、アレックス様すげー量を収納出来るんだろ?一旦、収納してもらってから転移してもらって、場所が決まってんならそこに出してもらえたら楽なんじゃねえかなって」
「確かに、それなら植物も土もなんら負担なく、全ての問題が解決しますね…」
もう、あれだ。
あの有名な猫型ロボットのポケット扱いだ。
侯爵様をそんな扱いするなんて、俺の言ってることは、大分不敬なことかもしれない。
けど、他になにかいい方法があるか?
今のところ、それしか思いつかねーもん、しょうがねえじゃん。
51
あなたにおすすめの小説
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
《書籍化》転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました
ひより のどか
ファンタジー
《アルファポリス・レジーナブックスより書籍化されました》
ただいま女神様に『行ってらっしゃ~い』と、突き落とされ空を落下中の幼女(2歳)です。お腹には可愛いピンクと水色の双子の赤ちゃんドラゴン抱えてます。どうしようと思っていたら妖精さんたちに助けてあげるから契約しようと誘われました。転生初日に一気に妖精さんと赤ちゃんドラゴンと家族になりました。これからまだまだ仲間を増やしてスローライフするぞー!もふもふとも仲良くなるぞー!
初めて小説書いてます。完全な見切り発進です。基本ほのぼのを目指してます。生暖かい目で見て貰えらると嬉しいです。
※主人公、赤ちゃん言葉強めです。通訳役が少ない初めの数話ですが、少しルビを振りました。
※なろう様と、ツギクル様でも投稿始めました。よろしくお願い致します。
※カクヨム様と、ノベルアップ様とでも、投稿始めました。よろしくお願いしますm(_ _)m
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる